「ログリッチの棄権という失意から切り替え、最も感動的な勝利を掴んだ」とは、ニコ・デンツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)。2位のマエストリやアユソを失ったデルトロなど、ジロ18日目を終えた選手たちのコメントを紹介します。
ステージ優勝 ニコ・デンツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

独走から自身3度目となる、ジロ区間優勝を飾ったニコ・デンツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
選手キャリアを通して、これが最も感動的な勝利だろう。僕たちは今大会、序盤にジャイ(ヒンドレー)を失った。そしてプリモシュ(ログリッチ)で総合優勝するべく力を尽くし、それは選手だけではなくスタッフ総出で狙いに行った。2ヶ月間もの高地トレーニングを行い、家を3ヶ月もの間離れなければならなかった。その期間は当然、妻や子どもたちに会えなかった。
しかし僕らはプリモシュを失い、同時に(総合優勝の)夢も失った。ここまで積み重ねてきた努力が無駄に終わった気持ちになった。でも僕らは気持ちを切り替え、奮起した。また(総合7位につける)ジュリオ(ペリツァーリ)も素晴らしい走りを見せている。そして(ドイツでの)父の日という今日、父親として掴んだこの勝利は特別だ。

スタッフと共に勝利を喜ぶニコ・デンツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:RCS Sport
プリモシュがリタイアし、翌日のモルティローロ峠(第17ステージ)からフィネストレ峠(第20ステージ)までの間で、今日しか勝てるチャンスのあるステージはなかった。だから作戦を立て、勝利を狙う自由を与えられたので逃げに乗った。その後は自分の本能に従い、終盤に形成された先頭集団では協力し合うことができなかったので、仕掛けてみようと思った。
僅かなリードを得たのでそのまま進み、一か八か勝利を狙った。
ステージ2位 ミルコ・マエストリ(イタリア、ポルティ・ビジットマルタ)

追走集団のスプリントを制したミルコ・マエストリ(イタリア、ポルティ・ビジットマルタ) photo:CorVos
今大会の開幕前からこのステージを狙っていた。勝利に迫ったものの、このような終盤のレイアウトはデンツに向いていることも分かっていた。僕は強い選手が繰り出す全てのアタックをマークすることはできない。2位でレースを終えたが、この結果も素晴らしい。でも勝利まであと一歩だったので悔しいよ。この大舞台での勝利をスポンサーとチームにもたらしたかった。
ステージ10位 ローレンス・ワーバス(アメリカ、チューダー・プロサイクリング)
長い時間を低い体勢で走り抜ける、楽しい1日となった。レースの先頭集団に戻って来ることができて嬉しい。最後は勝利までもう少しのところまで迫ったものの、トップ10に入ることができて満足している。次のチャンスを楽しみにしているよ。
マリアチクラミーノ(ポイント賞)マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)

約40名の逃げに乗ったマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo:RCS Sport
(逃げか集団スプリントかは)僕らがコントロールできるものではない。僕ら自身も逃げを目指すアタックに加わらなくてはならず、最終的に良い逃げグループに入ることができた。僕自身としては中間スプリントのポイントを狙い、その後はアタック次第となった。その時点で集団スプリントに持ち込むことは難しいと分かっていた。最終的にダーン(ホーレ)が先頭集団に入ったが、上手くはいかなかった。
マリアローザ イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)

マリアローザで翌日からの山岳2連戦に臨むイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) photo:RCS Sport
少しずつだけど、このマリアローザに慣れてきた。大人数の逃げ集団が形成されたので、チームとしてプロトンのペースを上げる必要はなかった。(翌日からの山岳2連戦では)最高の状態の脚で、集団先頭にいられることを願っている。
ジェイ(ヴァイン)に続き、フアン(アユソ)までリタイアしたのは、もちろん理想的な状況ではない。でもチームでこの状況を乗り越えたいし、ベストを尽くすのみだ。
リタイアしたフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG)
出走前のインタビューで蜂に刺されて腫れた右目を見せながら
昨日のステージ中に蜂がヘルメットの中に入り込み、今朝見たらこのように腫れていた。片目が見えない状態になってしまった。でもスタートは切りたく、危険な中でもレースに加わりたいと思った。スタートするのはチームに総合優勝を掴みそうな仲間がいるから。身体に力は残っていないが、今日は彼の力になりたい。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
ステージ優勝 ニコ・デンツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

