3週間の戦いの末、ローマに至った第109回ジロ・デ・イタリアは集団スプリントで決着。ここまで未勝利だったジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)が制し、ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)が総合優勝に輝いた。
5月31日(日)第21ステージ
ローマ〜ローマ 131km(平坦)

スタート前の恒例となっているピンク色の紙吹雪の歓迎を受ける photo:RCS Sport
史上初のブルガリア開幕となった第109回ジロ・デ・イタリアは、今年もローマで締めくくられる。ローマEURを出発し、前半はティレニア海に面するリゾート地オスティアへ向かう。後半はローマの市街地に入り、コロッセオなどローマの歴史的建造物を駆け抜けながら9.5kmコースを8周する131kmだ。
大会期間中、時に選手たちを苦しめた太陽が燦々と降り注ぐなか、チームプレゼンテーションではヴィスマ・リースアバイクがチームカラーである黄色ジャージではなく、ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク)のマリアローザを祝福する黒ベースのジャージで登場。主役のヴィンゲゴーはフレームだけでなく、リムまでピンク色にした特別仕様のバイクで走り出す。アクチュアルスタートの旗が振られても飛び出す選手はおらず、まずは4賞ジャージが互いの健闘を称えながら先頭に並んだ。
その後は第3ステージで鎖骨骨折によりリタイアしたウィルコ・ケルデルマン(オランダ)を除くヴィスマ・リースアバイクの7名が、チームカーからプロセッコを受け取り乾杯。8名が揃うスーダル・クイックステップは、今大会区間3勝と大躍進となったポール・マニエ(フランス)を真ん中に、シクラメン色のマリアチクラミーノ(ポイント賞)を喜ぶ。また7年ぶり2度目のマリアアッズーラ(山岳賞)獲得となったジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)はハリボーグミを配る。

アクチュアルスタートが切られ、集団先頭に並び走る4賞ジャージ獲得者 photo:RCS Sport

プロセッコを手にマリアローザ獲得を祝うヴィスマ・リースアバイク photo:CorVos 
ポール・マニエ(フランス)がマリアチクラミーノを獲得したスーダル・クイックステップ photo:CorVos
そして9日間に渡りマリアローザを着用し、驚異的な粘りで総合6位とマリアビアンカ(ヤングライダー賞)を獲得したアフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス)は、これが現役最後のジロにして総合9位に入ったダミアーノ・カルーゾ(イタリア)とともに最終日を楽しんだ。
パレード走行を終え、徐々にレースモードに移行した集団はヴィスマ・リースアバイクがペースメイクを始め、フィリッポ・トゥルコーニ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール)が中間スプリントを先頭通過。今大会最年少の20歳が見せ場を作り、集団はローマ市街地を巡る周回コースに突入する。スプリントに持ち込みたいスプリンターチームがアタックを抑え込んだため、レース中盤まで集団はひと塊のまま進行した。
そしてレッドブルKMは第5ステージ勝者であるイゴール・アリエタ(スペイン)ら、UAEチームエミレーツXRGの選手たちがトップ3を独占する。UAEは3日目までに総合エース、アダム・イェーツ(イギリス)ら3名を失いながらも、ジョナタン・ナルバエス(エクアドル)が区間3勝し、チームとして4勝を挙げる大成功のジロにした。ラスト5周目に向かうフィニッシュ地点を越える直前には、レミ・ロシャ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)がアタックして単独先頭に立った。

コロッセオの前を通る選手たち photo:RCS Sport

シューズやソックスはもちろんタイヤやホイールまでピンク色に染まるヴィンゲゴー photo:CorVos 
ヴェネツィア広場にそびえるヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂の前を通過するプロトン photo:RCS Sport

周回コースに入り、徐々に緊張感が高まっていく photo:CorVos
遅れてトビアス・バイヤー(オーストリア、アルペシン・プレミアテック)が合流し、その後も2名が加わって先頭は4名となる。しかしプロトンがこの動きを引き戻すと、今度はフィリッポ・ガンナ(イタリア、ネットカンパニー・イネオス)がアタック。それにマッテオ・ソブレロ(イタリア、リドル・トレック)と今大会マニエの最終リードアウトとして躍動したヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が反応し、3名の先頭集団を形成した。
日が傾き影が長くなるコロッセオの脇に設定された、残り5km地点のバナーで先頭集団のリードは10秒。しかしスロバキア王者ルカシュ・クビシュ(ユニベット・ローズ・ロケッツ)による高速牽引により、3名は残り3km地点で吸収される。今大会限定の白い特別ジャージを着るスーダル・クイックステップを先頭に集団は残り1kmバナーを通過し、マニエの区間4勝目に向け、これ以上ないポジションについた。
複雑なフィニッシュ手前の連続コーナーを抜け、一度緩斜面を挟む最終ストレートで真っ先に踏み込んだのはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユニベット・ローズ・ロケッツ)だった。その左側からポール・ペンウェット(フランス、グルパマFDJユナイテッド)が迫り、右側からはジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)が前に出る。一方、マニエは左側に寄ったフルーネウェーヘンとフェンスに阻まれ、行き場を失った。

