2年前と同じく、オウデ・クワレモントからの独走決めたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)。「仲間の落車を乗り越え掴んだ勝利」と2度目の制覇を喜び、敗れたピーダスンやファンデルプールは世界王者を称えた。



優勝 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)

最後のオウデ・クワレモントで単独先頭に立ったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

勝利を目指していたが、その実現は困難を伴うこともわかっていた。だが僕らは勝った。不運の中、チームが見せた今日のレースを誇りに思う。アルカンシエルを纏い勝つことができて本当に嬉しいよ。

作戦はオウデ・クワレモントで仕掛けることだった。チームメイトが落車に巻き込まれる不運を乗り越え、僕らはその作戦を実行し、やり遂げた。

18km独走で2度目のロンド制覇を達成したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

フロリアン(フェルミールス)は落車後、集団に追いつきオウデ・クワレモントの登りで先頭に立ってくれた。彼の走りには脱帽だよ。ティム(ウェレンス)とジョナタン(ナルバエス)を落車で失っても、僕らは諦めることなく戦い続け、集団に戻ってきてくれた。ミッケル(ビョーグ)もアントニオ(モルガド)も皆、作戦を遂行するために全力を尽くしてくれたんだ。

―これで1週間後のパリ〜ルーベに向け、更に注目されることになる。

ルーベはロンドとは完全に異なるレース。だがベストを尽くして挑戦したい。もちろんこのロンドの方が僕には適しているが、いまのコンディションならばトライする価値がある。

2位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)

2位スプリントで先着したマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が先着 photo:CorVos

チームとして力強い走りがてきたことを誇りに思う。もちろん勝利を目指して走っていたが、タデイがあのモードに入ってしまうと、勝つのは不可能だ(笑)。残り70km地点から仕掛ければ、また馬鹿にされたことだろう。いつも僕は「仕掛けるのが早すぎる」と批判されるからね。でも結果的に、僕とマチューがタデイのアタックに食らいついた。勝利は逃したものの、良いレースだったと言えるよ。

3位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)

ポガチャルに食らいつくマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

理想的な結果ではないが、落車が無くても結果は同じだっただろう。表彰台に上がることができて嬉しいよ。終始良い位置で走っていたのだが、(2度目の)オウデ・クワレモントの前に番手を下げてしまった。その時点ではまだ調子は良かったものの、体力が残っていなかった。だから最後のオウデ・クワレモントでタデイのアタックについていくことは難しいと思っていた。

この結果に驚きはない。2年前に同じ位置(オウデ・クワレモント)からアタックを決められているのだからね。ポガチャルについていくには110%の状態でないと難しい。だから来年また頑張るよ。

―来週のパリ〜ルーベへの自信はあるか?

もちろん。でもルーベで勝つには運も必要だからね。

4位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)

粘ったものの、精彩を欠いたワウト・ファンアールト(ベルギー) photo:CorVos

今日のレースには満足している。表彰台を逃したものの、良いスプリントができた。4位が今日得られる最良の結果だ。先頭集団に復帰することができ、オウデ・クワレモントを前に仕掛けたかった。

ティシュ(ベノート)とマッテオ(ジョーゲンソン)と共に、僕らチームは勝負する手札を揃えていた。3人で追走を強いられたときも上手く協調し、追いつくことができた。チームとしてのミスはなかったものの、その結果が4位だったのは残念。厳しいトレーニングの成果を示し、良いレベルの戦いを見せることができた。来週からの戦いに向けて自信に繋がったよ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos