2年連続で雨模様となった第89回ラ・フレーシュ・ワロンヌ。最大勾配26%の「ユイの壁」でタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が後続を引きちぎり、2年振り2度目の優勝を掴んだ。

レインウェアを着てスタートを待つタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

アムステルゴールドレース優勝で勢いに乗るマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) photo:CorVos 4月23日に行われたフレーシュ・ワロンヌ(UCIワールドツアー)は、最大勾配26%の激坂「ユイの壁」にフィニッシュするワンデーレース。アムステルゴールドレースの3日後、リエージュ~バストーニュ~リエージュを4日後に控え、ベルギー南東部のワロン地域を舞台する「アルデンヌ3連戦」の2つ目として、クライマーやパンチャーたちにとって重要な一戦だ。
毎年変わる今大会のスタート地点はシネイ。205.1kmコースは前半に2つの丘を越え、後半はお馴染みの周回コースを3周するレイアウト。コート・デレッフ(距離2.1km/平均5%)から昨年は除外されたコート・ド・シュラーブ(距離1.3m/平均8.1%)、そしてフィニッシュ地点であるミュール・ド・ユイ(距離1.3km/平均9.6%)を3回登る。スタート地点には2018年からの歴代優勝者が勢揃いし、中でもタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)とレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)による直接対決の第2ラウンドに大きな注目が集まった。

ラ・フレーシュ・ワロンヌ2025 コースプロフィール image:A.S.O.

8名となった逃げグループ photo:A.S.O.
しかし、この日の天候は雨。2年連続の悪天候となったレースは今年プロデビューのアルテム・シュミット(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)ら5名が逃げ、メイン集団はスーダル・クイックステップがハイペースに持ち込む。その後、逃げグループにはトビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ)やウノエックス・モビリティの2名が合流したため、先頭は8名となった。
スーダルの先導で合計3度登坂する1度目のミュール・ド・ユイに入った時点で、逃げとプロトンとの差は56秒。冷たい雨が容赦なく降り注ぎ、スリッピーになった路面の影響で、集団内ではコーナーでの落車が多発する。サバイバルレースの様相を呈する中、残り41km地点で発生した集団落車では、3日前にアムステルゴールドレースを制したマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)が激しく身体を地面に打ち付けリタイアした。

プロトンをハイペースに持ち込んだスーダル・クイックステップ photo:CorVos

プロトン内で距離を消化していくポガチャルとエヴェネプール photo:A.S.O.
2度目の「ユイの壁(残り38.5km)」でも、逃げグループはウノエックス・モビリティの2名とフォスの3名に絞られながらも粘り強い走りを見せる。ジョージ・ベネット(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)のチェーンが外れて遅れるなか、レースは最終周回に突入。コート・デレッフを越え、コート・ド・シュラーブでようやくプロトンは逃げを捉え、残り7km地点で勝負は有力選手たちに委ねられた。
フィニッシュ地点の「ユイの壁」へ向かう平坦区間、残り5km地点で動いたのはポガチャルだった。その加速にエヴェネプールやベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)などが反応し、集団は一時落ち着きを取り戻す。そして再びUAEのアシスト陣が先頭に立つと、レースは大観衆の待つ最後の「ユイの壁(距離1.3km/平均9.6%)」に入っていった。

UAEチームエミレーツXRGの先導で最後の「ユイの壁」へと向かう photo:CorVos
ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG)の牽引が終わり、先に加速したのはヒーリーだった。しかし冷静にタイミングを計っていたポガチャルが、シッティングのまま得意のハイケイデンスでヒーリーをあっさりとパス。単独先頭に躍り出る。
そして濡れた路面にしっかりとトラクションをかけ、猛スピードで駆け上がる世界王者には、誰もついていくことができなかった。

「ユイの壁」でアタックしたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

2年振り2度目の優勝を飾ったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
何度も後ろを振り返って後続との差を確認し、最終ストレートに現れたポガチャル。最後はサイクルコンピュータに触れる余裕も見せながら、両手を大きく広げてフィニッシュラインを通過。雨の激戦を制し、その強さを改めて見せつけた。
2023年以来、2度目の優勝を飾ったポガチャル。「タフな終盤であるこのレースで、再び勝てることができて最高の気持ちだ。ユイの壁は美しい登りではあるものの、走る選手としてはそれほど好きではない。それに今日は天候も悪く、尚更厳しいコンディションとなった。最後は良いリードアウトもあり、加速した僕についてくる選手はいなかった。チームとして計画を実行した、良いレースとなったよ」と、勝利の喜びを語った。

