大会6日目にしてようやく集団スプリントに持ち込まれたツール・ド・スイス。ファンポッペルによる完璧なリードアウトから、ヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が2023年ツール以来となるワールドツアー勝利を手に入れた。

ツール出場の可否が注目されるクリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos
多くの国際機関の本部が置かれるスイスで開催中のツール・ド・スイスは6日目を迎えた。この日のコースは前半に2つの2級山岳を越え、標高を徐々に下げながら平坦路を進む186.7km。逃げ切りの可能性もあったレースは、集団スプリントが大方の予想となった。
ドイツとの国境も近いノイウハウゼン・アム・ラインファルにフィニッシュするレースは、スタート後わずか6kmで4名の逃げグループが形成される。その中にはスイスのロード王者であるマウロ・シュミット(ジェイコ・アルウラー)が入り、タイムトライアル王者であるシュテファン・キュング(グルパマFDJ)は前日の登りで遅れ、総合リーダージャージを失ったロマン・グレゴワール(フランス)とともに乗った。それを追うメイン集団は、総合リーダーを擁するピクニック・ポストNLではなく、スプリントに持ち込みたいバーレーン・ヴィクトリアスやアルケア・B&Bホテルズが牽引した。

スイスのTT王者キュングとロード王者シュミットが入った逃げ集団 photo:Tour de Suisse

残り1.2kmで逃げグループは吸収された photo:Tour de Suisse
最初2つの2級山岳はシュミットが先頭通過し、中間スプリントはキュングがトップを取って母国スイスで見せ場を作る。残り44km地点ではキュングのアシストに徹していたグレゴワールが遅れ、先頭はハリー・スウェニー(オーストラリア、EFエデュケーション・イージーポスト)を含む3名に。しかし最大3分あったタイム差はジリジリと縮まっていき、ノイウハウゼン・アム・ラインファルの市街地に入った残り1.2km地点でゼロになった。
この日の有力候補に挙げられたのは、自身2度目となるツール・ド・フランスでステージ勝利を狙うアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット)。しかしスプリントが始まると集団の中に埋もれ、ダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がヨルディ・メーウス(ベルギー)を背後につけて先頭に立つ。そして残り150mからメーウスがスプリントを開始し、圧巻のスピードで勝利した。

2度目のワールドツアー勝利を叶えたヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:Tour de Suisse

スプリント勝利したヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
迫るダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ)やルイス・アスキー(イギリス、グルパマFDJ)を横にすら並ばせず、ファンポッペルのリードアウトを勝利へと繋げたメーウス。「第2ステージが集団スプリントになると思っていたが、そうならず落ち込んでいた。だけど調子自体は良く、日を追うごとに上向いていった。ワールドツアーでは2度目の勝利だから嬉しいよ」とコメント。その言葉通り、これが2023年のツール・ド・フランス最終日以来となる、2年ぶりのワールドツアー勝利となった。
総合上位陣はトップと同タイムでフィニッシュしたため、順位に変動はなし。総合首位ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)と2位のジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング)が29秒、3位のジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が39秒差で、翌日の山頂フィニッシュ、そして最終日の個人TTに臨む。

多くの国際機関の本部が置かれるスイスで開催中のツール・ド・スイスは6日目を迎えた。この日のコースは前半に2つの2級山岳を越え、標高を徐々に下げながら平坦路を進む186.7km。逃げ切りの可能性もあったレースは、集団スプリントが大方の予想となった。
ドイツとの国境も近いノイウハウゼン・アム・ラインファルにフィニッシュするレースは、スタート後わずか6kmで4名の逃げグループが形成される。その中にはスイスのロード王者であるマウロ・シュミット(ジェイコ・アルウラー)が入り、タイムトライアル王者であるシュテファン・キュング(グルパマFDJ)は前日の登りで遅れ、総合リーダージャージを失ったロマン・グレゴワール(フランス)とともに乗った。それを追うメイン集団は、総合リーダーを擁するピクニック・ポストNLではなく、スプリントに持ち込みたいバーレーン・ヴィクトリアスやアルケア・B&Bホテルズが牽引した。


最初2つの2級山岳はシュミットが先頭通過し、中間スプリントはキュングがトップを取って母国スイスで見せ場を作る。残り44km地点ではキュングのアシストに徹していたグレゴワールが遅れ、先頭はハリー・スウェニー(オーストラリア、EFエデュケーション・イージーポスト)を含む3名に。しかし最大3分あったタイム差はジリジリと縮まっていき、ノイウハウゼン・アム・ラインファルの市街地に入った残り1.2km地点でゼロになった。
この日の有力候補に挙げられたのは、自身2度目となるツール・ド・フランスでステージ勝利を狙うアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット)。しかしスプリントが始まると集団の中に埋もれ、ダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がヨルディ・メーウス(ベルギー)を背後につけて先頭に立つ。そして残り150mからメーウスがスプリントを開始し、圧巻のスピードで勝利した。


迫るダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ)やルイス・アスキー(イギリス、グルパマFDJ)を横にすら並ばせず、ファンポッペルのリードアウトを勝利へと繋げたメーウス。「第2ステージが集団スプリントになると思っていたが、そうならず落ち込んでいた。だけど調子自体は良く、日を追うごとに上向いていった。ワールドツアーでは2度目の勝利だから嬉しいよ」とコメント。その言葉通り、これが2023年のツール・ド・フランス最終日以来となる、2年ぶりのワールドツアー勝利となった。
総合上位陣はトップと同タイムでフィニッシュしたため、順位に変動はなし。総合首位ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)と2位のジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング)が29秒、3位のジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が39秒差で、翌日の山頂フィニッシュ、そして最終日の個人TTに臨む。
ツール・ド・スイス2025第6ステージ結果
1位 | ヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | 4:10:24 |
2位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ) | |
3位 | ルイス・アスキー(イギリス、グルパマFDJ) | |
4位 | マディス・ミケルス(エストニア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
5位 | ニコロ・ブラッティ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
6位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | パヴェル・ビットネル(チェコ、ピクニック・ポストNL) | |
8位 | ポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) | |
9位 | マリウス・マイヤーホーファー(ドイツ、チューダー・プロサイクリング) | |
10位 | ステファノ・オルダーニ(イタリア、コフィディス) |
個人総合成績
1位 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | 20:12:10 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) | +0:29 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | +0:39 |
4位 | オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL) | +1:21 |
5位 | レナード・ケムナ(ドイツ、リドル・トレック) | +1:44 |
6位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +2:16 |
7位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +2:20 |
8位 | パブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター) | +2:40 |
9位 | マシュー・リッチテッロ(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) | +3:08 |
10位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +3:17 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) |
山岳賞 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) |
ヤングライダー賞 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) |
チーム総合成績 | イスラエル・プレミアテック |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Tour de Suisse
photo:CorVos, Tour de Suisse
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