10月5日(日)に神奈川県小田原市のアネスト岩田ターンパイク箱根で開催された「箱根ヒルクライム 2025」でQNリーグのシリーズ第9戦が併催された。中学生クラスで優勝した柬理日楠詩(Team FITTE)がリーダージャージが獲得した。QNリーグ主催者からのレポートで紹介する。

男子中学生クラスを含む第1ウェーブでスタートする参加選手たち photo:k.kazuma
10月5日(日)、リーグ第9戦「箱根ヒルクライム 2025」が神奈川県小田原市のアネスト岩田ターンパイク箱根で開催された。今大会のコースは普段、自転車では走行できないアネスト岩田ターンパイク箱根を、レース当日のみ特別に閉鎖して開催される大会。距離13.4kmで平均勾配7.2%という、日本国内で開催されているヒルクライムレースのなかでも、かなり走りごたえのある登坂コースで、見通しの良い直線の急勾配が続くのが特徴。
そのためいったん後続を引き離したとしても、なかなか視界から消えないので、ペース配分や折れないメンタルが必要になる。またスタートから約10km地点までは斜度がきつい一方、後半には下りもあり、ゴール直前でスプリントになることもある。

オートバイの先導で安全管理しながら班分けして下山する。途中で強制休憩箇所もあるので安心 photo:QNリーグ事務局
この大会の歴史は⻑く、2010年から2年開催された後、2年間の中断期間を経て地元の小田原市職員による呼びかけで2015年に復活。そして主催の一般社団法人GRサイクリングが今回11年目の開催を引き継ぎ、自転車での地域活性を実現している。そのレース運営はもちろんのこと、前日受付会場では会場近くの宿泊施設・ヒルトン小田原リゾート&スパのチャリティー募金活動「クリスマストレイン」にも協力。大会で集まった募金は「箱根ヒルクライム参加者一同」として寄付され、地域の子どもたちの遊びや教育、学習支援、地域貢献活動に使用されている。
このような地元や子供達への貢献活動にも熱心な大会に、昨シーズンからは弊リーグのシリーズ戦として、QリーグとNリーグ中学生女子NWは女子チャンピオン、そしてNリーグの中学生男子Nは中学生クラスを対象レースに組み入れた。その狙いとして、女子チャンピオンクラスについては「QリーグやNリーグの中学生女子とともに走ることで女子チャンピオンクラスへの参戦をさらに促し、ヒルクライムを得意とする女子選手達にとって目標大会の1つにしたい」、中学生クラスについては「⻑く男子については中学生、そして高校生それぞれのクラスを設定しているので、そのクラスに一層の充実を図りたい」と考え、引き続き協力いただくこととなった。

預かった手荷物はトラックで頂上へ。クラスごとに振り分けして並べておく photo:QNリーグ事務局
また、同大会では気軽に自転車レースへチャレンジしてもらうためにクラス設定を工夫している。脚力別や年齢別を基本に、体重別クラスや自転車の種別にした「鉄の漢クラス」に「E-BIKEクラス」、更には小径車のクラスも設定。そして2021年からはアニメ、コミック、ゲームなどのコンテンツやキャラクターをモチーフにしたコスプレやサイクルジャージ着用、仮装を条件とした「キャラクターヒルクライム部門」も同時開催されている。
大会当日は、前の晩に降った雨が早朝には上がり、雲は残るものの秋らしい爽やかなコンディション。昨年大会では土砂降りからの濃霧で、スタート時には震えるほどの肌寒い状況だったことに比べると良い条件下となった。さて、小学生チャンピオンクラス以外の参加選手達がゴール地点のアネスト岩田スカイラウンジ前の集合場所に集まってくる。この箱根ヒルクライムでは特殊で、まずスタート地点へ向かいコースを下山してから、再びコースを登る手順となる。バイクとスタッフ自転車の安全管理誘導で、ブロックごとに分けて下山を開始した。

男子チャンピオンクラスの選手とともにハイペースで走るFITTEの柬理日楠詩 photo:k.kazuma
さて、本番だ。9時半に第1スタートとなる男子チャンピオン、男子高校生、そしてリーグ対象レースとなる女子チャンピオンと男子中学生の各クラスが同時スタートした。今大会以降は大磯、しもふさと平坦なクリテリウムレースが続くので、クライマーにとっては最後のチャンスにもなる。
ゴール地点から見ていると想定よりも早いタイミングで、しばらくすると最後の下りセクションから登り返す選手の姿が遠くに確認できた。そして男子チャンピオンクラスの優勝選手がゴールし、あまり間を置かずにNリーグの中学生男子Nが対象となっている中学生クラスのトップとなるTeam FITTEの柬理日楠詩が、男子チャンピオンクラスの選手とともに姿を現した。

