フォスが鎖骨骨折で棄権したブエルタ・エスパーニャ・フェメニーナ第2ステージ。再びクライマーやパンチャーによるスプリントに持ち込まれ、シャリ・ボシュイト(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)がワールドツアー初勝利を飾った。



前日勝者でマイヨロホのノエミ・リュエッグ(スイス、EFエデュケーション・オートリー) photo:CorVos

男子に先んじてグランツールの幕開けとなったブエルタ・エスパーニャ・フェメニーナ。ジロ・デ・イタリア・ウィメンやツール・ド・フランス・ファムには歴史や規模が劣るものの、今年で12回目を迎える格式高いワールドツアーだ。その2日目の舞台は109.8kmで、獲得標高差2,000mを超える細かなアップダウンを進んでいくレイアウト。フィニッシュ手前にも登りが控えるため、予測の難しいステージと見られた。

第2ステージはスタート前に、マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)の棄権という大きなニュースが飛び込んできた。前日の終盤に落車したフォスは、集団スプリントに参加して7位でフィニッシュ。しかしレース後に鎖骨の骨折が明らかとなった。

カリーナ・シュレンプ(オーストリア、フェニックス・プレミアテック)ら5名による逃げ集団 photo:A.S.O.

タイトなペースコントロールを見せたプロトン photo:A.S.O.

この日逃げたのは、カリーナ・シュレンプ(オーストリア、フェニックス・プレミアテック)ら5名。しかしメイン集団は大きなアドバンテージを許さず、タイム差は2分を超えることはなかった。そのままレースは後半に入り、2名が脱落した逃げ集団は残り27km地点で吸収された。

その後はアタックと吸収が繰り返され、ウノエックス・モビリティの集団牽引からカトリーヌ・アーレルッド(ノルウェー)が抜け出すことに成功する。それを追いかけるプロトンでは、残り13km地点で前日勝者でマイヨロホを着用するノエミ・リュエッグ(スイス、EFエデュケーション・オートリー)が落車。レース後、チームは右肩の骨折を発表し、リュエッグはリタイアを余儀なくされた。

レース後半に集団を抜け出したカトリーヌ・アーレルッド(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:A.S.O.

降り始めた雨に濡れるプロトンは、アタックしたジュリエット・ベルテ(フランス、FDJユナイテッド・スエズ)を引き戻し、そのスピードのまま残り2.8km地点で粘りを見せたアーレルッドをキャッチ。その後パウラ・ブラジ(スペイン、UAEチームADQ)の仕掛けによって一時5名集団が先行するものの、協調体制が取れず吸収。そのため勝負は、2日連続の集団スプリントに持ち込まれた。

この日のアップダウンとアタックの応酬で絞り込まれた36名によるスプリントは、アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)が先行する。その背後からロッテ・コペッキー(ベルギー)がスプリントを開始。しかし直後にペダルから足が外れたコペッキーは、シャリ・ボシュイト(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)の進路を妨害する形でよろけてしまう。

コペッキーと肩を接触させたボシュイトだったが、そのまま力強く踏み続け、ライバルたちを退け勝利した。

スプリント勝利したシャリ・ボシュイト(ベルギー、AGインシュランス・スーダル) photo:CorVos

ワールドツアー初勝利となったシャリ・ボシュイト(ベルギー、AGインシュランス・スーダル) photo:A.S.O.

ベルギー出身の25歳であるボシュイトが掴んだ、ワールドツアー初勝利。「本当に信じられない。集団後方にいたからアシュリー(モールマン)に全力でリードアウトすることを伝えた。でもどうしてか番手を上げることができ、最後の300mからかなりのスピードが出せた。誰も予想できなかったと思う。そして皆を驚かせ、絶対に忘れることのできない最高の勝利を手に入れた」と、ボシュイトは勝利を喜んだ。

2位には前日3位だったフランシスカ・コッホ(ドイツ、FDJユナイテッド・スエズ)が入り、総合首位に浮上。マイヨロホに袖を通した。またコペッキーは斜行のため集団最後尾である36位への降格処分が下っている。

マイヨロホに袖を通したフランシスカ・コッホ(ドイツ、FDJユナイテッド・スエズ) photo:A.S.O.
ブエルタ・エスパーニャ・フェメニーナ2026第2ステージ結果
1位 シャリ・ボシュイト(ベルギー、AGインシュランス・スーダル) 2:55:50
2位 フランシスカ・コッホ(ドイツ、FDJユナイテッド・スエズ)
3位 エヴィータ・ムジック(フランス、FDJユナイテッド・スエズ)
4位 レティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ)
5位 サラ・ヴァンダム(カナダ、ヴィスマ・リースアバイク)
6位 アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)
7位 アシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル)
8位 リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)
9位 ウソア・オストラサ(スペイン、ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ)
10位 ルース・アドヘースツ(オランダ、リドル・トレック)
個人総合成績
1位 フランシスカ・コッホ(ドイツ、FDJユナイテッド・スエズ) 5:49:24
2位 シャリ・ボシュイト(ベルギー、AGインシュランス・スーダル) +0:06
3位 ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) +0:10
4位 エヴィータ・ムジック(フランス、FDJユナイテッド・スエズ) +0:12
5位 ルース・アドヘースツ(オランダ、リドル・トレック) +0:14
6位 マエヴァ・スキバン(フランス、UAEチームADQ) +0:16
7位 アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)
8位 モニカ・トリンカコロネル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ)
9位 リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)
10位 パウラ・ブラジ(スペイン、UAEチームADQ)
その他の特別賞
ポイント賞 フランシスカ・コッホ(ドイツ、FDJユナイテッド・スエズ)
山岳賞 マエヴァ・スキバン(フランス、UAEチームADQ)
ヤングライダー賞 ローレ・デスペッヘル(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)
チーム総合成績 UAEチームADQ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.

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