北林力(マッシ・デベロップメントチーム)も参戦したMTB W杯フランス大会。ジェニー・リスヴェッズ(キャニオン・CLLCTV XCO)が完全勝利を達成し、男子レースではルカ・マルタン(フランス、キャノンデールファクトリーレーシング)が初のW杯制覇を遂げている。
フランス・レ・ジェ=オート=サヴォワ、レジェで開催されたWHOOP UCI MTBワールドシリーズ第7戦。ヨーロッパのMTB聖地とも言えるアルプスのスノーリゾートに世界のトップライダーたちが集結し、ショートトラック(XCC)とクロスカントリー・オリンピック(XCO)、そしてダウンヒルのフルフォーマットでバトルを繰り広げた。
ジェニー・リスヴェッズ、落ち着きと鋭さが際立つ2連勝

1周目から独走したジェニー・リスヴェッズ(キャニオン・CLLCTV XCO) photo:UCI
金曜のショートトラックで26か月ぶりとなる勝利を挙げたジェニー・リスヴェッズ(キャニオン・CLLCTV XCO)は、日曜の本戦でもその勢いを保ったまま圧巻の走りを見せた。スタート直後からハイテンポを刻み、第1ラップ終了時点で早くも12秒のリード。タフなヒルクライムに、乗車を拒む登りセクションの木の根。欧州チャンピオンジャージを着るリスヴェッズは冷静にラインを守り続け、ラストラップでも一切の乱れなく1時間24分のレースを完遂。2位ケラーに1分以上の大差をつけてXCC、XCO完全勝利を手にした。

ジェニー・リスヴェッズ(キャニオン・CLLCTV XCO)が圧勝 photo:UCI

XCO女子エリート表彰台 photo:UCI
「アタックするつもりは無く、自分のペースで走ることだけを考えていた。クロスカントリーレースでは他人のことは気にしすぎないのが大事だと思う。リアタイヤがスローパンクしたかと思ったけど、気のせいだったかもしれない。タイヤチョイスに関してチームと何度も議論を重ねて、いい選択ができたと思う。とにかく今週末のレースは本当に楽しかった」とリスヴェッズは話している。
北林力参戦の男子レース:仏ルカ・マルタンが初勝利、ファンデルプールは6位

フルッキガーたちと先頭グループを組むルカ・マルタン(フランス、キャノンデールファクトリーレーシング) photo:UCI
男子レースの注目はなんと言ってもマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の参戦だ。33番グリッドという後方スタートからの厳しい展開となったが、それでも1ラップごとに順位を上げ、終盤には先頭グループを捉える走りで大観衆を沸かした。
一方、序盤からレースを積極的に引っ張ったのは地元フランスの若手ルカ・マルタン(キャノンデールファクトリーレーシング)だった。前戦でトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)に食い下がった新星は序盤に独走し、ルカ・ブライド(イタリア、ウィリエール・ヴィットリアファクトリーチーム)やマティアス・フルッキガー(スイス、トムス・マクソン)に追いつかれても冷静にレースを展開。終盤にファンデルプールが追いついてきたタイミングで猛烈なラストバトルが幕開けた。

33番スタートからポジションを上げ続けたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)は6位フィニッシュ photo:UCI

母国フランスで初のW杯XCO優勝を挙げたルカ・マルタン(フランス、キャノンデールファクトリーレーシング) photo:UCI
ブライドの登坂アタックはフルッキガーによって引き戻され、最も急勾配の登りコーナーでマルタンが狙い澄ましたアタックを披露して先行。登坂のパンチ力と、ダウンヒルの巧さでブライドを引き離したマルタンが自身初のワールドカップXCO優勝を達成した。
「信じられないよ。どうやってやったのか自分でも分からない」とマルタンは言う。「コースはクレイジーだったよ。ファンが熱狂的で、まるで燃えているようだった。僕の名前を呼ぶ人もいたし、本当に特別な体験だった。チャンピオンジャージでレースを走るのが楽しいから勝てたんだと思う。最初の2周回はドーパミンが多過ぎたのか全力で走ったけど、一旦ペースを落として力を貯め、2番目の登りと最後の登りの頂上で最後のアタックを仕掛けました。正直今の状況が信じられないくらいだよ」と、フィニッシュ直後のインタビューで話したマルタン。フランス期待の星が早速大きな勝利を手にしている。

XCO男子エリート表彰台 photo:UCI
ファンデルプールはこの日6位でフィニッシュ。レース後半には世界王者のアラン・ハザリー(南アフリカ、ジャイアントファクトリーレーシング)を捉えるなど、出場を予定する世界選手権に向けてまずまずの滑り出し。「久々のXCOは身体に堪えた。でも走れたこと自体がポジティブだ」とレースを振り返っている。また、現役引退を表明したニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)は16位。「まだまだトップコンディションには戻っていない。最後までハングリーさを保っていきたい」と話している。
スイスやドイツでのレースを終え、このW杯に挑んだ北林力(マッシ・デベロップメントチーム)は完走ならず85位だった。
フランス・レ・ジェ=オート=サヴォワ、レジェで開催されたWHOOP UCI MTBワールドシリーズ第7戦。ヨーロッパのMTB聖地とも言えるアルプスのスノーリゾートに世界のトップライダーたちが集結し、ショートトラック(XCC)とクロスカントリー・オリンピック(XCO)、そしてダウンヒルのフルフォーマットでバトルを繰り広げた。
ジェニー・リスヴェッズ、落ち着きと鋭さが際立つ2連勝

