長野県安曇野市で開幕した第39回マウンテンバイク全日本選手権。短距離スピードレースのXCCで沢田時(宇都宮ブリッツェン)が連覇で5度目の勝利。女子は小林あか里が自身の育ったコースで圧勝した。

CJ XCCアドバンスド&チャレンジのスタート 
エスキーナのキッチンカーも出店
7月19・20日の2日間に渡り開催されるMTB全日本選手権。初日の種目は短距離の周回で競われるXCC=クロスカントリー・ショートトラックだ。
初の全日本選手権開催を迎えるのは安曇野のシンボルである北アルプスの常念岳の山麓にある長野県安曇野市マウンテンバイクコース。2022年にオープンしたこのMTBコースは、小林あか里(Kasseien Fiets Huis Cycling Team)の母である元アトランタ五輪代表MTB選手の小林可奈子さんが主宰する「MTBクラブ安曇野」のホームコース。全日本選手権ロードでも既報の通り、父の小林昌樹さんは5月にこの世を去り、この大会は「小林昌樹メモリアル」とも呼ばれる。

MTBクラブ安曇野のメンバーと小林あか里(Kasseien Fiets Huis Cycling Team) photo:Makoto AYANO

男子アドバンス優勝 牧野崇 (COGS) 
安曇野市MTBコース
前夜に豪雨が降ったものの、初日は晴れの真夏日。気温が上昇する13時半に女子エリートがスタート。XCCはレース時間20分程度でショートコースを周回する、ロードで言うクリテリウム的なレース。このXCCで上位を取ると、翌日のXCO(クロスカントリー・オリンピック)のスタート位置が最前列になる。
女子エリートは小林あか里が2年のブランクを経て亡き父に捧げる圧勝

昨年までXCC3連覇している川口うらら(NEXETIS ) 
MTBをレースは2年のブランクがある小林あか里(Kasseien Fiets Huis Cycling Team)

XCC女子エリートのスタート。ホールショットは川口うらら(NEXETIS ) photo:Makoto AYANO
スタートから9人の先頭に出たのは小林あか里。昨年までの全日本XCCで3連覇している川口うらら(NEXETIS )と石田唯(TRKWorks )が続くが、中盤にかけて小林が独走態勢を築き上げ、最終的には一度もトップを譲ること無く、2位の石田に34秒の大差をもって逃げ切った。3位には川口が入った。

リードを広げて独走態勢に入る小林あか里(Kasseien Fiets Huis Cycling Team) photo:Makoto AYANO

2位グループの石田唯(TRKWorks )と川口うらら(NEXETIS ) photo:Makoto AYANO
「すごい応援でした。2年のブランクでMTBを操るスキルが少し衰えていましたが、それをカバーしてくれた素晴らしいバイクのおかげでもあります」と小林は言う。
3週間前の新潟・南魚沼での全日本選手権ロードで優勝し、これで二冠となった。自身がMTBを身につけた地元コースでの勝利であり、かつ亡き父・昌樹さんとの約束を果たす勝利になった。というのも、父からの最後のLINEメッセージが「あか里、全日本を走って」だったという。

XCC女子エリート表彰 優勝小林あか里(Kasseien Fiets Huis Cycling Team)2位石田唯(TRKWorks )3位川口うらら(NEXETIS ) photo:Makoto AYANO
小林は2年前にロードレースに専念するためにマウンテンバイクから離れ、欧州でのレース活動を続けていた。全日本ロード出場のために帰国したが、自身のレース機材としてのMTBが無かったため、Livのトップモデルをジャイアントのサポートで台湾から取り寄せ、出場に間に合わせたという。

小林あか里(Kasseien Fiets Huis Cycling Team)のバイク photo:Makoto AYANO
「父が亡くなってから1週間ほどで決めたエントリーは締切直前でしたし、そのときはバイクも無かったんです。でも、まずこの勝利で明日のレースへのプレッシャーが軽くなりました」。

