「最低限か」今村駿介は2位が確定した瞬間、そうつぶやいて表情を緩めた。カザフスタンのアレクセイ・ルツェンコが別次元の走りを見せた一方、3位と0.02秒差という薄氷の銀メダルは、今村にとってロードレース初のメダルとなった。アジア大会個人タイムトライアルの模様を男女あわせてレポートする。

スタート台から1分間隔でスタート photo:Satoru Kato
オリンピック同様に4年に一度開催されるアジア大会。今年は1994年に広島市で開催されて以来32年ぶりに日本で開催され、名古屋市をメインに各種目が行われる。自転車競技はロードレースが愛知県新城市、MTBとBMXが名古屋市、トラックのみ静岡県の伊豆ベロドロームで行われる。

個人タイムトライアルのフィニッシュゲート photo:Satoru Kato 
個人TTとしてはアップダウン多めなコースレイアウト photo:Satoru Kato
初日はロード個人タイムトライアル。新城市西部の鬼久保ふれあい広場をスタート・フィニッシュ地点に1周7.9kmの周回コースが設定された。個人タイムトライアルとしてはアップダウンの激しいレイアウトのコースを、男子は4周32km、女子は3周24kmを走る。
朝から雲が広がっていたが昼前には雲間から陽が差し、蒸し暑さが増す1日。午後は雲が厚くなり雨を予感させたが、表彰式終了まで雨粒が落ちることなくスケジュールが進行した。

個人TT男子 スタートする今村駿介 photo:Satoru Kato
男子は16名が出走。3つのウェーブに分けられて1分間隔でスタートする。第2ウェーブまでの10名を終えた時点で44分台のタイムが並ぶ中、第3ウェーブがスタート。全体の12番目、第3ウェーブの2番目にスタートした今村駿介は、1周目から最速タイムのペースで走行し、10分38秒で1周目を終える。

別次元の走りで個人TT優勝を決めたアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン) photo:Satoru Kato
しかし最後にスタートしたアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)は、今村より20秒早いペースで1周目を完了。2周目はこの日の最速ラップとなる9分59秒台をマークし、その後も10分台前半を維持して周回。終わってみれば2位以下に1分33秒もの大差で優勝を決め、ワールドチーム所属選手の力を見せつけた。

暫定2位のタイムを維持して最終周回に入った今村駿介 photo:Satoru Kato

個人TT男子3位 ジャムバルジャムツ・サインバヤル(モンゴル) photo:Satoru Kato
今村は後半に入っても大きくペースを崩さずフィニッシュ。中間計測で競っていたジャムバルジャムツ・サインバヤル(モンゴル)が0.02秒遅れでフィニッシュしたことで今村の2位が確定すると、残念そうに「最低限か」とつぶやき、表情を緩めた。

個人タイムトライアル男子 表彰式 photo:Satoru Kato
今村駿介「最低限の銀メダル」

アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)と健闘を讃えあう今村駿介 photo:Satoru Kato
「正直金メダルをとりたかったけれど、カザフのルツェンコが強いと薄々わかっていたので、最低限銀メダルは取りたいという気持ちはあったので安心しています。
1周目は落ち着いていくつもりでしたが、感覚よりも少し踏んでしまっていたようで、最後はちょっと持たなかったです。1周目はタイム差を無線で聞いていたけれど、2周目以降は「いいぞいいぞ」という声しか聞こえてなくて、もしかして表彰圏外かなと思ったけれど最後まで追い込もうと思いました。試走した時は雨の中だったけれど、今日はギリギリ雨が降らずに済んだし、コース沿いで応援してくれる方がいたので、あの先に行けば応援してもらえると思うと頑張れました。

日本ナショナルチームの中根英登コーチも今村駿介の2位を喜ぶ photo:Satoru Kato 
今村駿介のTTバイク photo:Satoru Kato
結果は3位と0.02秒差でしたが、コンマ1秒だろうと勝ててよかったです。対して1位とはどれくらいタイム差がつくかなと思っていましたが、計算したら1kmで3秒くらい遅れていました。平坦だったらもっと差が少なかったかなと言うのはタラレバになってしまうけれど、このコースプロフィールの中では出し切れたと思います。全日本選手権で勝った代表としてもっとルツェンコ選手と戦えるところをお見せしたかったけれど、これが今の実力と受け止めます。
ロードは僕よりも登れる選手が揃ったので、日本チームの結束力を見せて金メダルを取って欲しいです」

第1ウェーブを終えて暫定トップになった小林あか里 photo:Satoru Kato
3周24kmで行われた女子は14名がふたつのウェーブに分かれてスタート。第1ウェーブの最後にスタートした小林あか里は1周目からトップタイムをマークしながら周回し、38分22秒82でフィニッシュして暫定トップに立つ。

個人TT女子優勝 SULTANOVA Rinata(カザフスタン) photo:Satoru Kato

個人TT女子2位 ZHANG Hao(中国) photo:Satoru Kato 
個人TT女子3位 SHIN Jieun(韓国) photo:Satoru Kato
第2ウェーブがスタートすると、中国のチャン・ハオが2周目までの中間計測で小林を約1分30秒上回るトップタイムをマーク。15秒遅れでカザフスタンのリナタ・サルタノヴァが続く。最終周回の3周目、ペースを挙げたサルタノヴァはチャンより速いペースで周回。約4秒差をつけてトップタイムとなり、女子個人タイムトライアル金メダルを決めた。
小林はトップから1分59秒遅れの6位となった。

