Astemo宇都宮ブリッツェンは宇都宮市内で記者会見を開き、2026年体制を発表した。新たにセルジオ・トゥ(台湾、バーレーン・ヴィクトリアス)が加入するほか、増田成幸と宮崎泰史が3年ぶりに復帰する。



宇都宮ブリッツェン2026年メンバーと鈴木真理監督(左端)小野寺玲チームアンバサダー(右端) photo:Satoru Kato

Astemo宇都宮ブリッツェン(以下宇都宮ブリッツェン)は宇都宮市内の栃木県庁で2026年体制発表の記者会見を開いた。すでに発表されている通り、ルーベン・アコスタと花田聖誠が退団。新たに、バーレン・ヴィクトリアスに所属していた現台湾チャンピオンのセルジオ・トゥ、2022年まで所属していた増田成幸と宮崎泰史ら3名が加入する。あわせて、今シーズンで引退した小野寺玲がチームアンバサダーに就任することも発表された。

メンバー、スタッフは下記表の通り。
宇都宮ブリッツェン20226年体制
新加入
増田成幸(Team UKYO)
セルジオ・トゥ(台湾、バーレーン・ヴィクトリアス)
宮崎泰史(キナンレーシングチーム)
継続 スタッフ
谷 順成(キャプテン) GM:廣瀬佳正
フォン・チュンカイ(台湾) 監督:鈴木真理
沢田 時 メカニック:市原直弥、廣瀬正高
岡 篤志 マッサー:細谷 桂
武山晃輔 ドクター:手塚正智
菅野蒼羅 通訳:福田美麗
阿蘇来夢(2025年途中加入) 広報:菅 拓哉
秋元 碧 チームアンバサダー:小野寺玲
坂井 洋
貝原涼太
宇都宮ブリッツェンの新体制発表ではメンバー全員が揃うことが通例ではあるが、今回は宮崎、坂井、貝原らがインフルエンザに罹患したため欠席。台湾選手権前から体調を崩しているというフォン・チュンカイも欠席となり、9名が出席した。

ミスターブリッツェン・増田成幸が復帰 photo:Satoru Kato

3年ぶりに復帰する増田は「肉体的にはピークアウトしてるというデータが出ているが、自分の子供達に身近で見てもらいたいと思い、復帰を決めた。メンバーを引き立て、2025年以上に活躍するチームを見せたい」と語った。

また欠席した宮崎は「増田選手と共に3年ぶりに復帰します。チームを離れた後もレース会場やSNSで宇都宮のファンの皆さんから頂く声援は大きな励みとなり、宇都宮が好きだと再認識しました。2026年は全日本選手権ロードとタイムトライアル優勝を最大目標に、アジアツアーランキング上位を目指し、UCIポイントを取りたいと考えています。2026年のメンバーなら必ず獲れると信じています。ファンの皆さんと多くの喜びを共有できるよう粉骨砕身の覚悟でチームの勝利に貢献します」というコメントを寄せた。

新加入のセルジオ・トゥ photo:Satoru Kato

一方、2023年からバーレーン・ヴィクトリアスに3年間所属していたセルジオ・トゥは28歳。台湾選手権で優勝し、チームメイトとなるフォン・チュンカイからチャンピオンジャージを引き継ぐ。「宇都宮で新たな活躍の場を得られて楽しみにしている。ファンの皆さんにはこれまで同様に応援して頂きたい」と、コメントした。

「2026年は勝利にこだわる」と話す鈴木真理監督 photo:Satoru Kato

鈴木真理監督は、「2025年は側から見れば活躍できたように見えるが、勝てたレースを逃すことも多かった。2026年は優勝にどれだけフォーカスできるかを課題に、勝利にこだわった戦い方をしたい」と、2026年の目標を語る。具体的には「チームの底上げを図った今年は、(宇都宮ブリッツェンが)複数名乗った逃げが出来ればゴー(そのまま逃げ切り)を出したが、2026年は同様な状況になったとしても勝つ可能性が低いならゴーは出さない。エースが勝てる確率を上げられるようレースを作ることが目標」と説明した。