ラ・フレーシュ・ワロンヌ2025表彰台:2位ヴォークラン、1位ポガチャル、3位ピドコック photo:A.S.O.
2位に入ったのは昨年のツール・ド・フランスで逃げ切り勝利を挙げたケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)。今季既に5勝(総合優勝含む)を飾る23歳が、初出場から2年連続の2位と改めて激坂への適性の高さを示した。3位にはレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)を退けたピドコックが入り、エヴェネプールは9位だった。


毎年変わる今大会のスタート地点はシネイ。205.1kmコースは前半に2つの丘を越え、後半はお馴染みの周回コースを3周するレイアウト。コート・デレッフ(距離2.1km/平均5%)から昨年は除外されたコート・ド・シュラーブ(距離1.3m/平均8.1%)、そしてフィニッシュ地点であるミュール・ド・ユイ(距離1.3km/平均9.6%)を3回登る。スタート地点には2018年からの歴代優勝者が勢揃いし、中でもタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)とレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)による直接対決の第2ラウンドに大きな注目が集まった。


しかし、この日の天候は雨。2年連続の悪天候となったレースは今年プロデビューのアルテム・シュミット(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)ら5名が逃げ、メイン集団はスーダル・クイックステップがハイペースに持ち込む。その後、逃げグループにはトビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ)やウノエックス・モビリティの2名が合流したため、先頭は8名となった。
スーダルの先導で合計3度登坂する1度目のミュール・ド・ユイに入った時点で、逃げとプロトンとの差は56秒。冷たい雨が容赦なく降り注ぎ、スリッピーになった路面の影響で、集団内ではコーナーでの落車が多発する。サバイバルレースの様相を呈する中、残り41km地点で発生した集団落車では、3日前にアムステルゴールドレースを制したマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)が激しく身体を地面に打ち付けリタイアした。


2度目の「ユイの壁(残り38.5km)」でも、逃げグループはウノエックス・モビリティの2名とフォスの3名に絞られながらも粘り強い走りを見せる。ジョージ・ベネット(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)のチェーンが外れて遅れるなか、レースは最終周回に突入。コート・デレッフを越え、コート・ド・シュラーブでようやくプロトンは逃げを捉え、残り7km地点で勝負は有力選手たちに委ねられた。
フィニッシュ地点の「ユイの壁」へ向かう平坦区間、残り5km地点で動いたのはポガチャルだった。その加速にエヴェネプールやベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)などが反応し、集団は一時落ち着きを取り戻す。そして再びUAEのアシスト陣が先頭に立つと、レースは大観衆の待つ最後の「ユイの壁(距離1.3km/平均9.6%)」に入っていった。

ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG)の牽引が終わり、先に加速したのはヒーリーだった。しかし冷静にタイミングを計っていたポガチャルが、シッティングのまま得意のハイケイデンスでヒーリーをあっさりとパス。単独先頭に躍り出る。
そして濡れた路面にしっかりとトラクションをかけ、猛スピードで駆け上がる世界王者には、誰もついていくことができなかった。


何度も後ろを振り返って後続との差を確認し、最終ストレートに現れたポガチャル。最後はサイクルコンピュータに触れる余裕も見せながら、両手を大きく広げてフィニッシュラインを通過。雨の激戦を制し、その強さを改めて見せつけた。
2023年以来、2度目の優勝を飾ったポガチャル。「タフな終盤であるこのレースで、再び勝てることができて最高の気持ちだ。ユイの壁は美しい登りではあるものの、走る選手としてはそれほど好きではない。それに今日は天候も悪く、尚更厳しいコンディションとなった。最後は良いリードアウトもあり、加速した僕についてくる選手はいなかった。チームとして計画を実行した、良いレースとなったよ」と、勝利の喜びを語った。

2位に入ったのは昨年のツール・ド・フランスで逃げ切り勝利を挙げたケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)。今季既に5勝(総合優勝含む)を飾る23歳が、初出場から2年連続の2位と改めて激坂への適性の高さを示した。3位にはレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)を退けたピドコックが入り、エヴェネプールは9位だった。
ラ・フレーシュ・ワロンヌ2025結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 4:50:15 |
2位 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | +0:10 |
3位 | トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) | +0:12 |
4位 | レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:13 |
5位 | ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
6位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:16 |
7位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | |
8位 | ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック) | |
9位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
10位 | マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) | +0:19 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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