個人タイムトライアル女子 表彰式 photo:Satoru Kato
小林あか里「これが今の実力と受け止める」

ホットシートで第2ウェーブの経過を見る小林あか里 photo:Satoru Kato 「メダルを取りに来たので6位という結果は悔しいです。1周目は上げすぎずに2周目以降全開で走るペース配分でしたが、目標としていた36分台後半のタイムには届きませんでした。スタート順が第1ウェーブで気温が低く、路面が少し濡れているところもあったので抑えめに走ったところもありましたが、第2ウェーブは気温も上がって車(競技車両)が走ることで路面が乾いて状況は少し良くなっていたように思います。タイムトライアルだから仕方ないのですが、これが今の実力と受け止めてロードレースに備えます」

オリンピック同様に4年に一度開催されるアジア大会。今年は1994年に広島市で開催されて以来32年ぶりに日本で開催され、名古屋市をメインに各種目が行われる。自転車競技はロードレースが愛知県新城市、MTBとBMXが名古屋市、トラックのみ静岡県の伊豆ベロドロームで行われる。


初日はロード個人タイムトライアル。新城市西部の鬼久保ふれあい広場をスタート・フィニッシュ地点に1周7.9kmの周回コースが設定された。個人タイムトライアルとしてはアップダウンの激しいレイアウトのコースを、男子は4周32km、女子は3周24kmを走る。
朝から雲が広がっていたが昼前には雲間から陽が差し、蒸し暑さが増す1日。午後は雲が厚くなり雨を予感させたが、表彰式終了まで雨粒が落ちることなくスケジュールが進行した。
アレクセイ・ルツェンコが別次元の走りで金メダル 今村駿介が0.02秒差の銀メダル

男子は16名が出走。3つのウェーブに分けられて1分間隔でスタートする。第2ウェーブまでの10名を終えた時点で44分台のタイムが並ぶ中、第3ウェーブがスタート。全体の12番目、第3ウェーブの2番目にスタートした今村駿介は、1周目から最速タイムのペースで走行し、10分38秒で1周目を終える。

しかし最後にスタートしたアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)は、今村より20秒早いペースで1周目を完了。2周目はこの日の最速ラップとなる9分59秒台をマークし、その後も10分台前半を維持して周回。終わってみれば2位以下に1分33秒もの大差で優勝を決め、ワールドチーム所属選手の力を見せつけた。


今村は後半に入っても大きくペースを崩さずフィニッシュ。中間計測で競っていたジャムバルジャムツ・サインバヤル(モンゴル)が0.02秒遅れでフィニッシュしたことで今村の2位が確定すると、残念そうに「最低限か」とつぶやき、表情を緩めた。

今村駿介「最低限の銀メダル」

「正直金メダルをとりたかったけれど、カザフのルツェンコが強いと薄々わかっていたので、最低限銀メダルは取りたいという気持ちはあったので安心しています。
1周目は落ち着いていくつもりでしたが、感覚よりも少し踏んでしまっていたようで、最後はちょっと持たなかったです。1周目はタイム差を無線で聞いていたけれど、2周目以降は「いいぞいいぞ」という声しか聞こえてなくて、もしかして表彰圏外かなと思ったけれど最後まで追い込もうと思いました。試走した時は雨の中だったけれど、今日はギリギリ雨が降らずに済んだし、コース沿いで応援してくれる方がいたので、あの先に行けば応援してもらえると思うと頑張れました。


結果は3位と0.02秒差でしたが、コンマ1秒だろうと勝ててよかったです。対して1位とはどれくらいタイム差がつくかなと思っていましたが、計算したら1kmで3秒くらい遅れていました。平坦だったらもっと差が少なかったかなと言うのはタラレバになってしまうけれど、このコースプロフィールの中では出し切れたと思います。全日本選手権で勝った代表としてもっとルツェンコ選手と戦えるところをお見せしたかったけれど、これが今の実力と受け止めます。
ロードは僕よりも登れる選手が揃ったので、日本チームの結束力を見せて金メダルを取って欲しいです」
女子 リナタ・サルタノヴァが優勝 小林あか里は6位

3周24kmで行われた女子は14名がふたつのウェーブに分かれてスタート。第1ウェーブの最後にスタートした小林あか里は1周目からトップタイムをマークしながら周回し、38分22秒82でフィニッシュして暫定トップに立つ。



第2ウェーブがスタートすると、中国のチャン・ハオが2周目までの中間計測で小林を約1分30秒上回るトップタイムをマーク。15秒遅れでカザフスタンのリナタ・サルタノヴァが続く。最終周回の3周目、ペースを挙げたサルタノヴァはチャンより速いペースで周回。約4秒差をつけてトップタイムとなり、女子個人タイムトライアル金メダルを決めた。
小林はトップから1分59秒遅れの6位となった。

小林あか里「これが今の実力と受け止める」

アジア大会 個人タイムトライアル 結果
| 男子 32.1km | |||
| 1位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン) | 41分24秒05 | |
| 2位 | 今村駿介(日本) | +1分33秒99 | |
| 3位 | ジャンバルジャン・センベイヤール(モンゴル) | +1分34秒01 | |
| 4位 | ズエ・ミン(中国) | +1分57秒39 | |
| 5位 | ツー・チンハオ(台湾) | +2分14秒9i0 | |
| 6位 | バプティステ・ポウラード(タイ)+2分31秒93 | ||
| 女子 24.2km | |||
| 1位 | リナタ・サルタノヴァ(カザフスタン) | 36分23秒72 | |
| 2位 | チャン・ハオ(中国) | +4秒68 | |
| 3位 | しん・ジェウン(韓国) | +32秒42 | |
| 4位 | リーウン・ウィ(香港) | +1分37秒15 | |
| 5位 | ヤニナ・クスコヴァ(ウズベキスタン) | +1分50秒56 | |
| 6位 | 小林あか里(日本) | +1分59秒 |
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