激しいナミュール要塞のUCIシクロクロスワールドカップ第4戦で世界王者マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がシクロクロス復帰。落ち着いたレース運びでライバル勢を一蹴した。

超難易度を誇るナミュール要塞のコース。無数のベルギーファンが駆けつけた photo:CorVos
大阪府貝塚市の「二色の浜公園BLUE PARK」でシクロクロス全日本チャンピオンが決まった12月14日(日)、欧州ではクリスマス〜年末年始のシクロクロス超過密シーズンの皮切りとなるUCIシクロクロスワールドカップ第4戦が開催。舞台は2030年の世界選手権開催地であるベルギーのナミュール。超高難易度を誇る要塞コースで各カテゴリー激しい戦いが繰り広げられた。
小高い丘に築城されたナミュール要塞の周囲を駆け巡るコースは、基本的に登りか下りだけ。長く急勾配で荒れた石畳、段々畑のようになったクラッシュが多発する名物キャンバー、とてつもない角度で落ち込むドロップオフ、パンクを誘発させる木の根など、脚とテクニックが総動員される激しいレイアウトだ。
この第4戦が注目を集めたのは、なんといっても世界王者マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)のシクロクロス復帰戦であること。「復帰戦としては難しいコースだけど、トレーニングも順調にこなしてきた」というファンデルプール、さらにはチームメイトのティボー・デルフロッソ(オランダ)、女子エリートのプック・ピーテルセ(オランダ)もベルギー/オランダの冬を沸かせる勝負の場に戻ってきた。
女子エリート:ブラント独走、今季勝利数は早くも10に

2周目、早くもルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)がリードを構築する photo:CorVos
女子エリートレースの注目は、復帰したピーテルセと、世界屈指のテクニックを持つMTB選手のヨランダ・ネフ(スイス、キャノンデールファクトリーレーシング)の存在だ。しかし、そんな今季ニューフェイスたちをものともせず、この日は「こんなにスタートが上手くいったのは初めてかもしれない」という、連勝記録更新中のルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)が圧倒的な力を示した。
ダッシュを決めたアマンディーヌ・フークネ(フランス、アルケアB&Bホテルズ)を1周目で捉え、2周目には確固たるリードを構築。テクニックに秀でるピーテルセとランキング首位アニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング)が激しい2位争いを繰り広げる。後方からは一気にネフも2位争いまで上がってきたものの、中盤に入るとシクロクロス本業選手たちからは遅れを取った。

コースは例年より乾き、高速レースに。ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)向きのコンディションとなった photo:CorVos

UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第4戦 女子エリート表彰台 photo:CorVos
フロントタイヤをパンクさせてもなおブラントのリードは消えず、そのまま50分以上を走りきって今季10勝目をマーク。ワールドカップはターボル、サルデーニャに続く今季3勝目となった。2位は今季好調のファンアルフェン、3位はピーテルス。ネフは5位に入り、オフシーズンの中においても存在感を際立たせることとなった。
男子エリート:ファンデルプールが4つ巴の戦いを制す

笑顔を見せるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

積極的な走りでレースを作ったラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) photo:CorVos
今季のUCIポイントが無い大注目ファンデルプールは3列目スタート。最初の登坂区間こそ20番手ほどだったものの、石畳登坂で一気にポジションを挽回して勝負の最前線へ。ダッシュを決めたマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ)を2周目突入と共に捕まえた。
昨シーズンは少し様子を見てからアタック、独走という戦術を多用していたファンデルプールだが、この日は先頭グループ内を最終局面までキープした。ファントーレンハウト、ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)、ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)と共に駒を進め、余裕を漂わせながらファンデルハールの積極的なアタックに対処し続けた。
これまでナミュール大会に6回参戦し、そのうち5回勝利しているファンデルプールは途中の下り区間で激しく前転クラッシュしたものの、怪我もなくすぐに復帰する。チーム代表を務めるスヴェン・ネイスの指示を聞きつつ、唯一複数人数を先頭グループに残すバロワーズのネイスとファンデルハールは積極的にハイペースを維持していった。

レース終盤、ファンデルプールとネイス、ファントーレンハウトがトップ集団を形成 photo:CorVos

復帰戦で勝利したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
後半戦に入るとファンデルプールもジャブを打ち、いよいよ勝負と思われた最終ラップでネイスが痛恨のスリップダウンを喫してしまう。チャンスを感じ取ったファンデルプールは本気踏み一発でリードを確保。テクニカルコースを力強く、飛ぶように走った世界王者が期待通りに復帰戦勝利をマークした。
「ナミュールのコースはいつだって難しい。こんなに石畳だらけのコースはグリップを得るのも困難だ。今日はネイスだけじゃなくファンデルハールもファントーレンハウトも強かったし、最終盤まで様子を見てから仕掛けようと決めていたんだ。とても調子は良かったよ」と、レース後のインタビューで答えたファンデルプール。2位は落車に泣いたネイス、3位はファントーレンハウト。来週はファンデルプールと、同じくレース復帰するワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)との直接対決がやってくる。

UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第4戦 男子エリート表彰台 photo:CorVos

大阪府貝塚市の「二色の浜公園BLUE PARK」でシクロクロス全日本チャンピオンが決まった12月14日(日)、欧州ではクリスマス〜年末年始のシクロクロス超過密シーズンの皮切りとなるUCIシクロクロスワールドカップ第4戦が開催。舞台は2030年の世界選手権開催地であるベルギーのナミュール。超高難易度を誇る要塞コースで各カテゴリー激しい戦いが繰り広げられた。
小高い丘に築城されたナミュール要塞の周囲を駆け巡るコースは、基本的に登りか下りだけ。長く急勾配で荒れた石畳、段々畑のようになったクラッシュが多発する名物キャンバー、とてつもない角度で落ち込むドロップオフ、パンクを誘発させる木の根など、脚とテクニックが総動員される激しいレイアウトだ。
この第4戦が注目を集めたのは、なんといっても世界王者マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)のシクロクロス復帰戦であること。「復帰戦としては難しいコースだけど、トレーニングも順調にこなしてきた」というファンデルプール、さらにはチームメイトのティボー・デルフロッソ(オランダ)、女子エリートのプック・ピーテルセ(オランダ)もベルギー/オランダの冬を沸かせる勝負の場に戻ってきた。
女子エリート:ブラント独走、今季勝利数は早くも10に

女子エリートレースの注目は、復帰したピーテルセと、世界屈指のテクニックを持つMTB選手のヨランダ・ネフ(スイス、キャノンデールファクトリーレーシング)の存在だ。しかし、そんな今季ニューフェイスたちをものともせず、この日は「こんなにスタートが上手くいったのは初めてかもしれない」という、連勝記録更新中のルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)が圧倒的な力を示した。
ダッシュを決めたアマンディーヌ・フークネ(フランス、アルケアB&Bホテルズ)を1周目で捉え、2周目には確固たるリードを構築。テクニックに秀でるピーテルセとランキング首位アニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング)が激しい2位争いを繰り広げる。後方からは一気にネフも2位争いまで上がってきたものの、中盤に入るとシクロクロス本業選手たちからは遅れを取った。


フロントタイヤをパンクさせてもなおブラントのリードは消えず、そのまま50分以上を走りきって今季10勝目をマーク。ワールドカップはターボル、サルデーニャに続く今季3勝目となった。2位は今季好調のファンアルフェン、3位はピーテルス。ネフは5位に入り、オフシーズンの中においても存在感を際立たせることとなった。
男子エリート:ファンデルプールが4つ巴の戦いを制す


今季のUCIポイントが無い大注目ファンデルプールは3列目スタート。最初の登坂区間こそ20番手ほどだったものの、石畳登坂で一気にポジションを挽回して勝負の最前線へ。ダッシュを決めたマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ)を2周目突入と共に捕まえた。
昨シーズンは少し様子を見てからアタック、独走という戦術を多用していたファンデルプールだが、この日は先頭グループ内を最終局面までキープした。ファントーレンハウト、ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)、ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)と共に駒を進め、余裕を漂わせながらファンデルハールの積極的なアタックに対処し続けた。
これまでナミュール大会に6回参戦し、そのうち5回勝利しているファンデルプールは途中の下り区間で激しく前転クラッシュしたものの、怪我もなくすぐに復帰する。チーム代表を務めるスヴェン・ネイスの指示を聞きつつ、唯一複数人数を先頭グループに残すバロワーズのネイスとファンデルハールは積極的にハイペースを維持していった。


後半戦に入るとファンデルプールもジャブを打ち、いよいよ勝負と思われた最終ラップでネイスが痛恨のスリップダウンを喫してしまう。チャンスを感じ取ったファンデルプールは本気踏み一発でリードを確保。テクニカルコースを力強く、飛ぶように走った世界王者が期待通りに復帰戦勝利をマークした。
「ナミュールのコースはいつだって難しい。こんなに石畳だらけのコースはグリップを得るのも困難だ。今日はネイスだけじゃなくファンデルハールもファントーレンハウトも強かったし、最終盤まで様子を見てから仕掛けようと決めていたんだ。とても調子は良かったよ」と、レース後のインタビューで答えたファンデルプール。2位は落車に泣いたネイス、3位はファントーレンハウト。来週はファンデルプールと、同じくレース復帰するワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)との直接対決がやってくる。

UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第4戦 女子エリート結果
| 1位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | 52:23 |
| 2位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング) | +0:43 |
| 3位 | アマンディーヌ・フークネ(フランス、アルケアB&Bホテルズ) | +1:00 |
| 4位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +1:21 |
| 5位 | ヨランダ・ネフ(スイス、キャノンデールファクトリーレーシング) | +1:42 |
| 6位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレラン・コレンドン) | +2:07 |
| 7位 | クリスティナ・ゼマノヴァ(チェコ) | +2:16 |
| 8位 | レオニー・ベントフェルド(オランダ、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ) | +2:23 |
| 9位 | アマディーヌ・ミューラー(フランス、ASバイクレーシング) | +2:34 |
| 10位 | セリア・グレイ(フランス、ASバイクレーシング) | +2:43 |
UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第4戦 男子エリート結果
| 1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 58:29 |
| 2位 | ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | +0:09 |
| 3位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ) | +0:11 |
| 4位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | +0:12 |
| 5位 | エミエル・フェルストリンゲ(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +0:42 |
| 6位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:53 |
| 7位 | ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | +0:55 |
| 8位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、リドレーレーシングチーム) | +0:57 |
| 9位 | ワイツ・メーウセン(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +1:13 |
| 10位 | トーン・ファンデボシュ(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +1:29 |
text:So.Isobe
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