2025年のベストレースを問われると全日本選手権を挙げ「勝てなかったけれど10位以内に3名が入り、今年のスローガン『ワンチーム・ワンドリーム』に沿ったレースだった」と振り返った。

キャプテンとして4年目を迎える谷順成 photo:Satoru Kato

キャプテンとして4年目を迎える谷順成は「2025年はチームとして岡に勝利を頼る形になってしまった。2026年の新メンバーが揃えば日本一の練習が出来ると思うので、危機感をもって2026年シーズンに備えたい」と、今シーズンの反省を交えて語った。

2026年チームスローガンは「Rising Beyond Dreams」 photo:Satoru Kato

2026年のチームスローガンは「Rising Beyond Dreams 夢のその先へ突き進む」。地域型プロロードレースチームとして積み重ねてきた歴史と誇りを胸に、2026シーズンは、これまで描いてきた「夢」をさらに超えていくステージへ挑むという想いを込める。

宇都宮ブリッツェンの2026年シーズンは、3月の「ツール・ド・台湾」が初戦となる予定。夏季の国内レースが少なくなる時期にも海外レース出場を予定しているという。


増田成幸「これが最後の移籍と決めた」

表向きは「おかえりなさい」なんですけど、宇都宮にはいつも帰ってきてましたからね(笑)。だから宇都宮の皆さんとの繋がりが切れていたわけではなく、市内で練習していても日光や鹿沼まで行っても声をかけてもらっていたので、これからはますます良いニュースを届けていきたいです。

日本最強と言われたTeam UKYOでやってきて、残りの競技人生をどこで使いたいかと考えた時、やはり宇都宮でと考えました。僕が加入することは別にして、2026年は最強と思えるメンバーが揃ったので、そこでやれることに湧き上がるモチベーションを感じています。

地元テレビの取材を受ける増田成幸 photo:Satoru Kato

この3年間は自分のために走ることは無かったけれど、まだギリギリ走れている自分がいるので、残りの力はブリッツェンのために使いたいというのが今の気持ちです。気持ちとしては移籍はこれが最後だと決めています。ここからあと何年選手を続けるのかという話になりますが、2年、3年先のことは考えられないけれど、この歳でやる気にさせてくれるチームがあって走らせてくれることは幸せだと感じています。

おそらくこの歳までJプロツアーをメインにやってきたら、ここまでモチベーションを保つことは出来なかったと思います。Team UKYOでしか経験出来なかったことも多く、それを踏まえて若手選手に還元していけるようにしたいですし、何より群馬CSCや広島森林公園など、Jプロツアー定番のコースを久々に走れることが新鮮に感じていてちょっと楽しみです。肉体的にはピークアウトしていますが、新鮮な気持ちで新シーズンを迎えられそうです。

「オレが、オレが」ってなると強いチームはまとまらなくなるので、自分から勝ちにいくようなことはしないつもりです。でも今まで獲ったことのない全日本選手権は自分も勝つつもりで肉体的に研ぎ澄まして臨みたい。それでチャンスがあって自分で勝負することになったら勝てるような準備をしていきたいですね。



セルジオ・トウ「チームとファンの近さを体験したい」

セルジオ・トゥ ©︎宇都宮ブリッツェン
今まで10年間ヨーロッパのチームで走ってきました。来年名古屋でアジア大会があり、最大の目標としています。フォン・チュンカイ選手が宇都宮ブリッツェンに入って良い成績を出していたので、自分も良い機会だと思い、宇都宮に拠点を置いてアジア大会を目指そうと決めました。

フォン選手からはファンがすごく友好的でチームと近い存在だと聞いているので、自分もそれを体験したいと思っています。これまでも日本のレースに出場したことはあるが、JプロツアーやUCIレースなどに出場してさらに成長していきたいと思っています。


text&photo Satoru Kato, 宇都宮ブリッツェン