NSNサイクリングチーム(前イスラエル・プレミアテック)がスコットと複数年にわたるスポンサー契約を結んだと発表した。NSNは今年、バイクサプライヤーのファクターがチームを離れ、スコットはQ36.5プロサイクリングをスポンサーしていた。



仮デザインだと思われるジャージを身にまとい、スコットに乗るNSNサイクリングチームの選手たち photo:NSN Cycling Team

スコットの共同CEOであるパスカル・デュクロー氏は、「NSNサイクリングチームを支えることは大きな名誉だ。卓越性を追求するという共通の志を持つ選手、スタッフ、スポンサーがひとつにまとまったチームだ。世界最高レベルの舞台で選手たちが最大限の力を発揮できるよう、私たちの世界クラスの製品がサポートしていく」とコメントした。契約期間は明かされていないものの、複数年としている。

NSNはイスラエル・スタートアップネイションだった2020年から5年間にわたりファクターのバイクを使用してきた。しかし今年8月のブエルタ・ア・エスパーニャでチームに対する抗議活動が激化し、イスラエルという名称とブランドから距離を置く方針に加えて、チームオーナーのシルヴァン・アダムス氏がチーム運営から退くことを発表した。その結果、スポンサーであるプレミアテック社と共に、ファクターも離れることとなった。

そんな中、バイクブランドを探していたチームに合流したのが、本拠をスイスに置くバイクブランド、スコットだった。長年ジェイコ・アルウラーの使用バイクだったスコットだが、2021年よりピクニック・ポストNL(当時チームDSM)とパートナーシップを結び、2025年はプロチームであるQ36.5プロサイクリングにスポンサードしていた。

しかしQ36.5は、イタリアのバイクブランドであるピナレロがバイク供給にとどまらずタイトルスポンサーも務めるチームとなった。そのためスコットとNSNの思惑が合致した形だ。

来季からワールドチームに復帰することがほぼ確実なNSNには、アンテルマルシェ・ワンティからビニヤム・ギルマイ(エリトリア)が加入する。現在29名が2026年の契約を結んでおり、またサイモン・クラーク(オーストラリア)が2月1日付で引退するため、実質あと2名の枠が残されている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:NSN Cycling Team