登りスプリントで争われたツール・ド・スイス2日目で、ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)が勝利。3年契約で移籍したチームでワールドツアー初勝利を飾った。

スイス2日目に臨んだフルームとウッズ photo:Tour de Suisse

ツール・ド・スイス2025第2ステージ photo:Tour de Suisse 2年前の2023年大会で命を落としたジーノ・メーダー(スイス)の命日である6月16日、晴天に恵まれたツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)は2日目を迎えた。アーラウから南のシュヴァルツゼーを目指す177kmは、終盤に3つの山岳が設定された丘陵ステージ。いずれも難易度は低く、ラストは登り基調だが登れるスプリンターなら対応は可能と予想された。
この日逃げたのは、開催国スイスのロード王者であるマウロ・シュミット(ジェイコ・アルウラー)とシルヴァン・ディリエ(スイス、アルペシン・ドゥクーニンク)、ヨナス・ルッチ(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ)の3名。この強力な逃げグループに対し、メイン集団はレッドブル・ボーラ・ハンスグローエやピクニック・ポストNLがペースを作る。デカトロンAG2Rラモンディアールなども牽引に加わったため、プロトンは1分半前後とタイトなペースコントロールを見せた。

シルヴァン・ディリエ(スイス、アルペシン・ドゥクーニンク)ら3名がエスケープ photo:Tour de Suisse

プロトンはスプリントに持ち込みたいEFエデュケーション・イージーポストなどが先導した photo:Tour de Suisse
しかし最初の2級山岳に差し掛かるとディリエが遅れ、シュミットが争うことなく先頭で頂上を通過。シュミットは続く3級山岳も共にトップで駆け抜け、最終3級山岳でルッチを引き離す。一方のプロトンは、前日に逃げて山岳賞ジャージを着るフェリックス・エンゲルハート(ドイツ、ジェイコ・アルウラー)が高速で牽引したため、3級山岳の頂上でシュミットとの差は8秒まで縮まった。
残り16km地点でシュミットは吸収され、100名を超える大所帯のプロトンからヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG)がアタックした。8月開幕のブエルタ・ア・エスパーニャでグランツールデビューの決まっている20歳は先頭に立ったものの、加速したクイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック)に捉えられる。5月にアメリカ選手権を制し、星条旗模様のチャンピオンジャージを纏うシモンズはそのまま踏み続け、最終ストレートに突入した。
その背後についていたヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)が残り100mからスプリント。爆発力のある瞬間的な加速でシモンズを抜き、迫るファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング)やルイス・アスキー(イギリス、グルパマFDJ)は届かず、アルバネーゼが勝利を喜ぶ左腕を上げた。

スプリント勝利したヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:Tour de Suisse

ワールドツアー初勝利を飾ったヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:Tour de Suisse
今年3年契約でアルケア・B&Bホテルズから加入したアルバネーゼは28歳。「ワールドツアー初勝利をスイスの素晴らしいレースで手に入れることができて本当に嬉しい。スタートから調子が良く、本来はマディス(ミケルス)のリードアウトを務める予定だった。しかしシモンズや他の選手たちがアタックし、僕はそれに反応した。そしてフィニッシュラインめがけて踏み込んだ」とアルバネーゼは勝利を振り返った。
プロトンがタイム差なくフィニッシュしたので、総合首位はロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)がキープに成功している。


この日逃げたのは、開催国スイスのロード王者であるマウロ・シュミット(ジェイコ・アルウラー)とシルヴァン・ディリエ(スイス、アルペシン・ドゥクーニンク)、ヨナス・ルッチ(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ)の3名。この強力な逃げグループに対し、メイン集団はレッドブル・ボーラ・ハンスグローエやピクニック・ポストNLがペースを作る。デカトロンAG2Rラモンディアールなども牽引に加わったため、プロトンは1分半前後とタイトなペースコントロールを見せた。


しかし最初の2級山岳に差し掛かるとディリエが遅れ、シュミットが争うことなく先頭で頂上を通過。シュミットは続く3級山岳も共にトップで駆け抜け、最終3級山岳でルッチを引き離す。一方のプロトンは、前日に逃げて山岳賞ジャージを着るフェリックス・エンゲルハート(ドイツ、ジェイコ・アルウラー)が高速で牽引したため、3級山岳の頂上でシュミットとの差は8秒まで縮まった。
残り16km地点でシュミットは吸収され、100名を超える大所帯のプロトンからヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG)がアタックした。8月開幕のブエルタ・ア・エスパーニャでグランツールデビューの決まっている20歳は先頭に立ったものの、加速したクイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック)に捉えられる。5月にアメリカ選手権を制し、星条旗模様のチャンピオンジャージを纏うシモンズはそのまま踏み続け、最終ストレートに突入した。
その背後についていたヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)が残り100mからスプリント。爆発力のある瞬間的な加速でシモンズを抜き、迫るファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング)やルイス・アスキー(イギリス、グルパマFDJ)は届かず、アルバネーゼが勝利を喜ぶ左腕を上げた。


今年3年契約でアルケア・B&Bホテルズから加入したアルバネーゼは28歳。「ワールドツアー初勝利をスイスの素晴らしいレースで手に入れることができて本当に嬉しい。スタートから調子が良く、本来はマディス(ミケルス)のリードアウトを務める予定だった。しかしシモンズや他の選手たちがアタックし、僕はそれに反応した。そしてフィニッシュラインめがけて踏み込んだ」とアルバネーゼは勝利を振り返った。
プロトンがタイム差なくフィニッシュしたので、総合首位はロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)がキープに成功している。
ツール・ド・スイス2025第2ステージ結果
1位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | 3:55:57 |
2位 | ファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング) | |
3位 | ルイス・アスキー(イギリス、グルパマFDJ) | |
4位 | クイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック) | |
5位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | ポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) | |
7位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | ニコロ・ブラッティ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | ガル・グリヴァル(スロベニア、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
10位 | ファビオ・ファンデンボッセ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) |
個人総合成績
1位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | 6:46:01 |
2位 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | +0:25 |
3位 | バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:27 |
4位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) | |
5位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +1:18 |
6位 | フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、UAEチームエミレーツXRG) | |
7位 | レナード・ケムナ(ドイツ、リドル・トレック) | |
8位 | パブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター) | |
9位 | ライナー・ケップリンガー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | ベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +1:33 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) |
山岳賞 | フェリックス・エンゲルハート(ドイツ、ジェイコ・アルウラー) |
ヤングライダー賞 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) |
チーム総合成績 | ヴィスマ・リースアバイク |
text:Sotaro.Arakawa
photo:Tour de Suisse
photo:Tour de Suisse
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