ツール・ド・フランスを控える選手が多数出場した第31回ツアー・オブ・スロベニア。初日スプリントをディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)が制し、不調を払拭する今季2勝目を飾った。

ステージ優勝者に与えられるトロフィー photo:Tour of Slovenia
6月4日から8日までの5日間、中央ヨーロッパに位置するスロベニアで開催されるのが、今年で31回目を迎えるツアー・オブ・スロベニア(UCI2.Pro)だ。1級山岳ゴルテにフィニッシュする第4ステージを除き、メインとなるのは集団スプリントが予想される平坦&丘陵ステージ。しかし展開次第では逃げ切りやパンチャーにもチャンスのある、予測の難しいレイアウトが魅力の大会だ。
本大会はタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が2年連続(2021、22年)でツール・ド・フランス前哨戦にしていたものの、3年連続の不参加。マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)などスロベニア出身のスター選手たちもいないものの、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)やテイオ・ゲイガンハート(イギリス、リドル・トレック)などツールを控える強豪選手たちが揃った。

ピランを出発した選手たち photo:Team Jayco AlUla
大会初日はスロベニアの一大観光地であるイストリア半島ピランから、内陸部に向かって進んでいく170.6km。カテゴリー山岳は序盤の2級のみで、それ以降はフラットな地形がフィニッシュまで続いていく。午後12時にスタートしたレースは、その2級山岳を前にファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング)が集団を飛び出した。
EFエデュケーション・NIPPOディベロップメントチームを経て、2023年からQ36.5プロサイクリングで走るクリステンは、2級山岳をトップ通過するとそのまま1人逃げを敢行する。それに合流しようと、スロベニアのコンチネンタルチームが選手を送り、メイン集団は共にスプリンターを擁するジェイコ・アルウラーとリドル・トレックが牽引。しかしクリステンはリードを十分に拡げることはできず、残り28km地点で吸収された。
また、プロトンはクリステンと入れ替わるように先頭に出た逃げの2名も捉え、集団スプリントに向けて各チームが位置取り争いをする。主導権を握ったのはフルーネウェーヘンを擁するジェイコで、先頭のまま残り1km地点、そして最終コーナーを通過した。

プロトンを走るディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) photo:Team Jayco AlUla
最終ストレートではUAEが先頭でトレインを組んだものの、エーススプリンターであるフアン・モラノ(コロンビア)は仲間とはぐれてしまう。その隙を突くようにフルーネウェーヘンが残り100mからスプリントを開始。背後につくティムトーン・トイテンベルク(ドイツ、リドル・トレック)に並ぶことすら許さず、またフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)も退けたフルーネウェーヘンが勝利した。

初日スプリントを制したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos

表彰台で勝利を喜ぶディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) photo:Tour of Slovenia
1月のシーズンインから5度の2位に入りながらも、勝利を掴めないでいたフルーネウェーヘン。しかし5月のツール・ド・ハンガリー(UCI2.Pro)で念願の今季初勝利を飾り、その勢いをスロベニアでの結果に繋げた。
「とても嬉しい勝利。ここ数日はコンディションが良くなかったものの、今日はすべてが上手く行った。立てた戦略をチーム一丸となる丁寧に遂行した。ハードワークしたチームにふさわしい勝利だ」と、今季2勝目をマークしたフルーネウェーヘンは語った。

6月4日から8日までの5日間、中央ヨーロッパに位置するスロベニアで開催されるのが、今年で31回目を迎えるツアー・オブ・スロベニア(UCI2.Pro)だ。1級山岳ゴルテにフィニッシュする第4ステージを除き、メインとなるのは集団スプリントが予想される平坦&丘陵ステージ。しかし展開次第では逃げ切りやパンチャーにもチャンスのある、予測の難しいレイアウトが魅力の大会だ。
本大会はタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が2年連続(2021、22年)でツール・ド・フランス前哨戦にしていたものの、3年連続の不参加。マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)などスロベニア出身のスター選手たちもいないものの、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)やテイオ・ゲイガンハート(イギリス、リドル・トレック)などツールを控える強豪選手たちが揃った。

大会初日はスロベニアの一大観光地であるイストリア半島ピランから、内陸部に向かって進んでいく170.6km。カテゴリー山岳は序盤の2級のみで、それ以降はフラットな地形がフィニッシュまで続いていく。午後12時にスタートしたレースは、その2級山岳を前にファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング)が集団を飛び出した。
EFエデュケーション・NIPPOディベロップメントチームを経て、2023年からQ36.5プロサイクリングで走るクリステンは、2級山岳をトップ通過するとそのまま1人逃げを敢行する。それに合流しようと、スロベニアのコンチネンタルチームが選手を送り、メイン集団は共にスプリンターを擁するジェイコ・アルウラーとリドル・トレックが牽引。しかしクリステンはリードを十分に拡げることはできず、残り28km地点で吸収された。
また、プロトンはクリステンと入れ替わるように先頭に出た逃げの2名も捉え、集団スプリントに向けて各チームが位置取り争いをする。主導権を握ったのはフルーネウェーヘンを擁するジェイコで、先頭のまま残り1km地点、そして最終コーナーを通過した。

最終ストレートではUAEが先頭でトレインを組んだものの、エーススプリンターであるフアン・モラノ(コロンビア)は仲間とはぐれてしまう。その隙を突くようにフルーネウェーヘンが残り100mからスプリントを開始。背後につくティムトーン・トイテンベルク(ドイツ、リドル・トレック)に並ぶことすら許さず、またフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)も退けたフルーネウェーヘンが勝利した。


1月のシーズンインから5度の2位に入りながらも、勝利を掴めないでいたフルーネウェーヘン。しかし5月のツール・ド・ハンガリー(UCI2.Pro)で念願の今季初勝利を飾り、その勢いをスロベニアでの結果に繋げた。
「とても嬉しい勝利。ここ数日はコンディションが良くなかったものの、今日はすべてが上手く行った。立てた戦略をチーム一丸となる丁寧に遂行した。ハードワークしたチームにふさわしい勝利だ」と、今季2勝目をマークしたフルーネウェーヘンは語った。
ツアー・オブ・スロベニア2025第1ステージ結果
1位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) | 3:49:21 |
2位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
3位 | マヌエル・ペニャルベル(スペイン、ポルティ・ビジットマルタ) | |
4位 | ティムトーン・トイテンベルク(ドイツ、リドル・トレック) | |
5位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG) |
個人総合成績
1位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) | 3:49:11 |
2位 | ファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング) | +0:01 |
3位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:04 |
4位 | マヌエル・ペニャルベル(スペイン、ポルティ・ビジットマルタ) | +0:06 |
5位 | マティツ・ジュメル(スロベニア、アドリア・モビル) | +0:07 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) |
山岳賞 | ファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング) |
ヤングライダー賞 | アントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツXRG |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Tour of Slovenia, Team Jayco AlUla
photo:CorVos, Tour of Slovenia, Team Jayco AlUla
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