2日連続の山岳バトルとなったパリ〜ニース第5ステージ。前日にロングタイツで話題を作ったヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)が、20.8kmの独走を決め、2連勝で総合リードを拡大した。



前日勝者で総合首位のヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

パリ〜ニース第5ステージ image:A.S.O.
雨と寒さ、そして落車が選手たちを襲ったパリ〜ニース(UCIワールドツアー)第4ステージ。その翌日の第5ステージも、総合順位が入れ替わるであろう山岳が用意された。勝負所となるのは残り37.4kmから始まる2級、1級、2級の3連続登坂。特に1級山岳コート・ド・サン・ジャン・ド・ミュゾールは、登坂距離2.2kmながら平均勾配11%、最大勾配16%とタフな登りだ。

集団先頭でスタートを待ったのは、昨日の勝者で総合リーダージャージを着るヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)。簡単に脱げるよう肩紐の部分などに切り込みを入れ、ある意味勝利以上の話題となったヴィンゲゴーのロングタイツ。その前日の冷たい雨は上がり、晴天のなか選手たちが走り出す。今大会最長である206.3kmの距離でも絶え間ないアタック合戦が続き、最初の1時間は平均時速51.6km/hとハイスピードで進行した。

最終的に8名となった逃げグループ photo:A.S.O.

そしてこの日最初の3級山岳でようやく、アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)ら5名の逃げ集団が形成される。そこに遅れて22歳の若きスペイン王者イバン・ロメオ(モビスター)ら3名が合流。そのなかにはヴィンゲゴーのロングタイツの発案者で、パッドを取り除いて仕上げたヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)も入った。

しかし終盤の登り区間に入り、逃げ集団は崩壊。唯一粘ったジェフェルソン・セペダ(エクアドル、モビスター)をヴィスマの先導するプロトンが追い、特に今年デカトロンCMA CGMから加入したブリュノ・アルミライユ(フランス)の高速牽引は集団を20名程度まで絞り込む。その後ペースメイクはイネオス・グレナディアーズに引き継がれ、1級山岳の頂上手前1.4km地点(フィニッシュまで21.3km)で再び先頭に立ったヴィスマのカンペナールツがセペダを捉えた。

1級山岳でアタックしたヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

20.8kmの独走決めたヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

そのハイペースは、52秒差で総合2位につけるダニエル・マルティネス(コロンビア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)を振り落とし、頂上手前でヴィンゲゴーが急勾配の区間を利用し、満を持してアタック。総合4位のケヴィン・ヴォークラン(フランス、イネオス・グレナディアーズ)も粘るが、ツール・ド・フランスで2度の総合優勝に輝いた世界屈指のクライマーにはついていけない。頂上を越えたヴィンゲゴーは2級山岳も軽快な足取りでクリアし、そのままフィニッシュに飛び込んだ。

「このステージでの勝利を狙っていた。強力な逃げをチームメイトが射程圏内にとどめてくれた。みんなの犠牲を勝利で報いることができた」と、20.8kmの独走勝利を決めたヴィンゲゴーはチームメイトに感謝を述べた。

2分2秒遅れで2位に入ったのはヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)で、3位は2分20秒遅れのアロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ)。この結果、ヴィンゲゴーとマルティネスの差は3分22秒まで拡大。翌日の第6ステージも後半に山岳が設定されており、第7ステージは1級山岳を駆け上がる山頂フィニッシュ。ヴィンゲゴーがさらにその差を広げるか、あるいはライバルたちの逆襲があるのかが注目される。

総合リードを拡大したヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.
パリ〜ニース2026第5ステージ結果
1位 ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) 4:29:01
2位 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) +2:02
3位 アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) +2:20
4位 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)
5位 ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス)
6位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
7位 ケヴィン・ヴォークラン(フランス、イネオス・グレナディアーズ)
8位 ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)
9位 マティス・ロンデル(フランス、チューダープロサイクリング)
10位 マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツXRG)
個人総合成績
1位 ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) 17:22:06
2位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +3:22
3位 ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト) +5:50
4位 ケヴィン・ヴォークラン(フランス、イネオス・グレナディアーズ) +6:09
5位 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) +7:37
6位 マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツXRG) +8:15
7位 ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス) +9:02
8位 マティス・ロンデル(フランス、チューダープロサイクリング) +10:06
9位 アレックス・ボーダン(フランス、EFエデュケーション・イージーポスト) +10:16
10位 オスカー・オンリー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) +11:23
その他の特別賞
ポイント賞 ルーク・ランパーティ(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)
山岳賞 ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)
ヤングライダー賞 ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)
チーム総合成績 イネオス・グレナディアーズ
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.