XCCチャンピオンとなった小林あか里と母の可奈子さん photo:Makoto AYANO
XCC男子エリートは沢田時が高橋翔との接戦を制し3連覇&5勝目

ここまで4勝利している沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン) 
アジアチャンピオンジャージを着た北林力(UNNO FACTORY RACING)

XCCエリート男子のスタート ホールショットは山本幸平(Asia Union TCS Racing Team) photo:Makoto AYANO
43人が出走した男子エリートは14:10分にスタート。ホールショットは山本幸平(Asia Union TCS Racing Team)がとり、沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン) 、高橋翔(drawer THE RACING)、副島達海(TRKWorks )、北林力(UNNO FACTORY RACING)、松本一成(ハイファイブレーシング/ホンダカーズ群馬)、平林安里(TEAM SCOTT TERRA SYSTEM) らが続く。

43人の選手が激しく攻めるXCC photo:Makoto AYANO
7人の高速トレイングループがしばらくリードを続けたが、11周目に平林、12周目には松本が脱落。さらに13周目には、沢田、高橋、北林の3人が抜け出しに成功。そのまま最終周回へと入る。

U23の高橋翔(drawer THE RACING)が先頭に立つ photo:Makoto AYANO

沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン)がリードする photo:Makoto AYANO 
松本一成(ハイファイブレーシング/ホンダカーズ群馬) photo:Makoto AYANO

5人の先頭グループ。高橋翔(drawer THE RACING)がリードする photo:Makoto AYANO
急コーナーの攻めぎあいでバランスを崩した北林が一瞬遅れるも、最後は3人のマッチスプリントに。最終コーナーでインを強引に突いた沢田がいち早くスプリントに入り、そのまま高橋を抑え込んでトップフィニッシュ。雄叫びを上げての勝利はXCC3連覇・通算5勝目という記録更新だった。

北林力(UNNO FACTORY RACING)率いる5人の先頭グループ photo:Makoto AYANO 
最終周回に入ってすぐにミスをした北林力(UNNO FACTORY RACING) photo:Makoto AYANO

XCC3連覇、通算5勝目を挙げた沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン) photo:Makoto AYANO
沢田は言う。「ラスト1周まで表彰台も難しいかもしれないというぐらい展開が難しいレースでした。最終回を先頭で入ることを狙っていたが、翔(高橋)もそれを狙ってきて、それができなかった時点で最後に掛けるしかないと思っていました。少し車間を空けながら、最終コーナーでイチかバチかでいきました。最後に諦めなくてよかった。同じ手は二度と通用しないと思うので、余裕を持って勝てるようにならなければいけないなと思います。ただ、今日は本当に嬉しい。明日は全く違うレースになる。アジアチャンピオンもいるレベルの高いレースになります」。

XCC男子エリート表彰 優勝沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン) 、2位高橋翔(drawer THE RACING) 、3位北林力(UNNO FACTORY RACING) photo:Makoto AYANO
沢田は明日、XCCとXCOのダブルタイトル、そしてXCOの3連覇を目指すことになる。


7月19・20日の2日間に渡り開催されるMTB全日本選手権。初日の種目は短距離の周回で競われるXCC=クロスカントリー・ショートトラックだ。
初の全日本選手権開催を迎えるのは安曇野のシンボルである北アルプスの常念岳の山麓にある長野県安曇野市マウンテンバイクコース。2022年にオープンしたこのMTBコースは、小林あか里(Kasseien Fiets Huis Cycling Team)の母である元アトランタ五輪代表MTB選手の小林可奈子さんが主宰する「MTBクラブ安曇野」のホームコース。全日本選手権ロードでも既報の通り、父の小林昌樹さんは5月にこの世を去り、この大会は「小林昌樹メモリアル」とも呼ばれる。