FITTEの柬理日楠詩は、カメラマンとの約束を果たす形で、レース中に笑顔を見せた photo:k.kazuma

昨年に続く中学生クラスの優勝、そして自己記録更新にバトルマリンジャージ奪還も達成したFITTEの柬理日楠詩 photo:k.kazuma
中学生クラスの優勝を確信した柬理は、天を仰ぐポーズを応援する家族の前で決めながらゴールラインを切った。「昨年よりもスタートから凄く速かったです。男子チャンピオンクラスのトップの選手に付いてできるだけ前をキープしたかったけど、中盤で集団から落ちてしまったのが敗因」と、44分台という中学生クラスの記録更新を逃したことを悔いていたが、昨年のレースではスタート前の冷えや補給の不備など準備不足で思う力が出し切れてなかったのが、今回は1年でさまざまなレースで経験を積み成⻑したことで、昨年タイム50分05秒から今回は46分13秒と自己新記録。しかも後続には約2分のタイム差をつけた優勝で、2ヵ月ぶりに再びポイントリーダーとなった。
また、2位と3位はNリーグ登録ではない選手が入ったが、4位にはコンスタントに毎シリーズ戦で結果を残し続けている保土ヶ谷.Broの神戶雅渡が入り、ポイントを積み上げてランキング3 位に浮上した。

惜しくも表彰台は逃したものの、シリーズ戦を通してポイントを着実に積み重ねNリーグランキング3位に浮上した保土ヶ谷.Broの神戶。ゴール直前の登り返しでも力強い走りを見せた photo:k.kazuma
7月末のリーグ第5戦で、獲得したバトルマリンジャージを奪われていた柬理は、ポイントリーダー授与式で2014年の全日本選手権ロードレース覇者である佐野 淳哉氏からジャージを着せてもらいながら「ゴールタイム45分以内という目標は達成できなかったんですが、自己ベストタイムでFTPも更新したので良いレースだったのかなあ?とは思います」と再び手に入れたリーダージャージを身に着けコメント。このところの調子の良さの秘訣として「アールエルの靴下のおかげかもしれません。最近、調子がどんどん上がっています!」と会場でも多く見かけたアールエル・ソックスのファンにもアピールしてくれた。
次の目標としては10月26日に三重県四日市市で開催される「四日市ジュニアロードレース(第21回全国ジュニア自転車競技大会)」を挙げていたので、Nリーグ・ポイントリーダーを巡る闘いの経験を活かして結果を出してほしい。

FITTEの柬理に奪還したバトルマリンジャージを手渡すプレゼンターの佐野氏は、レースにもゲスト参加 photo:QNリーグ事務局 
副賞のアールエル目録を手に、喜びのコメントをする柬理 photo:QNリーグ事務局

男子中学生クラスの表彰式、左より2位・木村孔南、優勝のFITTEの柬理、3位・木村 仁毘 photo:QNリーグ事務局
そんな熱い闘いとなった、男子中学生クラスのゴール後にNリーグ上位陣、そして入賞した選手達を集めて改めてコメントを聞いた。「今回は作戦とかは無く中学生クラスの新記録となる44分台を達成するように、限界突破で頑張りました!」とコメントにしてくれたのは愛知県は名古屋市から参戦した、56サイクルの兄弟選手。元・乗鞍ヒルクライムのチャンピオンであり、現在はシクロクロスのマスターズクラスで活躍する筧 五郎選手のローラー教室の生徒で、兄の木村孔南(コナン)は「目標は昨年のタイムを上回ること」だったようであるが、昨年の50分33秒から大幅に更新し48分01秒という素晴らしいタイムでゴールを果たして2位となった。
また弟の木村 仁毘(シノブ)は「兄と小学生の頃から3年連続で箱根ヒルクライムには出場していて、昨年は小学生クラスで優勝している」という強豪。「今回の目標は中学生クラスでの入賞と昨年のタイム更新だったので、両方果たせた」と昨年の53分44秒からの大幅更新で50分15秒というタイムと3位入賞を喜んでいた。

