本日4月27日、クラシックシーズンの最終戦であるリエージュ〜バストーニュ〜リエージュが開催される。直接対決に注目集まるポガチャルとエヴェネプールや、直近3年連続で勝負が決まっている「コート・ド・ラ・ルドゥット」などコースと共にプレビューする。

今年もレース中盤に設定されたコート・ド・サンロシュ photo:CorVos
「La Doyenne(ラ・ドワイエンヌ=最古参)」の愛称の通り、初開催が1892年まで遡るリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ。ベルギー南部のワロン地域を舞台とする本大会は「モニュメント(5大クラシック)」の一つに数えられ、アムステルゴールドレースとラ・フレーシュ・ワロンヌを含む「アルデンヌクラシック3連戦」のラストレースだ。
コースは読んで字のごとく、リエージュから南のバストーニュを目指し、11箇所に及ぶ丘を越えながらリエージュに帰ってくる252km。アムステルとラ・フレーシュが「丘のレース」ならばリエージュは「山のレース」と言うように、登坂距離4kmオーバーの山岳などが登場。そのため獲得標高差は4,300mを超え、パンチャーよりもクライマーに有利。また近年に限って言うなればグランツールで総合優勝する選手たちが活躍している。
注目は過去3年連続で動いた「ラ・ルドゥット」

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2025 コースプロフィール image:A.S.O.
レースが動くのはバストーニュで折り返し、ベルギーのリエージュに戻ってくる直後の「コート・ド・ワンヌ(距離3.6km/平均5.1%)」から始まる8つの丘。なかでもエディ・メルクスの記念碑が建てられた最大勾配17%の名物坂コート・ド・ストック(距離1km/平均12.5%)やコート・ド・ラ・ルドゥット(距離2km/平均8.9%)、また最後のラ・ロッシュ・オ・フォーコン(1.3km地点/平均11%)にも注目だ。

昨年コート・ド・ラ・ルドゥットで仕掛け、独走勝利したタデイ・ポガチャル(スロベニア) photo:CorVos
昨年タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が仕掛け、34.4kmの独走勝利を決めたのはコート・ド・ラ・ルドゥットからだった。ここは2023年にレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が飛び出し、また残り距離は異なるものの2022年にも独走を始めた場所。そのため3年連続で勝負が決まっているこのラ・ルドゥットが、今年もレースの最重要ポイントとなりそうだ。
ポガチャル vs エヴェネプールがついに実現か

3度目の優勝狙うタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
今大会最大の注目点は、ポガチャルとエヴェネプールによる直接対決だ。共に2度の優勝経験がある両者は、意外にも大会で一騎打ちを繰り広げたことはない。
ポガチャルが初制覇した2021年にエヴェネプールは出場しておらず、エヴェネプールが初出場で優勝した2022年はポガチャルが不出場。そしてエヴェネプールが連覇を果たした2023年はポガチャルが序盤で落車リタイア(左手首骨折)したため、両エースの直接対決はまたもお預けとなった。そのため、今年こそが真の頂上決戦として期待されるのだ。

レース前記者会見に臨んだレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos
今春の実績ならばストラーデビアンケとロンド・ファン・フラーンデレン、そして直近のラ・フレーシュ・ワロンヌを制したポガチャルに分がある。しかし怪我明けでシーズンインの遅れたエヴェネプールも初戦のブラバンツ・ペイルを優勝、アムステルゴールドレースでも3位と本来の強さを発揮した。ポガチャルが「僕らは再び素晴らしいレースを繰り広げることだろう」と語る通り、どちらが3勝目を手に入れるのだろうか。
虎視眈々と勝利を狙う実力者たち
その他、有力選手としてはアムステルゴールドレースで上記の2人をスプリントで下したマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)や2023年大会で2位のトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)。またチューダー・プロサイクリングはジュリアン・アラフィリップ(フランス)とマルク・ヒルシ(スイス)を揃える。

アムステルゴールドレース優勝で勢いに乗るマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) photo:CorVos

トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) photo:CorVos 
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) photo:CorVos
さらに2019年覇者ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、イネオス・グレナディアーズ)は、最後のリエージュ出場となるゲラント・トーマス(イギリス)のアシストを受ける。
4日前のラ・フレーシュで好走したベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)やレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)にも注目。さらに集団スプリントになればチャンスのある”登れるスプリンター”マグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)は、セブン-イレブンの復刻スペシャルジャージで出場する。

