ツアー・オブ・ジャパンを走ったプロバイクを特集する第2弾は、国内チームの前編。VC FUKUOKA、KINAN、Astemo宇都宮ブリッツェン、レバンテフジ静岡、そして日本ナショナルチームの5チームのバイクにフォーカスを当てます。



ベンジャミ・プラデス(スペイン、VC FUKUOKA):ジャイアント PROPEL ADVASNCED SL

ベンジャミ・プラデス(スペイン、VC FUKUOKA)のジャイアント PROPEL ADVASNCED SL photo:So Isobe

国内チーム編としてまず紹介するのは、ソリューションテックNIPPOラーリ勢を相手に総合3位に食い込んだベンジャミ・プラデス(スペイン、VC FUKUOKA)のバイク。42歳になった九州チームの総合エースは、ワールドツアー経験豊かなエドアルド・セプルベダ (アルゼンチン、リーニンスター)の追撃を振り切って総合表彰台に食い込んでみせた。

今年VC FUKUOKAはジャイアントに機材をスイッチ。高速レースに対応するために最高峰エアロモデルのPROPEL ADVASNCED SLで統一し、住田悠人らは新型に乗っている一方、プラデスや元全日本王者の山本大喜らは先代モデルを継続運用中。身長167cmと小柄なプラデスが駆るのはXSサイズで、ヨーロッパ選手としては珍しくコラムスペーサーを高く積んだリラックスポジションが特徴(一体型ハンドルの角度が深いことも関係しているという)だ。ハンドルは幅400mm/ステム100mm。

タイヤはコンチネンタルのGRAND PRIX 5000TT TR(28c) photo:So Isobe
コラムスペーサーを高く積んだセッティング photo:So Isobe


マヴィック製品の中でもプラデスのお気に入りはCOSMIC SLR 45。シルバーポリッシュカラーを使う photo:So Isobe

住田悠人は新型PROPEL ADVANCED SLを駆る photo:So Isobe
元全日本王者の山本大喜は先代モデルを継続中 photo:So Isobe



ホイールはマヴィックで、特にプラデスは走りが気に入っているというCOSMIC SLR 45をどのステージでも装着。通常はブラックカラーのハブとスポークを、シルバーポリッシュに置き換えた「COSMIC SLR45 SILVER」エディションを使用する。組み合わせるタイヤはコンチネンタルのGRAND PRIX 5000で、タイムトライアル用としてラインナップされる「TT TR(28c)」をセットして大一番に備えたという。バーテープはチームサプライヤーのイオミック。



レイン・タラマエ(エストニア、KINAN Racing Team):オルベア ORCA AERO/ORCA

レイン・タラマエ(エストニア、KINAN Racing Team)のオルベア ORCA AERO photo:So Isobe

富士山ステージまで山本元喜が山岳賞ジャージを守り、最終東京ステージでルーカス・カーステンゼン(ドイツ)がスプリント勝利を挙げたKINAN Racing Team。チーム機材は今年もオルベアで、エアロモデルのORCA AEROをメインに富士山ステージでは軽量モデルのORCAも使用されていた。昨年のバイクはホワイトにチームカラーの青と赤を混ぜたデザインだったものの、2026シーズンはコーポレートカラーの青をイメージしたダークブルーメタリックにチェンジしている。

ステージレース中でもポジション変更を行うというタラマエ。別体式ハンドルを使っていた photo:So Isobe

光に当たるとカーボン地が透ける。各所にはチームのグラフィックが入る photo:So Isobe
タラマエのサドルはフィジークのVENTO ANTARES 00 photo:So Isobe



コンポーネントはシマノDURA-ACEだが、サイブレイのクランクや、ガルファーのブレーキローター、トライピークのボトムブラケットなどで軽さを狙ったセットアップに。ホイールは長年パートナーシップを組むフルクラムで、ツアー・オブ・ジャパンでは57mmハイトのSPEED 57が基本だった模様。ハンドル周りはデダ。多くの選手が一体型ハンドルを使うが、ステージレース中でも大きくポジションを替えるというタラマエは別体式を使用していた。



岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン):メリダ REACTO

岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン)のメリダ REACTO photo:So Isobe

