1級山岳「ピアネッツェ」でサラ・ジガンテ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル)が独走勝利。マーレン・ロイサー(スイス、モビスター)はマリアローザを奪回するも、最大のライバルを振り落とすには至らなかった。

マリアローザのアンナ・ヘンダーソン(イギリス、リドル・トレック)たち photo:RCS Sport
女子ロード界の最高峰ステージレースであるジロ・デ・イタリア・ウィメンも折り返しの第4ステージ。この日はプロセッコの産地として世界遺産に登録されているイタリア北部の街・コネリアーノとヴァルドッビアーデネにまたがる山岳コースを駆け抜けた。
人口約1,200人のカステッロ・テジーノを出発し、リアルスタートが切られると前日勝者のロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)を含む4名逃げが先行。90km地点にあるスプリントポイントを狙ったウィーベスは争うことなく先頭通過(3pts)に成功している。

ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)が中間ポイントのために逃げる photo:RCS Sport

最大19%の激坂「ムーロ・ディ・カ・デル・ポッジオ」を登るメイン集団 photo:UCI
ウィーベスはたびたびジロ・デ・イタリアに登場する激坂「ムーロ・ディ・カ・デル・ポッジオ(距離1km/平均12.3%/最大19%)」も先頭通過して好調ぶりを見せつける。幾重にも連なるプロセッコ用の葡萄畑を横目に飛ばし、メイン集団に追いつかれたタイミングでフィニッシュまで登る1級山岳「ピアネッツェ」が始まった。
森の中を駆け上がる1級山岳「ピアネッツェ」は距離11kmで7.4%勾配がコンスタントに続くヒルクライム。序盤からマーレン・ロイサー(スイス、モビスター)のためにチームメイトがハイペースを刻み、マリアローザのアンナ・ヘンダーソン(イギリス、リドル・トレック)はたまらず脱落。中盤は総合4位のアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)自らペースメイクを行なったものの、ロイサーのアタックに対してペースを合わせることはできなかった。

「ピアネッツェ」で自ら牽引するアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)。この後遅れ、総合成績を落としてしまう photo:UCI

「ピアネッツェ」の登りで攻撃するマーレン・ロイサー(スイス、モビスター) photo:UCI

残り1.6km地点で独走に持ち込んだサラ・ジガンテ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル) photo:UCI
3kmを残して先頭グループはロイサーと総合3位エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)、総合8位&マリアビアンカのアントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)、そして総合11位サラ・ジガンテ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル)の4名に絞られる。残り1.6kmで勢いよく飛び出したのはロイサーではなくジガンテだった。
「強いライバル勢が遅れていたのを見て自分の調子が良いと分かった」と振り返るジガンテが、必死に食い下がるロイサーたちを引き離して独走。15秒、20秒とタイム差を積み重ねる24歳のクライマーがそのままフィニッシュラインに飛び込んだ。

独走でフィニッシュするサラ・ジガンテ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル) photo:UCI

マリアアッズーラ(山岳賞)を着用したサラ・ジガンテ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル) photo:UCI
「後ろを振り返ってはいけないと分かっていたけれど、あまりにも調子が良くて現実とは思えなかったので振り返り続けてしまった」と笑うジガンテにとっては「ヨーロッパで一番大きな勝利」に。腸骨動脈線維症の手術で6ヶ月自転車に乗れず、復帰しようとした矢先に肩を脱臼するなど苦しい時期を過ごしていたジガンテが総合11位から3位への躍進に成功している。

マリアローザを取り戻したマーレン・ロイサー(スイス、モビスター) photo:RCS Sport
ジガンテから25秒遅れつつ、ロイサーとロンゴボルギーニはタイム差なしでフィニッシュした。ヘンダーソンが遅れたことでロイサーが3日ぶりにマリアローザを取り戻し、ロンゴボルギーニは16秒差の総合2位とタイム差はつかず(2人はこの日どちらもボーナスタイム6秒を加算)。好調ジガンテが総合優勝争いに名乗りをあげたことで、マリアローザ争いは三つ巴の戦いとなりそうだ。

女子ロード界の最高峰ステージレースであるジロ・デ・イタリア・ウィメンも折り返しの第4ステージ。この日はプロセッコの産地として世界遺産に登録されているイタリア北部の街・コネリアーノとヴァルドッビアーデネにまたがる山岳コースを駆け抜けた。
人口約1,200人のカステッロ・テジーノを出発し、リアルスタートが切られると前日勝者のロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)を含む4名逃げが先行。90km地点にあるスプリントポイントを狙ったウィーベスは争うことなく先頭通過(3pts)に成功している。


