ブルガリアで開幕した第109回ジロ・デ・イタリアは、最終盤に大規模落車が発生する事態に。回避した11名によるスプリントを22歳のポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が制し、グランツール初勝利と共にマリアローザ着用を叶えた。
5月8日(金)第1ステージ
ネセバル〜ブルガス 147km(平坦)

初出場のヨナス・ヴィンゲゴーハンセン photo:RCS Sport 
3度目のマリアチクラミーノを目指すジョナタン・ミラン photo:RCS Sport

総合優勝者に与えられるトロフェオ・センツァフィーネ photo:RCS Sport

ジロ・デ・イタリア第1ステージ image:RCS Sport 5月8日から31日まで、3週間に及ぶ今年のジロ・デ・イタリアが、ブルガリア東部にある世界遺産の古都ネセバルから始まった。そこから南西にあるブルガスまで黒海沿いを進み、一度フィニッシュ地点を通過した後、南東のコースを2周する147kmのコースだ。平坦基調ながら後半には2度の4級山岳とスプリントポイント、そして今年も最大6秒のボーナスタイムが与えられるレッドブルKMが設定されている。
大方の予想は集団スプリント。そのため自身初のマリアローザ着用と、達成すれば3度目となるマリアチクラミーノを目指すジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)が本命と見られた。他には新加入のチームで躍動するディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユニベット・ローズ・ロケッツ)や、昨年14勝と大ブレイクしたポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が争うと見られた。

ブルガリア東部、ネセバルを出発する選手たち photo:RCS Sport

アクチュアルスタートの直後に飛び出し、逃げを決めたディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ)とマヌエーレ・タロッツィ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール) photo:RCS Sport
晴天の黒海を臨むネセバルを出発したのは23チーム、総勢184名の選手たち。この日はアクチュアルスタート直後のファーストアタックが決まり、共にイタリア籍のプロチームに所属するディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ)とマヌエーレ・タロッツィ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール)が逃げを打つ。それをメイン集団が見送ったため、レースは早速落ち着きを見せた。
プロトンの先頭に選手を送り、ペース作りに勤しんだのはリドル・トレックやスーダル・クイックステップ、グランツール初出場となるユニベット・ローズ・ロケッツといったエーススプリンターを有するチーム。集団後方では初出場で総合優勝候補の筆頭であるヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)がカメラに笑顔で手を振るなか、レースは一度フィニッシュラインの引かれたブルガスを越え、後半に突入した。

スーダル・クイックステップやリドル・トレックがプロトンを牽引する photo:RCS Sport

順調に距離を消化していくセビーリャとタロッツィ photo:RCS Sport
今大会最初のカテゴリー山岳である4級山岳では、セビーリャがスプリントでタロッツィを退け先頭通過。セビーリャは続く4級山岳もトップ通過したため、山岳賞ジャージ着用の権利を獲得。今年3月に同じイタリアが舞台のティレーノ~アドリアティコでは3日連続で逃げ、山岳賞を獲得した嗅覚を、ジロという大舞台でも発揮した。
中間スプリントはタロッツィが最大ポイントを獲得し、残された最大5ポイントをかけてプロトンではミランとカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・プレミアテック)が争う。ここはミランが先着し、最大6秒のボーナスタイムが与えられるレッドブルKMもタロッツィが先頭通過。そしてプロトンでは、22歳のマリアビアンカ(ヤングライダー賞)候補でもあるアントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)がスプリントで先着。3位通過で2秒を獲得している。
その後もプロトン先頭は、今大会も職人技の牽引を見せるアマヌエル・ゲブレイグザビエル(エリトリア、リドル・トレック)を中心に、徐々に逃げの2名とのタイム差を縮めていく。そしてユニベットに牽引が代わった残り22.8km地点で逃げを吸収。その後は2車線のコースいっぱいに横に広がり、残り距離を消化していった。