前夜に豪雨が降ったものの、初日は晴れの真夏日。気温が上昇する13時半に女子エリートがスタート。XCCはレース時間20分程度でショートコースを周回する、ロードで言うクリテリウム的なレース。このXCCで上位を取ると、翌日のXCO(クロスカントリー・オリンピック)のスタート位置が最前列になる。
女子エリートは小林あか里が2年のブランクを経て亡き父に捧げる圧勝



スタートから9人の先頭に出たのは小林あか里。昨年までの全日本XCCで3連覇している川口うらら(NEXETIS )と石田唯(TRKWorks )が続くが、中盤にかけて小林が独走態勢を築き上げ、最終的には一度もトップを譲ること無く、2位の石田に34秒の大差をもって逃げ切った。3位には川口が入った。


「すごい応援でした。2年のブランクでMTBを操るスキルが少し衰えていましたが、それをカバーしてくれた素晴らしいバイクのおかげでもあります」と小林は言う。
3週間前の新潟・南魚沼での全日本選手権ロードで優勝し、これで二冠となった。自身がMTBを身につけた地元コースでの勝利であり、かつ亡き父・昌樹さんとの約束を果たす勝利になった。というのも、父からの最後のLINEメッセージが「あか里、全日本を走って」だったという。

小林は2年前にロードレースに専念するためにマウンテンバイクから離れ、欧州でのレース活動を続けていた。全日本ロード出場のために帰国したが、自身のレース機材としてのMTBが無かったため、Livのトップモデルをジャイアントのサポートで台湾から取り寄せ、出場に間に合わせたという。

「父が亡くなってから1週間ほどで決めたエントリーは締切直前でしたし、そのときはバイクも無かったんです。でも、まずこの勝利で明日のレースへのプレッシャーが軽くなりました」。

XCC男子エリートは沢田時が高橋翔との接戦を制し3連覇&5勝目



43人が出走した男子エリートは14:10分にスタート。ホールショットは山本幸平(Asia Union TCS Racing Team)がとり、沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン) 、高橋翔(drawer THE RACING)、副島達海(TRKWorks )、北林力(UNNO FACTORY RACING)、松本一成(ハイファイブレーシング/ホンダカーズ群馬)、平林安里(TEAM SCOTT TERRA SYSTEM) らが続く。

7人の高速トレイングループがしばらくリードを続けたが、11周目に平林、12周目には松本が脱落。さらに13周目には、沢田、高橋、北林の3人が抜け出しに成功。そのまま最終周回へと入る。




急コーナーの攻めぎあいでバランスを崩した北林が一瞬遅れるも、最後は3人のマッチスプリントに。最終コーナーでインを強引に突いた沢田がいち早くスプリントに入り、そのまま高橋を抑え込んでトップフィニッシュ。雄叫びを上げての勝利はXCC3連覇・通算5勝目という記録更新だった。



沢田は言う。「ラスト1周まで表彰台も難しいかもしれないというぐらい展開が難しいレースでした。最終回を先頭で入ることを狙っていたが、翔(高橋)もそれを狙ってきて、それができなかった時点で最後に掛けるしかないと思っていました。少し車間を空けながら、最終コーナーでイチかバチかでいきました。最後に諦めなくてよかった。同じ手は二度と通用しないと思うので、余裕を持って勝てるようにならなければいけないなと思います。ただ、今日は本当に嬉しい。明日は全く違うレースになる。アジアチャンピオンもいるレベルの高いレースになります」。

沢田は明日、XCCとXCOのダブルタイトル、そしてXCOの3連覇を目指すことになる。
マウンテンバイク全日本選手権 XCC TOP3リザルト
| 1位 | 沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン) | 21:38 |
| 2位 | 高橋翔(drawer THE RACING) | +0.35 |
| 3位 | 北林力(UNNO FACTORY RACING) | +0.99 |
| 女子 | ||
| 1位 | 小林あか里(Kasseien Fiets Huis Cycling Team) | 21:33 |
| 2位 | 石田唯(TRKWorks ) | 22:07 |
| 3位 | 川口うらら(NEXETIS ) | 22:49 |
text&photo:Makoto AYANO
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