6月8日に開催されたJプロツアー第7戦「石川ロードレース」は完走率3割を切るサバイバルレースとなり、残り1周を独走で逃げ切った金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が今シーズン1勝目を挙げた。



114名が出走したJプロツアー石川ロードレース photo:Satoru Kato

2023年以来2年ぶりの開催となった福島県石川町での「石川ロードレース」。従来は7月中旬に開催されてきたが、今年は6月上旬の開催となった。

「ジェットコースター」と表現される登りと下りしか無い国内有数のハードコースを誇る石川ロードレースは、梅雨明け前後の真夏の暑さと相まってサバイバルレースになることで知られている。しかし今回は梅雨入り前。気温は28℃以上になると予想されていたが、幸いにも雲多めで日陰に入れば涼しさを感じるほど。開催時季の変更がレース展開に影響するのか注目された。

また、全日本選手権前の最後の公式戦でもあり、大一番を2週間後に控えて各選手の仕上がり具合も気になるところだ。

レース序盤から先行した5名 photo:Satoru Kato

1周13.6kmのコースを10周するレースは、序盤から動いた。石原悠希(シマノレーシング)、林原聖真(群馬グリフィンレーシングチーム)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、永井健太(ヴィクトワール広島)、谷順成(宇都宮ブリッツェン)ら5名が先頭集団を形成。主要チームがメンバーを送り込んだことからメイン集団との差は1分40秒前後まで開く。

6周目に入るとメイン集団との差が一気に縮まり、7周目に入った直後に先頭集団の5名を吸収。その後ペースアップした集団は人数を減らしながら進行していく。

終盤、森田叶夢(京都産業大学)と金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が先行 photo:Satoru Kato

終盤、風間翔眞(シマノレーシング)が単独追走 photo:Satoru Kato

先行する金子宗平と森田叶夢が見える距離まで迫った風間翔眞(シマノレーシング)だったが....... photo:Satoru Kato

8周目に入ると金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)と森田叶夢(京都産業大学)の2名が抜け出し、後続集団に30秒差をつけて9周目に入る。風間翔眞(シマノレーシング)が単独追走を試みるも先行する2名にはあと少しのところで合流を逃す。

最終周回、独走する金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) photo:Satoru Kato

残り1周を逃げ切った金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が優勝 photo:Satoru Kato

2位争いのスプリントは阿見寺俊哉(アヴニールサイクリング山梨) photo:Satoru Kato

最終周回に入る直前、森田が遅れると金子は単独で先行を続ける。最後の1周を独走で逃げ切った金子が今季Jプロツアー1勝目。全日本選手権に向けて好調ぶりを見せた。2位争いの集団スプリントは阿見寺俊哉(アヴニールサイクリング山梨)が先頭を取り、3位に岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が入った。

出走114名中、完走は30名。暑さは無くとも完走率3割を切るサバイバルレースとなった。

表彰式 photo:Satoru Kato
金子宗平と逃げた森田叶夢(京都産業大学)に敢闘賞が贈られた photo:Satoru Kato

Jプロツアー第7戦 石川ロードレース 結果(136km)
1位 金子 宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) 3時間19分2秒
2位 阿見寺 俊哉(アヴニールサイクリング山梨) +16秒
3位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +17秒
4位 山田 拓海(シマノレーシング) +18秒
5位 孫崎 大樹(ヴィクトワール広島) +18秒
6位 フランシスコ・マンセボ (マトリックスパワータグ) +19秒
F(女子)阿部花梨(イナーメ信濃山形-F)が今季8勝目 photo:Satoru Kato

E1/E2 大前翔(Roppongi Express)が今季2勝目 photo:Satoru Kato

U19ジュニアチャンピオンシップは新藤 大翔(EQADS)が優勝 photo:Satoru Kato



text&photo:Satoru Kato

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