距離が短くも難易度の高いステージで争われたサントス・ツアー・ダウンアンダー第2ステージ。2度目のコークスクリューでジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG)が飛び出し、ジョナタン・ナルバエス(エクアドル)とワンツーフィニッシュを達成し、総合首位に浮上した。



現役最後のTDUを走るサイモン・クラーク(オーストラリア、NSNサイクリングチーム) photo:CorVos

サントス・ツアー・ダウンアンダー2026第2ステージ image:Santos Tour Down Under

サントス・ツアー・ダウンアンダー大会3日目に行われた第2ステージは、主催者が「大会史上最も過酷かもしれない」と語る山岳ステージだ。その理由はスタート直後から登坂が始まり、レース中盤から大会史上初の試みであるコークスクリュー(距離2.5km/平均9.7%)を2度登るため。フィニッシュ地点は頂上ではなく、細かいアップダウンを進んだ先のユレイドラに設定された。

148.1kmという比較的短いステージは、ジョエル・ズーター(スイス、チューダープロサイクリング)のアタックから幕を開け、そこにイェンセン・プロウライト(オーストラリア、アルペシン・プレミアテック)が反応した。プロウライトは1月9日にクリテリウム国内選手権を制した新王者で、2名はメイン集団から続々と選手たちの合流を許す。結果的に7名となった逃げグループは、2分のリードで1度目のコークスクリューを通過した。

7名による逃げ集団 photo:CorVos

それを追うプロトンは、前回王者であるジョナタン・ナルバエス(エクアドル)を擁するUAEチームエミレーツXRGを中心に牽引する。UAEは今大会、2023年覇者ジェイ・ヴァイン(オーストラリア)やアダム・イェーツ(イギリス)など強力なメンバーを揃え、徐々に逃げとの距離を縮めていく。最後のコークスクリューを前に逃げ集団はバラけ、フラン・ミホリェヴィッチ(クロアチア、バーレーン・ヴィクトリアス)が最後まで抗った。

しかしミホリェヴィッチも引き戻したプロトンは、ハイスピードでコークスクリューに突入した。モビスターから再びUAEが作る牽引に、前日勝者で総合リーダージャージを着るトビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、デカトロンCMA CGM)が脱落。ハイスピードで集団の人数を減らしたイェーツの背後からヴァインが飛び出し、反応できたのはチームメイトのナルバエスだけだった。

ヴァインが先頭固定でコークスクリューの頂上を越える頃に、引き離したライバルたちから15秒差を得る。後続では地元オーストラリア出身のハリー・スウェニー(EFエデュケーション・イージーポスト)が追走集団を飛び出し、そこにナトナエル・テスファツィオン(エリトリア、モビスター)とイェーツが合流。しかし先頭2名との差は徐々に広がり、残り3km地点で50秒に達した。

ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG)のアタックに唯一ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)が反応 photo:CorVos

ナルバエスとのワンツーフィニッシュを決めたジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

そしてナルバエスに前を譲られる形でヴァインが先頭でフィニッシュラインを通過。UAEがワンツーフィニッシュを達成した。58秒遅れでやってきた8名まで増えた追走集団は、集団スプリントをマウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー)が先着。ライバルたちのマークという、間接的なアシストを披露したイェーツは区間7位でフィニッシュしている。

1月8日に行われたタイムトライアル国内選手権で自身2度目のオーストラリア王者に輝いたヴァインによる今季2勝目。「これほど厳しいステージで勝てたなんて信じられない。総合でもジョニー(ナルバエス)が上位につけていて、僕らはとても良い順位にいる。チーム全体として素晴らしい走りができた」とヴァインはコメントした。

総合首位に浮上したジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

総合首位ヴァインと総合2位ナルバエスとの差は僅か6秒。総合3位シュミットとは1分5秒差と、秒差で争われるツアー・ダウンアンダーでは珍しいほどタイム差が広がった。
サントス・ツアー・ダウンアンダー2026第2ステージ結果
1位 ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) 3:36:42
2位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)
3位 マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) +0:58
4位 アンドレアス・クロン(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)
5位 フィリッポ・ザナ(イタリア、スーダル・クイックステップ)
6位 ナトナエル・テスファツィオン(エリトリア、モビスター)
7位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG)
8位 マッテオ・ソブレロ(イタリア、リドル・トレック)
9位 ハリー・スウェニー(オーストラリア、EFエデュケーション・イージーポスト)
10位 マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング)
個人総合成績
1位 ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) 6:23:33
2位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) +0:06
3位 マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) +1:05
4位 ハリー・スウェニー(オーストラリア、EFエデュケーション・イージーポスト) +1:12
5位 マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング) +1:14
6位 アンドレアス・クロン(デンマーク、ウノエックス・モビリティ) +1:16
7位 マイケル・レオナード(カナダ、EFエデュケーション・イージーポスト) +1:22
8位 アンドレア・ラッカーニ(イタリア、スーダル・クイックステップ)
9位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG) +1:23
10位 アントン・チャーム(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)
その他の特別賞
ポイント賞 トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、デカトロンCMA CGM)
山岳賞 マルティン・ウーリエンスタッド(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
ヤングライダー賞 マイケル・レオナード(カナダ、EFエデュケーション・イージーポスト)
チーム総合成績 UAEチームエミレーツXRG
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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