4月26日と27日の2日間にわたり、群馬サイクルスポーツセンターで「JBCF東日本ロードクラシック」が開催された。27日に行われたJプロツアー第4戦のレースは、レース終盤に抜け出した3名での勝負となり、エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島)が僅差のスプリントを制して2連勝。プロリーダージャージを獲得した。



プロリーダージャージを着てスタートラインにつく渡辺一気(京都産業大学) photo:Satoru Kato
Jプロツアーでは珍しい午前9時台のスタート photo:Satoru Kato


前週の「西日本ロードクラシック」に続き、Jプロツアーの中でもステータスの高い大会「東日本ロードクラシック」は、群馬サイクルスポーツセンター6kmサーキットを舞台に25周150kmで行われた。

初日は冷たい北風が吹き続けて冬のような寒さだったが、Jプロツアーが行われた2日目は風は弱まって暑さを感じるほどの陽気。ホームストレートに沿って咲く満開の山桜が、遅い春を感じさせる中でのレースとなった。

満開の山桜の下を集団がくぐりぬける photo:Satoru Kato
スタート直後からアタックと吸収を繰り返しながらハイペースな時間が続く photo:Satoru Kato

スタート直後からアタックと吸収を繰り返しながら集団はハイペースで進行。前日のE1カテゴリーでは最速でも8分30秒台のラップタイムだったところ、8分20秒前後の周回が続く。レース中盤に入っても1周以上続く逃げは容認されない一方、出走132名中およそ半数が後半の周回に入ることなくレースを終えた。

集団前方はヴィクトワール広島と宇都宮ブリッツェンの動きが目立つ photo:Satoru Kato

プロリーダージャージの渡辺一気(京都産業大学)はハイペースの集団内にとどまり続ける photo:Satoru Kato

レース中盤、レオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島)と阿部嵩之(ヴェロリアン松山)が先行 photo:Satoru Kato

15周目、ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン)、レオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島)、山本元喜(キナンレーシングチーム)の逃げ photo:Satoru Kato

13周目、レオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島)と阿部嵩之(ヴェロリアン松山)が先行。14周目には吸収されるも、この動きをきっかけにレースの流れが変化していく。直後には再びキンテロとルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン)、山本元喜(キナンレーシングチーム)の3名が先行するが、15周目に吸収される。

レース後半に入るまでに半数以下まで絞られた集団 photo:Satoru Kato

レース終盤に形成された12名の先頭集団 photo:Satoru Kato

16周目、12名の集団が先行。この中には、金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島)、ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン)、山本元喜(キナンレーシングチーム)らが含まれた強力な先頭集団となる。主要チームがメンバーを送り込んだこともあり、後続集団との差は一気に2分以上まで広がる。

残り4周、山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)が単独で先頭集団を追走 photo:Satoru Kato

レース終盤、寺田吉騎(バーレーンヴィクトリアス・デベロップメントチーム)が集団を引き延ばすペースアップを見せる photo:Satoru Kato

残り5周となる21周目、山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)が先行した12名を追って単独追走。後続集団も寺田吉騎(バーレーンヴィクトリアス・デベロップメントチーム)が牽引してペースアップを試みる。しかし勝負を振り出しに戻すには差が開きすぎ、いずれも先頭集団を捕まえるまでにはならない。

残り3周、先頭集団からシュルツ、アコスタ、山本元喜の3名が先行。岡が追走するも届かず、勝負は3名に絞られた。

残り3周、先頭集団から抜け出した3名 photo:Satoru Kato

岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が先行する3名を追うも合流できず photo:Satoru Kato

最終周回、最後の登りでエリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島)がアタック photo:Satoru Kato

最終周回に入ると、最後の登り頂上に向かってシュルツがアタック。アコスタが追従し、山本が遅れる。山本はその後の下りで追走し、残り1kmを切ったところで先行した2人に再合流。その勢いでアタックするも決まらず、シュルツとアコスタのスプリント勝負へ。

エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島)とルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン)がハンドルを投げ合う photo:Satoru Kato

あまりの僅差にガッツポーズは出ず photo:Satoru Kato

フィニッシュライン上、2人がほぼ同時にハンドルを投げ合い、シュルツもアコスタも勝利を確信できないまま走り抜けた。判定の結果、ごく僅差でシュルツの先着が確定。西日本ロードクラシックに続きJプロツアー2連勝を決めた。この結果、シュルツはランキング首位となってプロリーダージャージを獲得した。

表彰式 photo:Satoru Kato

エリオット・シュルツ コメント

2連勝出来てとても嬉しい。ここまでチームはよく機能してくれているし、結果を出せて良かったと思う。今日のレースはとてもハードだった。コースも厳しかったし、最後まで気が抜けなかった。リーダージャージを獲得出来たことはとてもクールだと思うし、チームにとっても良い結果になった。次はツール・ド・熊野、ツアー・オブ・ジャパンとステージレースが続くので、そこで結果を出していきたい。

プロリーダージャージのエリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島、右)と、ネクストリーダージャージの渡辺一気(京都産業大学) photo:Satoru Kato
山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)が敢闘賞を獲得 photo:Satoru Kato


Jプロツアー第4戦東日本ロードクラシック 結果(150km)
1位 エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島) 3時間35分15秒
2位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3位 山本 元喜(KINAN Racing Team) +3秒
4位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +32秒
5位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +33秒
6位 谷 順成(宇都宮ブリッツェン) +36秒

その他カテゴリー

・Day1(4月26日)
F(女子)優勝 阿部 花梨(イナーメ信濃山形-F) photo:Satoru Kato

E1優勝 大前 翔(Roppongi Express) photo:Satoru Kato

M(マスターズ)優勝 遠藤 優(Roppongi Express) photo:Satoru Kato

E2 表彰式 photo:Satoru Kato
E3 表彰式 photo:Satoru Kato



・Day2(4月27日)

Y1優勝 鷹取 礼(山梨県立笛吹高等学校) photo:Satoru Kato

Y2優勝 渡邊 稜己(LEVANTE HOPE) photo:Satoru Kato



text&photo:Satoru Kato

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