「昨年と同じようになるのではないかと思った」。1年前の雪辱を果たしたマウロ・シュミットは、ジェイコ・アルウラーの連携を勝因に挙げた。2位テハダ、総合4位に浮上したピドコックのコメントとともに紹介する。



ステージ優勝 マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー)
レース後インタビュー

自身初のツール区間優勝を挙げたマウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) photo:A.S.O.

この勝利がまだ信じられないよ。スタートからとても厳しい展開で、チームとして逃げに乗ることを狙っていた。ここ数日も何度も逃げを試みたものの、うまくいかなかった。今日はようやく逃げに乗ることができたが、スタート直後からフルガス(全力)だった。その後、後方の集団からチームメイトが追いついてきたので、彼らの後ろで脚を休めることができた。僕にとって完璧な状況だったよ。

(ヨナス・アブラハムセンに敗れて2位だった)昨年のことが何度も頭をよぎったよ。残り4kmから脚がつり始め、それがずっと不安だった。だから残り2kmでテハダの後ろについた。彼がそのまま先頭でスプリントに入ってくれれば理想的だったが、僕を前に出そうとしてきた。スプリントを開始するタイミングは少し遅かったと思う。だからスプリントを始めて最初の50mは「昨年と同じようになるのではないか」と思った。だが、フィニッシュラインが見えたとき、まだ脚に力が残っていたんだ。だからそのまま踏み込んだ。

これはチームでつかんだ勝利だ。僕はただ幸運なだけ。この瞬間のためにチーム全員が懸命に働いてきた。終盤には後続集団でプラップがアタックを潰してくれていたし、登りではベン(オコーナー)が素晴らしい走りを見せてくれた。一定のハイペースで進むよりも、ストップ・アンド・ゴーの展開の方が僕の脚質には合っていたからね。下りでは集団から遅れないことだけに集中し、その後にアタックを決めて勝つことができた。

この勝利のためにとてつもない努力を重ねてきた。昨年は2位と悔しい結果に終わったからこそ、この勝利を実感するまでには数時間は必要だろう。

インタビューに答えるマウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) photo:A.S.O.

表彰式後記者会見

振り返ると、昨年2位だったステージと非常によく似た状況だった。昨年もスタートからフルガスで、平均スピードが高く、最後は2人でのスプリントになった。昨年の経験が頭にあったからこそ、自分にとってより有利な状況に持ち込もうと意識し、それが勝利につながった。

本来は1週目の方がチャンスは多かったが、チームとしてうまくかみ合わなかった。僕たちはステージ優勝を狙えるメンバーでツールに臨み、逃げから勝利をつかむことを目標にしていた。だが、これまでそのチャンスは多くなかった。だから今日はチーム一丸となって逃げを狙った。

─昨年2位だったステージで、コースデータをガーミン(サイクルコンピュータ)に入れ忘れたのは本当か。今日は忘れずに入れたのか。

その話は本当だよ(笑)。あれは昨年、僕が犯した最大の間違いだった。普段は休息日にガーミンへコースデータをすべて入れておくのだが、コース変更などもあるので、あまり早く入れすぎるわけにもいかないんだ。それで1ステージ分だけ入れ忘れ、よりによってその日に逃げに乗ってしまった。だから終盤のコースが分からなかったんだ。

今年はその失敗から学び、各ステージ前にダブルチェックするようになった(笑)。だから今日はコースを確認しながら走ることができ、すべてがうまくいったよ。

昨年の冬はツアー・ダウンアンダーに向けて準備を進めていた。チームにとっても、僕個人にとっても大きな目標のレースだからね。12月は過去のミスを振り返りながらトレーニングを積み、体調を崩すことなくシーズンに入れた。今年はポジション面を少し改善できたことも、結果につながっていると思う。また、チームからの大きなサポートも、好結果につながった理由の1つだろう。

ステージ2位 アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ)

一騎打ちのスプリントで敗れたアロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) photo:CorVos

今日は逃げに大きなチャンスがあると分かっていたので、逃げに乗ることだけに集中していた。逃げが決まるまでにはかなり時間がかかったが、最終的にニコラス・ヴィノクロフとダヴィデ・バッレリーニと一緒に抜け出すことができた。終盤にはマウロ・シュミットと2人で抜け出し、スプリントでは彼の方が速いと分かっていたので、残り200mから先に仕掛けた。すべてを出し切ったが、勝利には届かなかった。

勝利まで本当にあと少しだった。もちろん勝ちたかったが、自分にできることはすべてやり切ったので、今日の走りには満足している。今後もチャンスが訪れることを願っている。

ステージ3位&総合4位&敢闘賞 トーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング)

トーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング)は2秒差のステージ3位。総合ジャンプアップに成功した photo:CorVos

ポジティブに捉えることもできる結果だが、ステージ優勝を狙っていたので悔しいよ。だけど勝利を争うことができ、チームとして素晴らしいレースができた。チームメイトを誇りに思うし、その働きに勝利で報いたかった。

ただ、総合4位に浮上できたので、うれしさと悔しさが入り混じっている。この先の個人タイムトライアルではタイムを失うことになるだろう。明日からの数日間は総合勢の争いとなるので、あとは懸命に走るだけだ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O., CorVos

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