最終ストレートで先頭に立ったジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) photo:CorVos

最終日スプリントを制したジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) photo:CorVos
そしてトップスピードに乗ったミランは、ライバルたちに並ばせることなくフィニッシュラインを通過。母国イタリア最大のレースで、自身初となる最終日勝者に輝いた。
過去2度獲得したマリアチクラミーノの最有力候補に挙げられながら、初日は4位、3日目は3位、18日目は3位と勝利を逃し続けていたミラン。「勝利でジロを締めくくることができて、本当に嬉しい。このジロで僕らが成し遂げたことをとても誇りに思っている。3週間ずっと勝利を探し続け、最終日ローマで勝つことができたのは美しいことだ。それは、僕たちが集中を切らさなかったということを意味している。決して諦めず、手にできると信じていた勝利を目指して戦い続け、お互いを信じ続けた。だからチームに感謝している」と、ミランは自身5度目となるジロでのステージ優勝を喜んだ。

ジーらチームメイトと喜びを分かち合うジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) photo:CorVos 
フィニッシュ地点で待っていたヴィンゲゴーの家族 photo:RCS Sport

最終日勝者に輝いたジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) photo:RCS Sport
2位には同じイタリア出身のスプリンターであるジョヴァンニ・ロナルディ(ポルティ・ヴィジットマルタ)が入り、3位はペンウェットで4位はフルーネウェーヘン。マニエは11位でフィニッシュしながらも、マリアチクラミーノ獲得を決めた。
そしてチームメイトとともにヴィンゲゴーもフィニッシュ。第14ステージから着用するマリアローザを正式に自分のものとし、フィニッシュ地点で待っていた家族と喜びを分かち合い、表彰式で総合優勝者に与えられるトロフェオ・センツァフィーネを掲げた。
ミランやヴィンゲゴー、総合2位に入ったフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)、その他第109回大会を盛り上げた各賞ジャージの獲得者のコメントは別記事で伝える。

区間3勝し、マリアチクラミーノ(ポイント賞)を射止めたポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

マリアビアンカ(ヤングライダー賞)を獲得したアフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:RCS Sport 
2度目のマリアアッズーラ(山岳賞)獲得となったジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) photo:RCS Sport

総合2位にはフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)、3位にはジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が入った photo:RCS Sport

トロフェオ・センツァフィーネを掲げたヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:RCS Sport
5月31日(日)第21ステージ
ローマ〜ローマ 131km(平坦)

史上初のブルガリア開幕となった第109回ジロ・デ・イタリアは、今年もローマで締めくくられる。ローマEURを出発し、前半はティレニア海に面するリゾート地オスティアへ向かう。後半はローマの市街地に入り、コロッセオなどローマの歴史的建造物を駆け抜けながら9.5kmコースを8周する131kmだ。
大会期間中、時に選手たちを苦しめた太陽が燦々と降り注ぐなか、チームプレゼンテーションではヴィスマ・リースアバイクがチームカラーである黄色ジャージではなく、ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク)のマリアローザを祝福する黒ベースのジャージで登場。主役のヴィンゲゴーはフレームだけでなく、リムまでピンク色にした特別仕様のバイクで走り出す。アクチュアルスタートの旗が振られても飛び出す選手はおらず、まずは4賞ジャージが互いの健闘を称えながら先頭に並んだ。
その後は第3ステージで鎖骨骨折によりリタイアしたウィルコ・ケルデルマン(オランダ)を除くヴィスマ・リースアバイクの7名が、チームカーからプロセッコを受け取り乾杯。8名が揃うスーダル・クイックステップは、今大会区間3勝と大躍進となったポール・マニエ(フランス)を真ん中に、シクラメン色のマリアチクラミーノ(ポイント賞)を喜ぶ。また7年ぶり2度目のマリアアッズーラ(山岳賞)獲得となったジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)はハリボーグミを配る。



そして9日間に渡りマリアローザを着用し、驚異的な粘りで総合6位とマリアビアンカ(ヤングライダー賞)を獲得したアフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス)は、これが現役最後のジロにして総合9位に入ったダミアーノ・カルーゾ(イタリア)とともに最終日を楽しんだ。
パレード走行を終え、徐々にレースモードに移行した集団はヴィスマ・リースアバイクがペースメイクを始め、フィリッポ・トゥルコーニ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール)が中間スプリントを先頭通過。今大会最年少の20歳が見せ場を作り、集団はローマ市街地を巡る周回コースに突入する。スプリントに持ち込みたいスプリンターチームがアタックを抑え込んだため、レース中盤まで集団はひと塊のまま進行した。
そしてレッドブルKMは第5ステージ勝者であるイゴール・アリエタ(スペイン)ら、UAEチームエミレーツXRGの選手たちがトップ3を独占する。UAEは3日目までに総合エース、アダム・イェーツ(イギリス)ら3名を失いながらも、ジョナタン・ナルバエス(エクアドル)が区間3勝し、チームとして4勝を挙げる大成功のジロにした。ラスト5周目に向かうフィニッシュ地点を越える直前には、レミ・ロシャ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)がアタックして単独先頭に立った。