チームタイムトライアルで4位と格上チームを相手に健闘したのがAstemo宇都宮ブリッツェン。写真のゼッケン62は、相模原ステージ前に「もっとチーム力の高いチームを抑えて4位に食い込めたのは良かったですが、今年は強いパンチャー系選手が多いのでロードステージでは苦戦を強いられています。なんとか一矢報いたい」と語っていた岡篤志の新型REACTOだ。

Astemo宇都宮ブリッツェンでは、岡のようなスピードを得意とする選手はREACTOを、増田成幸のようなクライマー選手は軽量なSCULTURAに乗る。どちらもツール・ド・台湾でお披露目された特別デザインが施され目を引く存在だ。

目を惹くチーム特別デザイン photo:So Isobe

チームデカールでコーディネイトしたワフーのELEMNT VOLT V3 photo:So Isobe
タイヤはチームが開発に携わったパナレーサーの新型タイヤ、AGXERO photo:So Isobe



コンポーネントはDURA-ACEとULTEGRAをメインに4iiiiのパワーメーター、SUMCのチェーン、トライピークのプーリー、ライデアのフロントチェーンリング、ブレーキ周りはブラコ、ボトムブラケットとブレーキローターロックリングはトライピークと各種ブランドをミックスした構成。ホイールはチームがプロデュースするVRECORD(ブイレコード)で、新型の超軽量モデルは一部選手が使用していた。プロトタイプのハンドルも継続テスト中だ。サイクルコンピューターは引き続きチームデカールでコーディネイトしたワフー ELEMNT VOLT V3。



梅澤幹太(日本ナショナルチーム):ブリヂストン RP9

梅澤幹太(日本ナショナルチーム)のブリヂストン RP9 photo:So Isobe

平均年齢19.6歳という若手メンバーで挑んだ日本ナショナルチームから紹介するのは、普段HPCJC・ブリヂストンアンカーに所属する梅澤幹太のバイク。ブリヂストンが誇るRP9は、従来のチームブリヂストンサイクリングとタッグを組んだHPCJC(ハイ・パフォーマンス・センター・オブ・ジャパン・サイクリング=JCF配下の選手強化組織)のイメージカラーであるゴールドを纏い、これまでのチームバイクからイメージを一新している。

フォーク裏やトップチューブにはHPCJCのイメージカラーであるゴールド(イエロー)があしらわれる。ゼッケン144は同じくHPCJC・ブリヂストンアンカーに所属する三浦一真のバイクだ photo:So Isobe

コンポーネントはシマノDURA-ACEのフルセット photo:So Isobe
ハンドルは別体式を使用。専用品の一体型は準備できしだい供給予定とのこと photo:So Isobe



コンポーネントとホイールはDURA-ACEで統一し、ハンドル周りはシマノのPRO。ホイールは50mmハイトを持つDTスイスのARC 1100 DICUT、タイヤはブリヂストンのR1X。サドルはフィジークの各種モデル。全体的に黒xイエローで統一した精悍なコーディネイトが特徴だ。なお、RP9のために開発されたCARBON LAB AERO HANDLEBARは生産数が少なく、まだチームに行き渡っていない模様。



シーム・キスコネン(エストニア、レバンテフジ静岡):メリダ REACTO

シーム・キスコネン(エストニア、レバンテフジ静岡)のメリダ REACTO photo:So Isobe

サドルはSMPで統一 photo:So Isobe
グロータックのEQUALディスクブレーキキャリパー photo:So Isobe



メリダがサポートするもう一つの地域密着型チーム、レバンテフジ静岡にも既に新型REACTOが供給済み。写真のバイクはエストニア出身のシーム・キスコネンのバイクで、トップグレード(CF5フレーム)のフレームセットとして存在するSLATE GREY/BLACK(SILVER)カラーだ。

EQUALシリーズでお馴染みのグロータックがオフィシャルサプライヤーを務め、同社の機械式ディスクブレーキキャリパーや、マージーンのTEO P515パワーメータークランクをセット。サドルをSMPで揃えているのもユニークだ。ヨーレオのホイールに組み合わせるのはパナレーサーのAGLEST FAST TLR(28c)

text:So Isobe