菜の花畑のなかを駆け抜けるプロトン photo:RCS Sport
残り5kmを過ぎると今年ワールドチームに昇格したウノエックス・モビリティや、トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク)で勝負したいデカトロンCMA CGMも集団の牽引に加わる。フラムルージュ(残り1km)からは、青からヴィンテージクリームに色を変えた今大会限定ジャージを着るスーダル・クイックステップが先頭に立つ。ヘリ映像が雲に遮られるなか、残り600mで落車が発生した。
ウノエックスの選手をきっかけとしたこの落車は集団前方で発生したため、集団スプリントはそれを回避したわずか11名に絞られる。これによりフルーネウェーヘンは勝負から脱落。最終リードアウトであるシモーネ・コンソンニ(イタリア、リドル・トレック)を失ったミランはマニエの背後につき、真っ先にアンドレースンがスプリントを開始。フィニッシュラインの手前でマニエはアンドレースンに並び、後方から迫るイーサン・ヴァーノン(イギリス、NSNサイクリングチーム)とミランを退け先着した。

落車を回避した11名による集団スプリントで先行するポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

スプリント勝利し、雄叫びを上げるポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos
22歳のフレンチスプリンターが、自身2度目のジロで手に入れたグランツール初勝利。「僕は勝利とマリアローザの着用を目標に、このジロ・デ・イタリアに臨んだ。フラムルージュからはヤスペル(ストゥイヴェン)とドリス(ファンヘステル)が見事な走りを見せてくれた。強力なスプリンターたちが揃うなか掴んだ勝利が信じられない。伝統と権威あるマリアローザを着ることができ、素晴らしい気持ちだよ」と、マニエは喜んだ。
2位はアンドレースンで、3位はヴァーノン。最終盤にマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、リドル・トレック)が先頭でリードアウトを務めながらも、「(勝てる)脚がなかった」とレース後に語ったミランは4位だった。平坦に分類されるステージでは5kmの救済措置が適用されるため、落車によって遅れた選手たちは先頭集団と同タイムでのフィニッシュとなった。また現時点で、落車による骨折などの深刻な負傷は報告されていない。

落車したアーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:CorVos 
マリアアッズーラ(山岳賞)を獲得したディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ) photo:CorVos

グランツール初勝利と共にマリアローザを着用したポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos
5月8日(金)第1ステージ
ネセバル〜ブルガス 147km(平坦)




大方の予想は集団スプリント。そのため自身初のマリアローザ着用と、達成すれば3度目となるマリアチクラミーノを目指すジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)が本命と見られた。他には新加入のチームで躍動するディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユニベット・ローズ・ロケッツ)や、昨年14勝と大ブレイクしたポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が争うと見られた。


晴天の黒海を臨むネセバルを出発したのは23チーム、総勢184名の選手たち。この日はアクチュアルスタート直後のファーストアタックが決まり、共にイタリア籍のプロチームに所属するディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ)とマヌエーレ・タロッツィ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール)が逃げを打つ。それをメイン集団が見送ったため、レースは早速落ち着きを見せた。
プロトンの先頭に選手を送り、ペース作りに勤しんだのはリドル・トレックやスーダル・クイックステップ、グランツール初出場となるユニベット・ローズ・ロケッツといったエーススプリンターを有するチーム。集団後方では初出場で総合優勝候補の筆頭であるヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)がカメラに笑顔で手を振るなか、レースは一度フィニッシュラインの引かれたブルガスを越え、後半に突入した。


今大会最初のカテゴリー山岳である4級山岳では、セビーリャがスプリントでタロッツィを退け先頭通過。セビーリャは続く4級山岳もトップ通過したため、山岳賞ジャージ着用の権利を獲得。今年3月に同じイタリアが舞台のティレーノ~アドリアティコでは3日連続で逃げ、山岳賞を獲得した嗅覚を、ジロという大舞台でも発揮した。
中間スプリントはタロッツィが最大ポイントを獲得し、残された最大5ポイントをかけてプロトンではミランとカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・プレミアテック)が争う。ここはミランが先着し、最大6秒のボーナスタイムが与えられるレッドブルKMもタロッツィが先頭通過。そしてプロトンでは、22歳のマリアビアンカ(ヤングライダー賞)候補でもあるアントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)がスプリントで先着。3位通過で2秒を獲得している。
その後もプロトン先頭は、今大会も職人技の牽引を見せるアマヌエル・ゲブレイグザビエル(エリトリア、リドル・トレック)を中心に、徐々に逃げの2名とのタイム差を縮めていく。そしてユニベットに牽引が代わった残り22.8km地点で逃げを吸収。その後は2車線のコースいっぱいに横に広がり、残り距離を消化していった。