遅れてトビアス・バイヤー(オーストリア、アルペシン・プレミアテック)が合流し、その後も2名が加わって先頭は4名となる。しかしプロトンがこの動きを引き戻すと、今度はフィリッポ・ガンナ(イタリア、ネットカンパニー・イネオス)がアタック。それにマッテオ・ソブレロ(イタリア、リドル・トレック)と今大会マニエの最終リードアウトとして躍動したヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が反応し、3名の先頭集団を形成した。
日が傾き影が長くなるコロッセオの脇に設定された、残り5km地点のバナーで先頭集団のリードは10秒。しかしスロバキア王者ルカシュ・クビシュ(ユニベット・ローズ・ロケッツ)による高速牽引により、3名は残り3km地点で吸収される。今大会限定の白い特別ジャージを着るスーダル・クイックステップを先頭に集団は残り1kmバナーを通過し、マニエの区間4勝目に向け、これ以上ないポジションについた。
複雑なフィニッシュ手前の連続コーナーを抜け、一度緩斜面を挟む最終ストレートで真っ先に踏み込んだのはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユニベット・ローズ・ロケッツ)だった。その左側からポール・ペンウェット(フランス、グルパマFDJユナイテッド)が迫り、右側からはジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)が前に出る。一方、マニエは左側に寄ったフルーネウェーヘンとフェンスに阻まれ、行き場を失った。


そしてトップスピードに乗ったミランは、ライバルたちに並ばせることなくフィニッシュラインを通過。母国イタリア最大のレースで、自身初となる最終日勝者に輝いた。
過去2度獲得したマリアチクラミーノの最有力候補に挙げられながら、初日は4位、3日目は3位、18日目は3位と勝利を逃し続けていたミラン。「勝利でジロを締めくくることができて、本当に嬉しい。このジロで僕らが成し遂げたことをとても誇りに思っている。3週間ずっと勝利を探し続け、最終日ローマで勝つことができたのは美しいことだ。それは、僕たちが集中を切らさなかったということを意味している。決して諦めず、手にできると信じていた勝利を目指して戦い続け、お互いを信じ続けた。だからチームに感謝している」と、ミランは自身5度目となるジロでのステージ優勝を喜んだ。



2位には同じイタリア出身のスプリンターであるジョヴァンニ・ロナルディ(ポルティ・ヴィジットマルタ)が入り、3位はペンウェットで4位はフルーネウェーヘン。マニエは11位でフィニッシュしながらも、マリアチクラミーノ獲得を決めた。
そしてチームメイトとともにヴィンゲゴーもフィニッシュ。第14ステージから着用するマリアローザを正式に自分のものとし、フィニッシュ地点で待っていた家族と喜びを分かち合い、表彰式で総合優勝者に与えられるトロフェオ・センツァフィーネを掲げた。
ミランやヴィンゲゴー、総合2位に入ったフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)、その他第109回大会を盛り上げた各賞ジャージの獲得者のコメントは別記事で伝える。





ジロ・デ・イタリア2026第21ステージ結果
| 1位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | 3:05:50 |
| 2位 | ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、ポルティ・ヴィジットマルタ) | |
| 3位 | ポール・ペンウェット(フランス、グルパマFDJユナイテッド) | |
| 4位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユニベット・ローズ・ロケッツ) | |
| 5位 | マディス・ミケルス(エストニア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
| 6位 | イェンセン・プロウライト(オーストラリア、アルペシン・プレミアテック) | |
| 7位 | トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、デカトロンCMA CGM) | |
| 8位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、NSNサイクリングチーム) | |
| 9位 | トーン・アールツ(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) | |
| 10位 | ルカ・モッツァート(イタリア、チューダープロサイクリング) |
マリアローザ(個人総合成績)
| 1位 | ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 83:22:51 |
| 2位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +5:22 |
| 3位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +6:25 |
| 4位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス) | +7:02 |
| 5位 | デレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック) | +7:56 |
| 6位 | アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | +9:39 |
| 7位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダープロサイクリング) | +10:13 |
| 8位 | ダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク) | +10:52 |
| 9位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +11:24 |
| 10位 | エガン・ベルナル(コロンビア、ネットカンパニー・イネオス) | +12:54 |
マリアチクラミーノ(ポイント賞)
| 1位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 200pts |
| 2位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | 153pts |
| 3位 | ギリェルモ・シルバ(ウルグアイ、XDSアスタナ) | 99pts |
マリアアッズーラ(山岳賞)
| 1位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | 277pts |
| 2位 | ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 266pts |
| 3位 | エイネル・ルビオ(コロンビア、モビスター) | 164pts |
マリアビアンカ(ヤングライダー賞)
| 1位 | アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | 83:32:30 |
| 2位 | ダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:13 |
| 3位 | マティス・ロンデル(フランス、チューダープロサイクリング) | +5:33 |
チーム総合成績
| 1位 | ヴィスマ・リースアバイク | 250:42:41 |
| 2位 | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +40:07 |
| 3位 | ネットカンパニー・イネオス | +48:27 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
photo:CorVos, RCS Sport