年に一度のロードレース日本一決定戦「全日本選手権ロードレース」が、6月27日、28日に開催される。コースと日程、注目選手をプレビューする。



今年の全日本選手権ロードレースは、男女エリートとU23、マスターズのレースを新潟県南魚沼市で、ジュニアとU17のレースは京都府美山町で開催される。ここでは、南魚沼市で開催されるレースについてプレビューする。

6月27日、28日のスケジュールは以下表の通り。昨年まで日曜日の男子エリート前に行われていたマスターズのレースが土曜日に移行し、代わりに女子エリート+U23のレースが男子エリートの前に行われる。
全日本選手権ロードレース 日程
時間 種目 距離
6月27日
8:00〜 男子U23 132km(11周)
12:00〜 男子マスターズ30-39、40-49 72km(6周)
14:30〜 男子マスターズ50-59、60-、女子マスターズ 36km(3周)
6月28日
8:00〜 女子エリート+U23 84km(7周)
11:30〜 男子エリート 180km(15周)
三国川ダムのしゃくなげ湖に沿って走るコース(写真は2025年Jプロツアー南魚沼ロードレース) photo:Satoru Kato

コースは、JBCF(一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟)が主催する「南魚沼ロードレース」で使用される新潟県南魚沼市東部にある三国(さぐり)川ダムのしゃくなげ湖周辺に設定された1周12kmの周回コース。公道コースでの全日本選手権ロードレースは2018年の島根県益田市での開催以来8年ぶりとなる。

2026年全日本選手権ロードレース コース図 ©︎JCF/全日本選手権テクニカルガイドより抜粋

スタート直後から最大勾配8%の登りが2kmほど続き、しゃくなげ湖周辺に出ると細かなアップダウンとカーブが連続。コース後半は道幅が一気に狭まって集団が引き伸ばされ、残り3kmからは高低差約140mのつづら折れカーブを一気に下る。

道幅が狭まって大小のカーブが連続するコース後半(写真は2024年Jプロツアー南魚沼ロードレース) photo:Satoru Kato

過去のJプロツアーのレースでは終盤までに小集団に絞られた中から独走に持ち込むか、残り500mからの登りスプリント勝負になることが多い。必ずしもクライマーが有利とは言えず、パンチャーや登りをこなせるスプリンター向きのコースと言える。とは言え、Jプロツアーは122kmから144kmで行われているが、全日本選手権の男子エリートは180km。出場するメンバーも違うため、それがレース展開にどのように影響するか?
2025年優勝の林原聖真(群馬グリフィンレーシングチーム:当時) photo:Satoru Kato
2021年優勝の草場啓吾(愛三工業レーシングチーム:当時) photo:Satoru Kato


南魚沼ロードレース勝者の中で今回エントリーしているのは、2021年優勝の草場啓吾(キナンレーシングチーム)と、2025年優勝の林原聖真(シマノレーシング)。

草場は今季JプロツアーとJクリテリウムツアー合わせて3勝を挙げる。2021年は南魚沼での勝利のあと全日本選手権でも優勝しており、ゲンの良いコースで2度目のタイトル獲得に期待がかかる。一方の林原は今シーズンからシマノレーシングに加入し、勝利こそ挙げられていないものの、最終盤に残る強さを見せる。優勝経験のあるコースだけに、良いイメージを持って臨んでくるだろう。

石川ロードレースで優勝した孫崎大樹(ヴィクトワール広島) photo:Satoru Kato
宇都宮清原クリテリウムで優勝した岡篤志(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru Kato


今季国内レースで好調ぶりを見せているのが孫崎大樹(ヴィクトワール広島)と岡篤志(宇都宮ブリッツェン)。

孫崎は6月初めに行われたJプロツアー「石川ロードレース」で優勝。南魚沼ロードレースでは昨年と2023年に3位表彰台に立ち、得意なコースと自信を見せる。石川ロードレースで孫崎と競り合って2位となった岡も好調。3月の宇都宮清原クリテリウムでの優勝をはじめ、UCIレースを含む国内レースで勝負に絡む走りを見せる。宮崎泰史、谷順成、増田成幸ら強力なチームメイトと共に、宇都宮に悲願のチャンピオンジャージを持ち帰れるか?

ツアー・オブ・ジャパン総合10位の留目夕陽(愛三工業レーシングチーム) photo:Satoru Kato
全日本選手権TT連覇を果たした今村駿介(Lotto-Groupe Wanty) photo:Shunsuke Fukumitsu


全日本TTエリート初年度で2位の橋川丈(キナンレーシングチーム) photo:Shunsuke Fukumitsu
勝負所に絡む走りを見せる山田拓海(シマノレーシング) photo:Satoru Kato


また、ツアー・オブ・ジャパン日本人最上位の留目夕陽(愛三工業レーシングチーム)、全日本選手権個人タイムトライアル連覇の今村駿介(Lotto-Groupe Wanty)、エリート初登場の橋川丈(キナンレーシングチーム)、要所に絡む動きを見せる山田拓海(シマノレーシング)らの走りにも注目したい。

一方、エントリーリストには金子宗平(群馬マンモスレーシングチーム)の名前が。4月のレースで落車・負傷後、全日本選手権タイムトライアルで復帰したが、ロードはどうか?

ツール・ド・熊野で集団を牽引する新城幸也(チームNIPPO・ヌオーヴァコマウト・オボール) photo:Satoru Kato

そして、やはり、新城幸也(Solutiontech NIPPO RALI)の存在は無視できないだろう。単騎参戦の新城よりも総合力のあるチームの方が有利とは言え、1人で局面を変えられる存在は他にはいない。今回はどんな走りを見せるか?



男子U23、女子

ツアー・オブ・ジャパンは日本ナショナルチームから出場した島崎将男 photo:Satoru Kato
全日本TT男子U23を制した山里一心(シマノレーシング) photo:Shunsuke Fukumitsu


男子U23では、島崎将男(群馬マンモスレーシングチーム)、山里一心(シマノレーシング)、渡辺一気(京都産業大学)、望月蓮(Bourg-en-Bresse Ain Cyclisme)らが中心となるか?特に島崎はツアー・オブ・ジャパンのU23賞争いでも2位につけ、JプロツアーでU23賞ジャージを着続けている。今大会でも攻めの走りを見せるか。

南魚沼ロード女子3連覇中の木下友梨菜 photo:Satoru Kato

女子は、一昨年の全日本選手権で與那嶺恵理とのマッチレースを演じた木下友梨奈が2年ぶりの出場。南魚沼ロードレースの女子部門を昨年まで3連覇し、今年は富士ヒルクライムで女子初のゴールドリングを獲得した。昨年優勝の小林あか里(Kasseien Fiets Huis Cycling Team)や、阿部花梨(イナーメ信濃山形)、田中麗奈(IGNTZONE Racing Team)らがどこまで対抗できるか?



雨の影響は?

南魚沼市は新潟県の南部、群馬県寄りに位置するとは言え、太平洋側を通過する台風の影響は少ない予報が出ており、日本自転車競技連盟は予定通り開催すると公表している。ただし、雨による崖崩れなどでレースが開催できなくなる可能性はあり、開催可否は随時判断するとしている。現地観戦される方は天候に関する情報を逐一チェックすることをお勧めする。



レースの模様はライブ配信される。27日はYouTubeのガチンコサイクルTVで、28日はJスポーツ・オンデマンドでの中継となる。(リンクは下記をご参照)