特別ジャージを着て臨むウノエックス・モビリティ photo:Uno-X Mobility

「La Doyenne(ラ・ドワイエンヌ=最古参)」の愛称の通り、初開催が1892年まで遡るリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ。ベルギー南部のワロン地域を舞台とする本大会は「モニュメント(5大クラシック)」の一つに数えられ、アムステルゴールドレースとラ・フレーシュ・ワロンヌを含む「アルデンヌクラシック3連戦」のラストレースだ。
コースは読んで字のごとく、リエージュから南のバストーニュを目指し、11箇所に及ぶ丘を越えながらリエージュに帰ってくる252km。アムステルとラ・フレーシュが「丘のレース」ならばリエージュは「山のレース」と言うように、登坂距離4kmオーバーの山岳などが登場。そのため獲得標高差は4,300mを超え、パンチャーよりもクライマーに有利。また近年に限って言うなればグランツールで総合優勝する選手たちが活躍している。
注目は過去3年連続で動いた「ラ・ルドゥット」

レースが動くのはバストーニュで折り返し、ベルギーのリエージュに戻ってくる直後の「コート・ド・ワンヌ(距離3.6km/平均5.1%)」から始まる8つの丘。なかでもエディ・メルクスの記念碑が建てられた最大勾配17%の名物坂コート・ド・ストック(距離1km/平均12.5%)やコート・ド・ラ・ルドゥット(距離2km/平均8.9%)、また最後のラ・ロッシュ・オ・フォーコン(1.3km地点/平均11%)にも注目だ。

昨年タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が仕掛け、34.4kmの独走勝利を決めたのはコート・ド・ラ・ルドゥットからだった。ここは2023年にレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が飛び出し、また残り距離は異なるものの2022年にも独走を始めた場所。そのため3年連続で勝負が決まっているこのラ・ルドゥットが、今年もレースの最重要ポイントとなりそうだ。
ポガチャル vs エヴェネプールがついに実現か

今大会最大の注目点は、ポガチャルとエヴェネプールによる直接対決だ。共に2度の優勝経験がある両者は、意外にも大会で一騎打ちを繰り広げたことはない。
ポガチャルが初制覇した2021年にエヴェネプールは出場しておらず、エヴェネプールが初出場で優勝した2022年はポガチャルが不出場。そしてエヴェネプールが連覇を果たした2023年はポガチャルが序盤で落車リタイア(左手首骨折)したため、両エースの直接対決はまたもお預けとなった。そのため、今年こそが真の頂上決戦として期待されるのだ。

今春の実績ならばストラーデビアンケとロンド・ファン・フラーンデレン、そして直近のラ・フレーシュ・ワロンヌを制したポガチャルに分がある。しかし怪我明けでシーズンインの遅れたエヴェネプールも初戦のブラバンツ・ペイルを優勝、アムステルゴールドレースでも3位と本来の強さを発揮した。ポガチャルが「僕らは再び素晴らしいレースを繰り広げることだろう」と語る通り、どちらが3勝目を手に入れるのだろうか。
虎視眈々と勝利を狙う実力者たち
その他、有力選手としてはアムステルゴールドレースで上記の2人をスプリントで下したマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)や2023年大会で2位のトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)。またチューダー・プロサイクリングはジュリアン・アラフィリップ(フランス)とマルク・ヒルシ(スイス)を揃える。



さらに2019年覇者ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、イネオス・グレナディアーズ)は、最後のリエージュ出場となるゲラント・トーマス(イギリス)のアシストを受ける。
4日前のラ・フレーシュで好走したベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)やレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)にも注目。さらに集団スプリントになればチャンスのある”登れるスプリンター”マグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)は、セブン-イレブンの復刻スペシャルジャージで出場する。

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ歴代優勝者
2024年 | タデイ・ポガチャル(スロベニア) |
2023年 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー) |
2022年 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー) |
2021年 | タデイ・ポガチャル(スロベニア) |
2020年 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア) |
2019年 | ヤコブ・フルサン(デンマーク) |
2018年 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク) |
2017年 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン) |
2015年 | ワウト・プールス(オランダ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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