残り5kmを過ぎると今年ワールドチームに昇格したウノエックス・モビリティや、トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク)で勝負したいデカトロンCMA CGMも集団の牽引に加わる。フラムルージュ(残り1km)からは、青からヴィンテージクリームに色を変えた今大会限定ジャージを着るスーダル・クイックステップが先頭に立つ。ヘリ映像が雲に遮られるなか、残り600mで落車が発生した。
ウノエックスの選手をきっかけとしたこの落車は集団前方で発生したため、集団スプリントはそれを回避したわずか11名に絞られる。これによりフルーネウェーヘンは勝負から脱落。最終リードアウトであるシモーネ・コンソンニ(イタリア、リドル・トレック)を失ったミランはマニエの背後につき、真っ先にアンドレースンがスプリントを開始。フィニッシュラインの手前でマニエはアンドレースンに並び、後方から迫るイーサン・ヴァーノン(イギリス、NSNサイクリングチーム)とミランを退け先着した。


22歳のフレンチスプリンターが、自身2度目のジロで手に入れたグランツール初勝利。「僕は勝利とマリアローザの着用を目標に、このジロ・デ・イタリアに臨んだ。フラムルージュからはヤスペル(ストゥイヴェン)とドリス(ファンヘステル)が見事な走りを見せてくれた。強力なスプリンターたちが揃うなか掴んだ勝利が信じられない。伝統と権威あるマリアローザを着ることができ、素晴らしい気持ちだよ」と、マニエは喜んだ。
2位はアンドレースンで、3位はヴァーノン。最終盤にマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、リドル・トレック)が先頭でリードアウトを務めながらも、「(勝てる)脚がなかった」とレース後に語ったミランは4位だった。平坦に分類されるステージでは5kmの救済措置が適用されるため、落車によって遅れた選手たちは先頭集団と同タイムでのフィニッシュとなった。また現時点で、落車による骨折などの深刻な負傷は報告されていない。



ジロ・デ・イタリア2026第1ステージ結果
| 1位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 3:21:08 |
| 2位 | トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、デカトロンCMA CGM) | |
| 3位 | イーサン・ヴァーノン(イギリス、NSNサイクリングチーム) | |
| 4位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | |
| 5位 | マディス・ミケルス(エストニア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
| 6位 | ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、ポルティ・ヴィジットマルタ) | |
| 7位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ジェイコ・アルウラー) | |
| 8位 | トルド・グドメスタ(ノルウェー、デカトロンCMA CGM) | |
| 9位 | マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、リドル・トレック) | |
| 10位 | ドリス・ファンヘステル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
マリアローザ(個人総合成績)
| 1位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 3:20:58 |
| 2位 | トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、デカトロンCMA CGM) | +0:04 |
| 3位 | マヌエーレ・タロッツィ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール) | |
| 4位 | イーサン・ヴァーノン(イギリス、NSNサイクリングチーム) | +0:06 |
| 5位 | ディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ) | |
| 6位 | アントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | +0:08 |
| 7位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | +0:10 |
| 8位 | マディス・ミケルス(エストニア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
| 9位 | ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、ポルティ・ヴィジットマルタ) | |
| 10位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ジェイコ・アルウラー) |
マリアチクラミーノ(ポイント賞)
| 1位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 50pts |
| 2位 | トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、デカトロンCMA CGM) | 35pts |
| 3位 | イーサン・ヴァーノン(イギリス、NSNサイクリングチーム) | 25pts |
マリアアッズーラ(山岳賞)
| 1位 | ディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ) | 6pts |
| 2位 | マヌエーレ・タロッツィ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール) | 4pts |
| 3位 | アイコ・バスティアンス(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 1pts |
マリアビアンカ(ヤングライダー賞)
| 1位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 3:20:58 |
| 2位 | トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、デカトロンCMA CGM) | +0:04 |
| 3位 | アントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | +0:08 |
チーム総合成績
| 1位 | スーダル・クイックステップ | 10:03:24 |
| 2位 | リドル・トレック | |
| 3位 | NSNサイクリングチーム |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
photo:CorVos, RCS Sport