ウィーベスはたびたびジロ・デ・イタリアに登場する激坂「ムーロ・ディ・カ・デル・ポッジオ(距離1km/平均12.3%/最大19%)」も先頭通過して好調ぶりを見せつける。幾重にも連なるプロセッコ用の葡萄畑を横目に飛ばし、メイン集団に追いつかれたタイミングでフィニッシュまで登る1級山岳「ピアネッツェ」が始まった。
森の中を駆け上がる1級山岳「ピアネッツェ」は距離11kmで7.4%勾配がコンスタントに続くヒルクライム。序盤からマーレン・ロイサー(スイス、モビスター)のためにチームメイトがハイペースを刻み、マリアローザのアンナ・ヘンダーソン(イギリス、リドル・トレック)はたまらず脱落。中盤は総合4位のアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)自らペースメイクを行なったものの、ロイサーのアタックに対してペースを合わせることはできなかった。



3kmを残して先頭グループはロイサーと総合3位エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)、総合8位&マリアビアンカのアントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)、そして総合11位サラ・ジガンテ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル)の4名に絞られる。残り1.6kmで勢いよく飛び出したのはロイサーではなくジガンテだった。
「強いライバル勢が遅れていたのを見て自分の調子が良いと分かった」と振り返るジガンテが、必死に食い下がるロイサーたちを引き離して独走。15秒、20秒とタイム差を積み重ねる24歳のクライマーがそのままフィニッシュラインに飛び込んだ。


「後ろを振り返ってはいけないと分かっていたけれど、あまりにも調子が良くて現実とは思えなかったので振り返り続けてしまった」と笑うジガンテにとっては「ヨーロッパで一番大きな勝利」に。腸骨動脈線維症の手術で6ヶ月自転車に乗れず、復帰しようとした矢先に肩を脱臼するなど苦しい時期を過ごしていたジガンテが総合11位から3位への躍進に成功している。

ジガンテから25秒遅れつつ、ロイサーとロンゴボルギーニはタイム差なしでフィニッシュした。ヘンダーソンが遅れたことでロイサーが3日ぶりにマリアローザを取り戻し、ロンゴボルギーニは16秒差の総合2位とタイム差はつかず(2人はこの日どちらもボーナスタイム6秒を加算)。好調ジガンテが総合優勝争いに名乗りをあげたことで、マリアローザ争いは三つ巴の戦いとなりそうだ。
ジロ・デ・イタリア・ウィメン2025 第4ステージ結果
1位 | サラ・ジガンテ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル) | 3:56:22 |
2位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ) | +0:25 |
3位 | マーレン・ロイサー(スイス、モビスター) | |
4位 | アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) | 0:34 |
5位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | 0:50 |
6位 | バルバラ・マルコッティ(イタリア、ヒューマンパワードヘルス) | 0:56 |
7位 | イザベラ・ホルムグレン(カナダ、リドル・トレック) | +1:01 |
8位 | ローレ・デスペッヘル(ベルギー、AGインシュランス・スーダル) | |
9位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +1:03 |
10位 | ウルシュカ・ジガート(スロベニア、AGインシュランス・スーダル) | +1:12 |
個人総合成績(マリアローザ)
1位 | マーレン・ロイサー(スイス、モビスター) | 9:38:06 |
2位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ) | +0:16 |
3位 | サラ・ジガンテ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル) | +0:34 |
4位 | アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) | +1:03 |
5位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +1:48 |
6位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +1:54 |
7位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +1:57 |
8位 | イザベラ・ホルムグレン(カナダ、リドル・トレック) | +2:03 |
9位 | ローレ・デスペッヘル(ベルギー、AGインシュランス・スーダル) | +2:07 |
10位 | カトリーヌ・アーレルッド(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | +2:08 |
その他の特別賞
ポイント賞 | アンナ・ヘンダーソン(イギリス、リドル・トレック) |
山岳賞 | サラ・ジガンテ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル) |
ヤングライダー賞 | アントニア・ニーダーマイヤー(キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) |
チーム総合成績 | AGインシュランス・スーダル |
text:So Isobe
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