トム・ボーネン主催のチャリティーシクロクロスレースが10年ぶりに復活。ロード選手たちが砂に手を焼く中、元シクロクロストップ選手のティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が鮮やかな走りでライバルを打ち破った。



華麗な砂捌きを披露するトム・ボーネン(ベルギー)。10年ぶりに大会を復活させた photo:CorVos

アルカンシエル姿で参加したヨハン・ムセーウ(ベルギー) photo:CorVos
現役時代のチームキットで参加したヨハン・ヴァンスーメレン(ベルギー) photo:CorVos



約10年ぶりに復活した「ボーネン&フレンズ チャリティ・シクロクロス」が、ボーネンの地元ベルギー・モルのジルファール湖のほとりを周回するコースで開催され、大きな注目を集めた。主催はかつてロード界のスーパースターだったトム・ボーネン。彼が2009年に始めたこのレースは2015年まで数回の開催を経た後長らく休止されていたが、そこから10年、かつての仲間たちや現役トップ選手が多数集結し、「チャリティとして一度きり復活」という形で再び開催に至った。

かつてと同じように、身体障害をもつ子どもたちへのチャリティー活動「ムーブ・トゥ・インプルーブ(Move To Improve)」の一環として催された大会には、トップスプリンターのティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やグラベル世界王者のフロリアン・フェルミールス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)、ティシュ・べノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)といったトップ現役選手が参加。

さらにフィリップ・ジルベール(ベルギー)やフィリッポ・ポッツァート(イタリア)、ヨハン・ムセーウ(ベルギー)、ヨハン・ヴァンスーメレン(ベルギー)、ゼネク・スティバル(チェコ)といったかつての花形選手たちも多数顔を揃えた。

グラベルレースに積極参戦しているフィリップ・ジルベール(ベルギー) photo:CorVos

ボーネンの盟友フィリッポ・ポッツァート(イタリア)も参戦 photo:CorVos
女子レースを制したサンヌ・カント(ベルギー) photo:CorVos



現役男子選手によるエリートレース photo:CorVos
グラベル世界王者のフロリアン・フェルミールス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos


男子エリートレースを制したティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

現役選手による男子エリートレースは、不慣れな砂地にロード選手達が苦戦する中、シクロクロス経験を持つメルリールとフェルメルシュ、ヨハン・ヤコブス(スイス、グルパマFDJ)の3選手が先頭グループを構築。最終ラップの砂場までもつれた勝負を制したのは「信じられないほどキツかった」と言うメルリールだった。

女子レースではかつて世界選手権を制し、昨年現役引退したサンヌ・カント(ベルギー)が勝利。元プロ選手権を制したのは元トップCX選手のコルネ・ファンケッセル(ベルギー)だった。ボーネン自身も鮮やかな走りをファンの前で披露したという。

text:So Isobe