金曜のショートトラックで26か月ぶりとなる勝利を挙げたジェニー・リスヴェッズ(キャニオン・CLLCTV XCO)は、日曜の本戦でもその勢いを保ったまま圧巻の走りを見せた。スタート直後からハイテンポを刻み、第1ラップ終了時点で早くも12秒のリード。タフなヒルクライムに、乗車を拒む登りセクションの木の根。欧州チャンピオンジャージを着るリスヴェッズは冷静にラインを守り続け、ラストラップでも一切の乱れなく1時間24分のレースを完遂。2位ケラーに1分以上の大差をつけてXCC、XCO完全勝利を手にした。


「アタックするつもりは無く、自分のペースで走ることだけを考えていた。クロスカントリーレースでは他人のことは気にしすぎないのが大事だと思う。リアタイヤがスローパンクしたかと思ったけど、気のせいだったかもしれない。タイヤチョイスに関してチームと何度も議論を重ねて、いい選択ができたと思う。とにかく今週末のレースは本当に楽しかった」とリスヴェッズは話している。
北林力参戦の男子レース:仏ルカ・マルタンが初勝利、ファンデルプールは6位

男子レースの注目はなんと言ってもマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の参戦だ。33番グリッドという後方スタートからの厳しい展開となったが、それでも1ラップごとに順位を上げ、終盤には先頭グループを捉える走りで大観衆を沸かした。
一方、序盤からレースを積極的に引っ張ったのは地元フランスの若手ルカ・マルタン(キャノンデールファクトリーレーシング)だった。前戦でトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)に食い下がった新星は序盤に独走し、ルカ・ブライド(イタリア、ウィリエール・ヴィットリアファクトリーチーム)やマティアス・フルッキガー(スイス、トムス・マクソン)に追いつかれても冷静にレースを展開。終盤にファンデルプールが追いついてきたタイミングで猛烈なラストバトルが幕開けた。


ブライドの登坂アタックはフルッキガーによって引き戻され、最も急勾配の登りコーナーでマルタンが狙い澄ましたアタックを披露して先行。登坂のパンチ力と、ダウンヒルの巧さでブライドを引き離したマルタンが自身初のワールドカップXCO優勝を達成した。
「信じられないよ。どうやってやったのか自分でも分からない」とマルタンは言う。「コースはクレイジーだったよ。ファンが熱狂的で、まるで燃えているようだった。僕の名前を呼ぶ人もいたし、本当に特別な体験だった。チャンピオンジャージでレースを走るのが楽しいから勝てたんだと思う。最初の2周回はドーパミンが多過ぎたのか全力で走ったけど、一旦ペースを落として力を貯め、2番目の登りと最後の登りの頂上で最後のアタックを仕掛けました。正直今の状況が信じられないくらいだよ」と、フィニッシュ直後のインタビューで話したマルタン。フランス期待の星が早速大きな勝利を手にしている。

ファンデルプールはこの日6位でフィニッシュ。レース後半には世界王者のアラン・ハザリー(南アフリカ、ジャイアントファクトリーレーシング)を捉えるなど、出場を予定する世界選手権に向けてまずまずの滑り出し。「久々のXCOは身体に堪えた。でも走れたこと自体がポジティブだ」とレースを振り返っている。また、現役引退を表明したニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)は16位。「まだまだトップコンディションには戻っていない。最後までハングリーさを保っていきたい」と話している。
スイスやドイツでのレースを終え、このW杯に挑んだ北林力(マッシ・デベロップメントチーム)は完走ならず85位だった。
UCI MTBワールドカップ2025 レジェ大会 XCO女子エリート結果
1位 | ジェニー・リスヴェッズ(キャニオン・CLLCTV XCO) | 1:12:01 |
2位 | アレッサンドラ・ケラー(スイス、トムス・マクソン) | 1:12:12 |
3位 | サマラ・マクスウェル(ニュージーランド、デカトロン・フォードレーシングチーム) | 1:12:33 |
4位 | レベッカ・ヘンダーソン(オーストラリア、オルベア・フォックスファクトリーチーム) | 1:12:39 |
5位 | マルティナ・ベルタ(イタリア、オリジン・レーシングディヴィジョン) | 1:12:52 |
UCI MTBワールドカップ2025 レジェ大会 XCO男子エリート結果
1位 | ルカ・マルタン(フランス、キャノンデールファクトリーレーシング) | 1:22:03 |
2位 | ルカ・ブライド(イタリア、ウィリエール・ヴィットリアファクトリーチーム) | 1:22:15 |
3位 | マティアス・フルッキガー(スイス、トムス・マクソン) | 1:22:22 |
4位 | アラン・ハザリー(南アフリカ、ジャイアントファクトリーレーシング) | 1:22:35 |
5位 | シモーネ・アヴォンデット(イタリア、ウィリエール・ヴィットリアファクトリーチーム) | 1:22:48 |
text:So Isobe
photo:UCI
photo:UCI
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