ゴール直後QNリーグムービー収録にて、コメントしてくれた中学生クラスの参加選手たち。左から木村(弟)、FITTEの柬理、PRIMERAの富永と佐谷、木村(兄) photo:QNリーグ事務局
普段、どんなことを筧選手から教わっているのか聞くと「五郎さんは、とても頼もしいし、すごくいろんなことを教えてくれるので、非常にためになります!」と言う。特にヒルクライムレースを得意とする筧選手だけに、その指導が今回のタイム更新に繋がっていたようだ。
また、現在JBCFなどのレースで活躍を見せる茂木陽向選手も所属する#1-PRIMERA-(ナンバーワン・プリメーラ)の冨永和彦と佐谷輝成の2人からもコメントを聞いた。この2人はリーグ後半から活躍をみせているが、7位に入った冨永は「うーん、ちょっと悔しいです」と苦い顔だったが、前回レースに続いて順調にラインキングポイントを獲得。9位の佐谷は初のヒルクライムレースということもあり「(集団やペースに)付いていけるかな?って不安でした。タイムとか納得できる結果ではなかったのですが、次に活かしたいと思います」と今後も目標に向かって頑張る気合をコメントしてくれた。

トラブルで思うような走りが出来なかったブラウ岡田は、少し無念そうにゴール photo:k.kazuma
この男子中学生達と同時スタートとなった女子チャンピオンクラスに出場した、岡田愛裕來(ブラウ・ブリッツエン U15)は昨年のレースタイムからの更新を目指していたが「スタートして1kmぐらいでメカトラが発生してしまって、ロー側にギヤが変わらなくなってしまったんです」という突然のメカトラブルで、非常に苦心した模様。
しかし「タイムは更新できなかったんですが、自分なりにゴールまで頑張れたので良かったです」と、ポイントリーダー授与式では安堵の表情を見せた。夏ごろから腰の不調も抱えるなかでのリーグ戦へ参加となったが、次回からの大磯クリテリウム2連戦を前に「大磯でも自分の全力を出せるように頑張ります!」と元気にコメントしてくれた。

女子チャンピオンクラスの表彰式。左から2位のブラウ岡田、優勝の池田由美(ヤビツ百参るの会) photo:k.kazuma

表彰式ステージは芦ノ湖や箱根の山々を見渡す、素晴らしい背景が広がった photo:k.kazuma

女子一般クラスの表彰式。左から2位・嶋田 桂、優勝の森彩那、3位・斎藤瑞穂 photo:QNリーグ事務局 
小学生チャンピオンの表彰式。左から2位・望月洸、優勝の高貝風李 photo:QNリーグ事務局

キャラクターヒルクライム女子表彰式でのTOP2。一番右にはクワトロ・小野寺玲・バジーナが! photo:QNリーグ事務局
次戦は第10戦の11月16日(日)に神奈川県の大磯プリンスホテル特設クリテリウムコースで開催される「大磯クリテリウム第2戦」となる。平坦でスプリント勝負をかけやすいコースレイアウトであるが、一方で見晴らしが良く、常にお互いの位置が確認できるため逃げ続ける場合は、ライバルを泳がしたり、泳がされたりを利用することも必要だ。
また集団にいる場合は、コース周りに障害物が無いので風の影響を受けやすいため位置取りが重要。そして、コーナーワークでのライン取りやバイクコントロールも勝負を左右するだろう。

次戦は第10戦の11月16日(日)に神奈川県の大磯プリンスホテル特設クリテリウムコースで開催される「大磯クリテリウム第2戦」 photo:QNリーグ事務局
6年目の今シーズンも後半戦に突入。日本国内の女子やジュニア選手達の活躍の場を拡げるため弊リーグ運営をおこなってまいりますので、引き続きご注目とご声援のほど、よろしくお願い申し上げます。
photo:k.kazuma & QNリーグ事務局
text:須藤むつみ(QN リーグ事務局)

10月5日(日)、リーグ第9戦「箱根ヒルクライム 2025」が神奈川県小田原市のアネスト岩田ターンパイク箱根で開催された。今大会のコースは普段、自転車では走行できないアネスト岩田ターンパイク箱根を、レース当日のみ特別に閉鎖して開催される大会。距離13.4kmで平均勾配7.2%という、日本国内で開催されているヒルクライムレースのなかでも、かなり走りごたえのある登坂コースで、見通しの良い直線の急勾配が続くのが特徴。
そのためいったん後続を引き離したとしても、なかなか視界から消えないので、ペース配分や折れないメンタルが必要になる。またスタートから約10km地点までは斜度がきつい一方、後半には下りもあり、ゴール直前でスプリントになることもある。

