21名の逃げ集団から飛び出したマルコ・フリーゴ(イタリア、イスラエル・プレミアテック)が78kmを独走。昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで惜しくも勝利を逃した25歳が、母国イタリアで嬉しいプロ初勝利を手に入れた。



総合首位のマイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング) photo:Tour of the Alps

新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)やJCLチーム右京など、日本人選手が多数参戦したツアー・オブ・ジ・アルプス(UCI2.Pro)は3日目。この日も145.5kmの比較的短い距離に、1級と2級山岳を含む獲得標高差3,000mの山岳が詰め込まれた、険しいレイアウトで争われた。

留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)が未出走だったため、スタートラインに並んだ日本人選手は新城と石橋学(JCLチーム右京)の2名に。前日勝者で総合リーダーのマイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング)を先頭にレースはスタートし、序盤は時速50kmを超える高速で展開した。

プロトンを先導するアマヌエル・ゲブレイグザビエル(エリトリア、リドル・トレック) photo:Tour of the Alps

残り78kmから単独先頭に立ったマルコ・フリーゴ(イタリア、イスラエル・プレミアテック) photo:Tour of the Alps

やがて形成された21名の逃げ集団にはヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)など強力なメンバーが入り、チューダーも選手を送り込んでいたためメイン集団はリドル・トレックが牽引。逃げグループは1級山岳に向けて人数が絞られていくなか、マルコ・フリーゴ(イタリア、イスラエル・プレミアテック)が飛び出した。

フィニッシュまで78kmを残し単独先頭に立ったフリーゴは、「昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで(27km独走勝利した)ベン・オコーナーを思い出した」とレース後に語ったように踏み続け、1級山岳をクリア。下りを経て、平坦路に入った残り40km地点でプロトンとの差は4分。フリーゴは2級山岳も順調なペースで駆け上がり、追走する集団を19秒差で振り切りフィニッシュした。

圧巻の独走劇でプロ初勝利を掴んだマルコ・フリーゴ(イタリア、イスラエル・プレミアテック) photo:Tour of the Alps

「プロ初勝利を独走という、自分の得意な形で手に入れた。とても嬉しいよ」と喜んだフリーゴはイタリア出身の25歳。イスラエルの下部チームから2023年プロデビューし、昨年のブエルタでは計6ステージでエスケープ。第6ステージは惜しくも2位と勝利を逃していた。

2位を争うスプリントはジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が制し、ストーラーは区間8位で総合リーダージャージのキープに成功している。
ツアー・オブ・ジ・アルプス2025第3ステージ結果
1位 マルコ・フリーゴ(イタリア、イスラエル・プレミアテック) 3:47:10
2位 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:19
3位 デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック)
4位 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)
5位 マックス・プール(イギリス、ピクニック・ポストNL)
個人総合成績
1位 マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング) 12:29:31
2位 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) +0:41
3位 ポール・セクサス(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール)
4位 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:45
5位 フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール)
その他の特別賞
ポイント賞 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)
山岳賞 フィンレー・ピカリング(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)
ヤングライダー賞 ポール・セクサス(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール)
チーム総合成績 デカトロンAG2Rラモンディアール
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Tour of the Alps

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