ツアー・オブ・スロベニア最終日は、アーリースプリントを決めたイヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が勝利。アンデシュ・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が自身初となる総合優勝を手に入れた。



総合首位で最終日を迎えたアンデシュ・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:Tour of Slovenia

ツール・ド・フランスに向けた調整レースの1つとしても知られるツアー・オブ・スロベニア(UCI2.Pro)。中央ヨーロッパに位置するスロベニアを舞台にした戦いは、6月8日に最終第5ステージを迎えた。124.1kmと比較的短いコースには5つのカテゴリー山岳が設定され、いずれも急勾配であるためスプリンターの出番はないと予想された。

レースはリドル・トレックが逃げにサム・オーメン(オランダ)とフアン・ロペス(スペイン)を送り、エキポ・ケルンファルマも2名、それにマートン・ディナ(ハンガリー、エウスカルテル・エウスカディ)を含む5名が逃げ集団を形成。それをライナー・ケップリンガー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)らがメイン集団を飛び出し、先頭へ合流を目指したものの失敗に終わる。プロトンはウノエックス・モビリティが牽引し、終盤に入るとUAEチームエミレーツXRGやバーレーン・ヴィクトリアスも加勢した。

124.1kmコースで行われたツアー・オブ・スロベニア第5ステージ photo:Tour of Slovenia

残り10km地点で逃げ集団からロペスがアタックし、逃げ切り勝利を目指す。プロトンは逃げから遅れた選手を次々と吸収していき、一時は総合首位にアンデシュ・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)やテイオ・ゲイガンハート(イギリス、リドル・トレック)を含む6名の追走集団が形成される。しかしウノエックスがコントロールするメイン集団はこれを引き戻し、残り1.1km地点でロペスも捉えた。

この激しい展開に25名程度に絞られた集団は、最終ストレートに突入。するとイヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が飛び出し、そのままフィニッシュラインを通過した。

先に踏み込んだイヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) photo:Tour of Slovenia

勝利したイヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) photo:Tour of Slovenia

抜群のタイミングで飛び出し、大会を勝利で締めくくったオリヴェイラ。「ステージを通してレースは混沌としており、ウノエックスが逃げとの距離をコントロールしてくれた。終盤の登りで先頭集団から遅れたものの、下りで追いつき、スプリントした。この勝利はもちろん、フェリックス(グロスシャートナー)の総合2位という結果も素晴らしい」と、今季3勝目と好調をキープするオリヴェイラは語る。

そして総合優勝は、リーダージャージを守ったアンデシュ・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が輝く。ヨハンネセンにとってこの総合優勝が、記念すべきプロ初勝利となった。

総合優勝したアンデシュ・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:Tour of Slovenia
ツアー・オブ・スロベニア2025第5ステージ結果
1位 イヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) 2:56:16
2位 アンドレア・バジオーリ(イタリア、リドル・トレック)
3位 フェルナンド・バルセロ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)
4位 ファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング)
5位 ルドヴィコ・クレショーリ(イタリア、ポルティ・ビジットマルタ)
個人総合成績
1位 アンデシュ・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) 19:06:07
2位 フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、UAEチームエミレーツXRG) +0:14
3位 テイオ・ゲイガンハート(イギリス、リドル・トレック) +0:19
4位 ヤコブ・オムルジェル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:35
5位 ファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング) +0:50
その他の特別賞
ポイント賞 ファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング)
山岳賞 ファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング)
ヤングライダー賞 ヤコブ・オムルジェル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)
チーム総合成績 VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ
text:Sotaro.Arakawa
photo:Tour of Slovenia

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