この大会の歴史は⻑く、2010年から2年開催された後、2年間の中断期間を経て地元の小田原市職員による呼びかけで2015年に復活。そして主催の一般社団法人GRサイクリングが今回11年目の開催を引き継ぎ、自転車での地域活性を実現している。そのレース運営はもちろんのこと、前日受付会場では会場近くの宿泊施設・ヒルトン小田原リゾート&スパのチャリティー募金活動「クリスマストレイン」にも協力。大会で集まった募金は「箱根ヒルクライム参加者一同」として寄付され、地域の子どもたちの遊びや教育、学習支援、地域貢献活動に使用されている。
このような地元や子供達への貢献活動にも熱心な大会に、昨シーズンからは弊リーグのシリーズ戦として、QリーグとNリーグ中学生女子NWは女子チャンピオン、そしてNリーグの中学生男子Nは中学生クラスを対象レースに組み入れた。その狙いとして、女子チャンピオンクラスについては「QリーグやNリーグの中学生女子とともに走ることで女子チャンピオンクラスへの参戦をさらに促し、ヒルクライムを得意とする女子選手達にとって目標大会の1つにしたい」、中学生クラスについては「⻑く男子については中学生、そして高校生それぞれのクラスを設定しているので、そのクラスに一層の充実を図りたい」と考え、引き続き協力いただくこととなった。

また、同大会では気軽に自転車レースへチャレンジしてもらうためにクラス設定を工夫している。脚力別や年齢別を基本に、体重別クラスや自転車の種別にした「鉄の漢クラス」に「E-BIKEクラス」、更には小径車のクラスも設定。そして2021年からはアニメ、コミック、ゲームなどのコンテンツやキャラクターをモチーフにしたコスプレやサイクルジャージ着用、仮装を条件とした「キャラクターヒルクライム部門」も同時開催されている。
大会当日は、前の晩に降った雨が早朝には上がり、雲は残るものの秋らしい爽やかなコンディション。昨年大会では土砂降りからの濃霧で、スタート時には震えるほどの肌寒い状況だったことに比べると良い条件下となった。さて、小学生チャンピオンクラス以外の参加選手達がゴール地点のアネスト岩田スカイラウンジ前の集合場所に集まってくる。この箱根ヒルクライムでは特殊で、まずスタート地点へ向かいコースを下山してから、再びコースを登る手順となる。バイクとスタッフ自転車の安全管理誘導で、ブロックごとに分けて下山を開始した。

さて、本番だ。9時半に第1スタートとなる男子チャンピオン、男子高校生、そしてリーグ対象レースとなる女子チャンピオンと男子中学生の各クラスが同時スタートした。今大会以降は大磯、しもふさと平坦なクリテリウムレースが続くので、クライマーにとっては最後のチャンスにもなる。
ゴール地点から見ていると想定よりも早いタイミングで、しばらくすると最後の下りセクションから登り返す選手の姿が遠くに確認できた。そして男子チャンピオンクラスの優勝選手がゴールし、あまり間を置かずにNリーグの中学生男子Nが対象となっている中学生クラスのトップとなるTeam FITTEの柬理日楠詩が、男子チャンピオンクラスの選手とともに姿を現した。


中学生クラスの優勝を確信した柬理は、天を仰ぐポーズを応援する家族の前で決めながらゴールラインを切った。「昨年よりもスタートから凄く速かったです。男子チャンピオンクラスのトップの選手に付いてできるだけ前をキープしたかったけど、中盤で集団から落ちてしまったのが敗因」と、44分台という中学生クラスの記録更新を逃したことを悔いていたが、昨年のレースではスタート前の冷えや補給の不備など準備不足で思う力が出し切れてなかったのが、今回は1年でさまざまなレースで経験を積み成⻑したことで、昨年タイム50分05秒から今回は46分13秒と自己新記録。しかも後続には約2分のタイム差をつけた優勝で、2ヵ月ぶりに再びポイントリーダーとなった。
また、2位と3位はNリーグ登録ではない選手が入ったが、4位にはコンスタントに毎シリーズ戦で結果を残し続けている保土ヶ谷.Broの神戶雅渡が入り、ポイントを積み上げてランキング3 位に浮上した。

