リドル・トレックがアンディ・シュレックを副ジェネラルマネージャーに起用したと発表した。2010年のツール・ド・フランス総合優勝者であるアンディは2014年に引退し、女子チームの監督に就任した兄フランクと再び同じチームに所属することになった。



20214年以来のチーム復帰を果たしたアンディ・シュレク (c)Makoto.AYANO

アンディ・シュレックはルクセンブルク出身で1985年生まれの40歳。2010年のツール・ド・フランスでは総合2位だったが、総合優勝したアルベルト・コンタドール(スペイン)がドーピング違反によりタイトルを剥奪され、繰り上げで総合優勝を手にした。2011年も総合2位に入り、2010年代前半を代表するクライマーとして活躍した。

2014年限りで現役を退いてからは、母国ルクセンブルクでバイクショップを開業。ツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.Pro)の運営などを通じて、自転車競技に関わり続けてきた。そして今回、現役最後の4年間を過ごしたリドル・トレックに副GMとして復帰した。

「この仕事を引き受ける前に自分自身と向き合い、本当に自分にできるのか、そしてこの挑戦を引き受けたいのかを見極める必要があった。私はチームワークとリーダーシップを強く信じ、選手キャリアを通じてチームを築き上げることを得意としてきた」とコメント。「ルカ(グエルチレーナGM)とは彼が監督時代に僕は選手として走っていた。このチームの伝統に加え、チームのリソースや選手層を考えれば、進む方向は1つ。勝利や結果は保証することができないが、日々のプロフェッショナリズムは約束できる。正しいことを続けていけば、結果は必ずついてくる」と、シュレックは意気込みを語った。

再び同じチームに所属するフランクとアンディ・シュレク兄弟 photo:Makoto.AYANO

一方、ルカ・グエルチレーナGMは「アンディはこのチームを隅々まで知り尽くしており、最高レベルで成功するために何が必要かを正確に理解している。グランツールのプレッシャーを経験し、マイヨジョーヌを着て最大の舞台(ツール)でチームを率いてきた。また競技面での実績に加え、アンディはサイクリング界のビジネス面や、チームやイベントを育ててきた幅広い視点も持っている」と評価した。

今年11月に兄フランクが女子チームの監督に就任。チーム発足の2011年に支えた兄弟が、近年好調な世界トップチームを支えることになった。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Lidl - Trek