選手キャリアを通して、これが最も感動的な勝利だろう。僕たちは今大会、序盤にジャイ(ヒンドレー)を失った。そしてプリモシュ(ログリッチ)で総合優勝するべく力を尽くし、それは選手だけではなくスタッフ総出で狙いに行った。2ヶ月間もの高地トレーニングを行い、家を3ヶ月もの間離れなければならなかった。その期間は当然、妻や子どもたちに会えなかった。
しかし僕らはプリモシュを失い、同時に(総合優勝の)夢も失った。ここまで積み重ねてきた努力が無駄に終わった気持ちになった。でも僕らは気持ちを切り替え、奮起した。また(総合7位につける)ジュリオ(ペリツァーリ)も素晴らしい走りを見せている。そして(ドイツでの)父の日という今日、父親として掴んだこの勝利は特別だ。

プリモシュがリタイアし、翌日のモルティローロ峠(第17ステージ)からフィネストレ峠(第20ステージ)までの間で、今日しか勝てるチャンスのあるステージはなかった。だから作戦を立て、勝利を狙う自由を与えられたので逃げに乗った。その後は自分の本能に従い、終盤に形成された先頭集団では協力し合うことができなかったので、仕掛けてみようと思った。
僅かなリードを得たのでそのまま進み、一か八か勝利を狙った。
ステージ2位 ミルコ・マエストリ(イタリア、ポルティ・ビジットマルタ)

今大会の開幕前からこのステージを狙っていた。勝利に迫ったものの、このような終盤のレイアウトはデンツに向いていることも分かっていた。僕は強い選手が繰り出す全てのアタックをマークすることはできない。2位でレースを終えたが、この結果も素晴らしい。でも勝利まであと一歩だったので悔しいよ。この大舞台での勝利をスポンサーとチームにもたらしたかった。
ステージ10位 ローレンス・ワーバス(アメリカ、チューダー・プロサイクリング)
長い時間を低い体勢で走り抜ける、楽しい1日となった。レースの先頭集団に戻って来ることができて嬉しい。最後は勝利までもう少しのところまで迫ったものの、トップ10に入ることができて満足している。次のチャンスを楽しみにしているよ。
マリアチクラミーノ(ポイント賞)マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)

(逃げか集団スプリントかは)僕らがコントロールできるものではない。僕ら自身も逃げを目指すアタックに加わらなくてはならず、最終的に良い逃げグループに入ることができた。僕自身としては中間スプリントのポイントを狙い、その後はアタック次第となった。その時点で集団スプリントに持ち込むことは難しいと分かっていた。最終的にダーン(ホーレ)が先頭集団に入ったが、上手くはいかなかった。
マリアローザ イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)

少しずつだけど、このマリアローザに慣れてきた。大人数の逃げ集団が形成されたので、チームとしてプロトンのペースを上げる必要はなかった。(翌日からの山岳2連戦では)最高の状態の脚で、集団先頭にいられることを願っている。
ジェイ(ヴァイン)に続き、フアン(アユソ)までリタイアしたのは、もちろん理想的な状況ではない。でもチームでこの状況を乗り越えたいし、ベストを尽くすのみだ。
リタイアしたフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG)
出走前のインタビューで蜂に刺されて腫れた右目を見せながら
昨日のステージ中に蜂がヘルメットの中に入り込み、今朝見たらこのように腫れていた。片目が見えない状態になってしまった。でもスタートは切りたく、危険な中でもレースに加わりたいと思った。スタートするのはチームに総合優勝を掴みそうな仲間がいるから。身体に力は残っていないが、今日は彼の力になりたい。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
Amazon.co.jp