7月末のリーグ第5戦で、獲得したバトルマリンジャージを奪われていた柬理は、ポイントリーダー授与式で2014年の全日本選手権ロードレース覇者である佐野 淳哉氏からジャージを着せてもらいながら「ゴールタイム45分以内という目標は達成できなかったんですが、自己ベストタイムでFTPも更新したので良いレースだったのかなあ?とは思います」と再び手に入れたリーダージャージを身に着けコメント。このところの調子の良さの秘訣として「アールエルの靴下のおかげかもしれません。最近、調子がどんどん上がっています!」と会場でも多く見かけたアールエル・ソックスのファンにもアピールしてくれた。
次の目標としては10月26日に三重県四日市市で開催される「四日市ジュニアロードレース(第21回全国ジュニア自転車競技大会)」を挙げていたので、Nリーグ・ポイントリーダーを巡る闘いの経験を活かして結果を出してほしい。



そんな熱い闘いとなった、男子中学生クラスのゴール後にNリーグ上位陣、そして入賞した選手達を集めて改めてコメントを聞いた。「今回は作戦とかは無く中学生クラスの新記録となる44分台を達成するように、限界突破で頑張りました!」とコメントにしてくれたのは愛知県は名古屋市から参戦した、56サイクルの兄弟選手。元・乗鞍ヒルクライムのチャンピオンであり、現在はシクロクロスのマスターズクラスで活躍する筧 五郎選手のローラー教室の生徒で、兄の木村孔南(コナン)は「目標は昨年のタイムを上回ること」だったようであるが、昨年の50分33秒から大幅に更新し48分01秒という素晴らしいタイムでゴールを果たして2位となった。
また弟の木村 仁毘(シノブ)は「兄と小学生の頃から3年連続で箱根ヒルクライムには出場していて、昨年は小学生クラスで優勝している」という強豪。「今回の目標は中学生クラスでの入賞と昨年のタイム更新だったので、両方果たせた」と昨年の53分44秒からの大幅更新で50分15秒というタイムと3位入賞を喜んでいた。

普段、どんなことを筧選手から教わっているのか聞くと「五郎さんは、とても頼もしいし、すごくいろんなことを教えてくれるので、非常にためになります!」と言う。特にヒルクライムレースを得意とする筧選手だけに、その指導が今回のタイム更新に繋がっていたようだ。
また、現在JBCFなどのレースで活躍を見せる茂木陽向選手も所属する#1-PRIMERA-(ナンバーワン・プリメーラ)の冨永和彦と佐谷輝成の2人からもコメントを聞いた。この2人はリーグ後半から活躍をみせているが、7位に入った冨永は「うーん、ちょっと悔しいです」と苦い顔だったが、前回レースに続いて順調にラインキングポイントを獲得。9位の佐谷は初のヒルクライムレースということもあり「(集団やペースに)付いていけるかな?って不安でした。タイムとか納得できる結果ではなかったのですが、次に活かしたいと思います」と今後も目標に向かって頑張る気合をコメントしてくれた。

この男子中学生達と同時スタートとなった女子チャンピオンクラスに出場した、岡田愛裕來(ブラウ・ブリッツエン U15)は昨年のレースタイムからの更新を目指していたが「スタートして1kmぐらいでメカトラが発生してしまって、ロー側にギヤが変わらなくなってしまったんです」という突然のメカトラブルで、非常に苦心した模様。
しかし「タイムは更新できなかったんですが、自分なりにゴールまで頑張れたので良かったです」と、ポイントリーダー授与式では安堵の表情を見せた。夏ごろから腰の不調も抱えるなかでのリーグ戦へ参加となったが、次回からの大磯クリテリウム2連戦を前に「大磯でも自分の全力を出せるように頑張ります!」と元気にコメントしてくれた。





次戦は第10戦の11月16日(日)に神奈川県の大磯プリンスホテル特設クリテリウムコースで開催される「大磯クリテリウム第2戦」となる。平坦でスプリント勝負をかけやすいコースレイアウトであるが、一方で見晴らしが良く、常にお互いの位置が確認できるため逃げ続ける場合は、ライバルを泳がしたり、泳がされたりを利用することも必要だ。
また集団にいる場合は、コース周りに障害物が無いので風の影響を受けやすいため位置取りが重要。そして、コーナーワークでのライン取りやバイクコントロールも勝負を左右するだろう。

6年目の今シーズンも後半戦に突入。日本国内の女子やジュニア選手達の活躍の場を拡げるため弊リーグ運営をおこなってまいりますので、引き続きご注目とご声援のほど、よろしくお願い申し上げます。
photo:k.kazuma & QNリーグ事務局
text:須藤むつみ(QN リーグ事務局)
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