丘陵ステージで争われたツール・ド・スイス3日目は、逃げ切りで決着。クイン・シモンズ(リドル・トレック)が19km独走を決め、星条旗があしらわれたアメリカ王者ジャージで嬉しい勝利を手に入れた。

ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) photo:CorVos

ツール・ド・スイス2025第3ステージ image:Tour de Suisse ツール・ド・フランスの重要な前哨戦の一つであるツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)の第3ステージは、前日と似通った丘陵ステージだ。アーラウを出発する195.6kmコースは、序盤の細かいアップダウンを越えながら標高を上げ、終盤に2級と3級山岳をクリア。ラストはカテゴリはついていないものの、急勾配を駆け上がってフィニッシュする。
逃げ切りも十分考えられるレイアウトのため、スタート直後から激しいアタック合戦が繰り広げられた。その結果6名の逃げグループが形成される。その中にEFエデュケーション・イージーポストはサムエーレ・バティステッラ(イタリア)とマックス・ウォーカー(イギリス)を入れ、リドル・トレックからは5月にアメリカ選手権を制したクイン・シモンズが乗る。それを追う2分半前後とタイトなコントロールを、リーダーチームであるグルパマFDJが披露した。

クイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック)の入った逃げ集団は6名 photo:Tour de Suisse
選手たちは昨年のロード世界選手権の舞台であるチューリッヒを通過し、プロトンの牽引にスイス籍のプロチームであるチューダー・プロサイクリングが加わり、母国へアピールする。そんな中、補給地点で落車が発生し、これに巻き込まれたジェームス・ノックス(イギリス、スーダル・クイックステップ)がリタイアしている。
この日の勝負所と目された2級山岳を前に、逃げでは残り38kmでウォーカーら2名が遅れる。するとシモンズが逃げ集団の先頭でペースを上げ、ステージ優勝への意欲を見せる。その後鋭角な下りを経て、2級山岳でシモンズがアタックし、単独先頭に立った。

メイン集団はチューダー・プロサイクリングなどが牽引した photo:CorVos
フィニッシュまで19km地点で仕掛けたシモンズは、そのまま2級山岳を越え、3級山岳も軽快にクリア。イスラエル・プレミアテックやUAEチームエミレーツXRG、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエなどが互いに様子を伺うように牽引するプロトンは、約30秒まで差を縮めたものの、やがて牽制状態に入った。その膠着状態を突き、ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックした。
同じアメリカ出身のパウレスだったが、残り2km地点でプロトンに引き戻される。一方、逃げ続けるシモンズをメイン集団が捉えることはできず、星条旗があしらわれたアメリカ王者ジャージを纏ったシモンズが、天に指を突き上げながらフィニッシュラインを通過した。

19km独走を決め、逃げ切り勝利したクイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック) photo:CorVos

アメリカ王者ジャージで勝利したクイン・シモンズ(リドル・トレック) photo:Tour de Suisse
「以前、このジャージを着て走っていた時(2023年)は勝つことができなかった。だから今回、勝利へのモチベーションがとても高かった。この勝利は(2年前に亡くなった)ジーノ(メーダー)に捧げたい」とシモンズは語った。
18秒遅れでやってきたプロトンによる2位争いのスプリントは、ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が先着。ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)は区間4位に入り、総合首位キープに成功している。


逃げ切りも十分考えられるレイアウトのため、スタート直後から激しいアタック合戦が繰り広げられた。その結果6名の逃げグループが形成される。その中にEFエデュケーション・イージーポストはサムエーレ・バティステッラ(イタリア)とマックス・ウォーカー(イギリス)を入れ、リドル・トレックからは5月にアメリカ選手権を制したクイン・シモンズが乗る。それを追う2分半前後とタイトなコントロールを、リーダーチームであるグルパマFDJが披露した。

選手たちは昨年のロード世界選手権の舞台であるチューリッヒを通過し、プロトンの牽引にスイス籍のプロチームであるチューダー・プロサイクリングが加わり、母国へアピールする。そんな中、補給地点で落車が発生し、これに巻き込まれたジェームス・ノックス(イギリス、スーダル・クイックステップ)がリタイアしている。
この日の勝負所と目された2級山岳を前に、逃げでは残り38kmでウォーカーら2名が遅れる。するとシモンズが逃げ集団の先頭でペースを上げ、ステージ優勝への意欲を見せる。その後鋭角な下りを経て、2級山岳でシモンズがアタックし、単独先頭に立った。

フィニッシュまで19km地点で仕掛けたシモンズは、そのまま2級山岳を越え、3級山岳も軽快にクリア。イスラエル・プレミアテックやUAEチームエミレーツXRG、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエなどが互いに様子を伺うように牽引するプロトンは、約30秒まで差を縮めたものの、やがて牽制状態に入った。その膠着状態を突き、ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックした。
同じアメリカ出身のパウレスだったが、残り2km地点でプロトンに引き戻される。一方、逃げ続けるシモンズをメイン集団が捉えることはできず、星条旗があしらわれたアメリカ王者ジャージを纏ったシモンズが、天に指を突き上げながらフィニッシュラインを通過した。


「以前、このジャージを着て走っていた時(2023年)は勝つことができなかった。だから今回、勝利へのモチベーションがとても高かった。この勝利は(2年前に亡くなった)ジーノ(メーダー)に捧げたい」とシモンズは語った。
18秒遅れでやってきたプロトンによる2位争いのスプリントは、ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が先着。ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)は区間4位に入り、総合首位キープに成功している。
ツール・ド・スイス2025第3ステージ結果
1位 | クイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック) | 4:39:42 |
2位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | +0:18 |
3位 | オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL) | |
4位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | |
5位 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | |
6位 | ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG) | |
7位 | ファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング) | |
8位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール) | |
10位 | クレモン・シャンプッサン(フランス、XDSアスタナ) |
個人総合成績
1位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | 11:26:01 |
2位 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | +0:25 |
3位 | バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:27 |
4位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) | |
5位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +1:18 |
6位 | フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、UAEチームエミレーツXRG) | |
7位 | レナード・ケムナ(ドイツ、リドル・トレック) | |
8位 | パブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター) | |
9位 | ウィリアム・バルタ(アメリカ、モビスター) | +1:37 |
10位 | ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、XDSアスタナ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) |
山岳賞 | フェリックス・エンゲルハート(ドイツ、ジェイコ・アルウラー) |
ヤングライダー賞 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) |
チーム総合成績 | モビスター |
text:Sotaro.Arakawa
photo:Tour de Suisse
photo:Tour de Suisse
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