1級山岳でタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が人数を絞ったツール・ド・ロマンディ第1ステージ。そのポガチャルが4名によるスプリントで先着し、ステージ優勝と総合首位浮上を果たした。



初日プロローグを制したドリアン・ゴドン(フランス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

ドリアン・ゴドン(フランス、イネオス・グレナディアーズ)が初日のプロローグを制したツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)。大会2日目かつ第1ステージはスイスのマルティニーを巡る171.2kmで争われた。まず3級山岳を含む周回コースを3周し、その後は高難易度な1級山岳オヴロナ(距離8.9km/平均9.7%)を登坂。頂上から23kmはフィニッシュまで下りと平坦路が続くため、展開の難しいレイアウトとなった。

サム・オーメン(オランダ、リドル・トレック)が入り、ピクニック・ポストNLが2名を乗せた逃げは7名。最初の周回コースではリーダーチームであるイネオス・グレナディアーズがメイン集団の先導を担当する。しかし1級山岳が近づくにつれ、プロトン前方にはタデイ・ポガチャル(スロベニア)を擁するUAEチームエミレーツXRGが人数を集めていった。

7名の逃げグループを追うプロトン photo:CorVos

残り42.7km地点から始まる1級山岳オヴロナに入った時点で、逃げとプロトンとの差は47秒。UAEがペースを上げると、前日のプロローグを制し、総合リーダージャージを着るドリアン・ゴドン(フランス、イネオス・グレナディアーズ)が遅れていく。そして頂上まで4.2km、フィニッシュまで38kmを残し、プロトンからポガチャルが飛び出した。

クラシックシーズンの全身白色ではなく、黒のビブショーツを履いた世界王者には、同じスロベニア出身のプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が反応する。しかしすぐに引き離されると、逃げを抜き去るポガチャルに、一度遅れたレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)が追いつく。さらに頂上まで2.4kmを残した地点で、フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)とジェフェルソン・セペダ(エクアドル、モビスター)も合流し、先頭は4名になった。

1級山岳オヴロナで仕掛けたポガチャルに追従するマルティネス photo:Tour de Romandie

残り1.5km地点で再びポガチャルが踏み込み、セペダが脱落。マルティネスがぴったりとマークする一方、リポヴィッツは何度も離れながら食らいつく。頂上はマルティネスが先頭通過し、その後は下り、そして強い向かい風の吹き付ける平坦路に突入。そこでプロ2年目の21歳ヨルゲン・ノードハーゲン(ノルウェー、ヴィスマ・リースアバイク)が合流し、先頭は再び4名となる。そして先頭交代を拒否したリポヴィッツ以外の3名がローテーションを回しながら、最終ストレートに突入した。

最終コーナーで先頭に立ったノードハーゲンがそのままスプリントを開始する。しかしその右からマルティネス、左からポガチャルが抜いていき、圧倒的なスピードを見せたポガチャルが先着。ロマンディ第1ステージを制した。

4名によるスプリントで先着したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

リーダージャージに袖を通したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:Tour de Romandie

「なにか作戦を立てていたわけではないが、若い選手たちに勝てたのが嬉しい。とても速く、良いレースだった。自分と一緒に牽いてくれた、意欲的な若手2名がいてくれて良かった。とはいえ1名は最後尾についたままだったので、難しい状況でもあった。これが今季初のステージレースでの勝利。しかも素晴らしいロマンディのコースで挙げられた勝利は嬉しいよ」と、総合でも首位に立ったポガチャルは喜んだ。

ポガチャルから暗に牽制されたリポヴィッツは、フィニッシュ直前でマルティネスを抜きステージ2位。ボーナスタイムも獲得し、総合でも2位にランクインしている。
ツール・ド・ロマンディ2026第1ステージ結果
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) 3:56:55
2位 フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
3位 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)
4位 ヨルゲン・ノードハーゲン(ノルウェー、ヴィスマ・リースアバイク)
5位 アルバート・ウィゼンフィリプセン(デンマーク、リドル・トレック) +0:21
6位 セルヒオ・イギータ(コロンビア、XDSアスタナ)
7位 アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
8位 ジュニオール・ルセルフ(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
9位 ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)
10位 ジェフェルソン・セペダ(エクアドル、モビスター)
個人総合成績
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) 4:00:27
2位 フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:07
3位 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:16
4位 ヨルゲン・ノードハーゲン(ノルウェー、ヴィスマ・リースアバイク) +0:23
5位 アルバート・ウィゼンフィリプセン(デンマーク、リドル・トレック) +0:31
6位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:32
7位 アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:41
8位 カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)
9位 ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)
10位 ルーク・タックウェル(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:42
その他の特別賞
ポイント賞 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)
山岳賞 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)
ヤングライダー賞 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)
チーム総合成績 レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos