2025/03/02(日) - 12:54
プロトンの思惑が外れ、波乱の逃げ切りが決まったオムロープ・ヘットニュースブラット女子。31歳のロッテ・クラース(アルケアB&Bホテルズ・ウィメン)がマッチスプリントを制し、母国ベルギーでプロ初勝利を飾った。
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ウィーベスに声を掛けるフォレリング photo:CorVos
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オムロープ・ヘットニュースブラッド女子2025 コースプロフィール image:Omloop Nieuwsblad
2023年にUCIワールドツアーに昇格したオムロープ・ヘットニュースブラット女子は今年、第20回目を迎えた。クラシックシーズンの開幕戦である今大会は14の石畳と急坂が詰め込まれた137.9kmコース。ラストは男子と同じく「ミュール・カペルミュール」と「ボスベルグ」を越え、ニノーヴェの街にフィニッシュする。
一足早くスタートした男子レースが終盤に突入した頃、前回覇者マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)やロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)を除く選手たちが出発地点ヘントに並ぶ。好調デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)と元チームメイトのロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)が言葉を交わすシーンもありながら、ワールドツアー第4戦はスタートした。
直後に形成された逃げグループは、エレナ・ピッローネ(イタリア、ローランド)を含む5名。若手選手の勢いが著しい女子プロトンでも、比較的経験の豊富な25〜31歳で構成された集団は、一気に4分差を得る。一方のメイン集団ではフォレリングを擁するFDJスエズが先導した。
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スタート直後に5名の逃げを容認したプロトン photo:CorVos
しかしメイン集団の牽引が思うように進まず、石畳&急坂が詰め込まれたコース後半に差し掛かる頃には、その差は一時14分まで拡大した。危機感を持ったフォレリングが古巣SDワークスに牽引の加勢を呼びかけるものの、「”手伝うなと指示されている”と言われた」と振り返るようにSDワークスは拒否。エレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)もレース後「我々も他のチーム同様”自分たちの仕事ではない”と判断した。そのため奇妙なレースになった」と語るように、残り30kmを過ぎても逃げ集団は7分半のリードを保った。
4名に減った逃げが最大勾配19.8%の「ミュール・カペルミュール(距離890m/平均8.8%)」に入ると、さらに人数は絞られ、ロッテ・クラース(ベルギー、アルケアB&Bホテルズ・ウィメン)とオーレラ・ネルロ(ポーランド、ウィンスペース・オレンジシール)の2名となる。5分後方のプロトンではカペルミュールでフォレリングがアタック。それに唯一プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が食らいつき、前を追う。
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プロトンを飛び出し、追走するデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) photo:CorVos
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ネルロとのマッチスプリントを制したロッテ・クラース(ベルギー、アルケアB&Bホテルズ・ウィメン) photo:CorVos
しかし最後まで追いつくことはなく、先頭で踏み続けたクラースとネルロが最終ストレートに到着。先にスプリントを開始したネルロを、クラースが交わしてベルギーに勝利をもたらした。
31歳にして掴んだプロ初勝利。クラースは「信じられないことが起きた。プロ2年目で、それ以前は看護師をしながらレース活動をしていた。この勝利が、選手として明るい未来への第一歩となることを祈っている」と喜んだ。
一方、ピーテルセをスプリントで退けたフォレリングが3位。「シーズン序盤なので皆リスクを取りたがらなかったのだろう」とフォレリングは敗因を語っている。
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ネルロとの健闘を称えるロッテ・クラース(ベルギー、アルケアB&Bホテルズ・ウィメン) photo:CorVos
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ワールドツアーでプロ初勝利を飾ったロッテ・クラース(ベルギー、アルケアB&Bホテルズ・ウィメン) photo:CorVos
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2023年にUCIワールドツアーに昇格したオムロープ・ヘットニュースブラット女子は今年、第20回目を迎えた。クラシックシーズンの開幕戦である今大会は14の石畳と急坂が詰め込まれた137.9kmコース。ラストは男子と同じく「ミュール・カペルミュール」と「ボスベルグ」を越え、ニノーヴェの街にフィニッシュする。
一足早くスタートした男子レースが終盤に突入した頃、前回覇者マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)やロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)を除く選手たちが出発地点ヘントに並ぶ。好調デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)と元チームメイトのロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)が言葉を交わすシーンもありながら、ワールドツアー第4戦はスタートした。
直後に形成された逃げグループは、エレナ・ピッローネ(イタリア、ローランド)を含む5名。若手選手の勢いが著しい女子プロトンでも、比較的経験の豊富な25〜31歳で構成された集団は、一気に4分差を得る。一方のメイン集団ではフォレリングを擁するFDJスエズが先導した。
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しかしメイン集団の牽引が思うように進まず、石畳&急坂が詰め込まれたコース後半に差し掛かる頃には、その差は一時14分まで拡大した。危機感を持ったフォレリングが古巣SDワークスに牽引の加勢を呼びかけるものの、「”手伝うなと指示されている”と言われた」と振り返るようにSDワークスは拒否。エレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)もレース後「我々も他のチーム同様”自分たちの仕事ではない”と判断した。そのため奇妙なレースになった」と語るように、残り30kmを過ぎても逃げ集団は7分半のリードを保った。
4名に減った逃げが最大勾配19.8%の「ミュール・カペルミュール(距離890m/平均8.8%)」に入ると、さらに人数は絞られ、ロッテ・クラース(ベルギー、アルケアB&Bホテルズ・ウィメン)とオーレラ・ネルロ(ポーランド、ウィンスペース・オレンジシール)の2名となる。5分後方のプロトンではカペルミュールでフォレリングがアタック。それに唯一プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が食らいつき、前を追う。
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しかし最後まで追いつくことはなく、先頭で踏み続けたクラースとネルロが最終ストレートに到着。先にスプリントを開始したネルロを、クラースが交わしてベルギーに勝利をもたらした。
31歳にして掴んだプロ初勝利。クラースは「信じられないことが起きた。プロ2年目で、それ以前は看護師をしながらレース活動をしていた。この勝利が、選手として明るい未来への第一歩となることを祈っている」と喜んだ。
一方、ピーテルセをスプリントで退けたフォレリングが3位。「シーズン序盤なので皆リスクを取りたがらなかったのだろう」とフォレリングは敗因を語っている。
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オムロープ・ヘットニュースブラット女子2025結果
1位 | ロッテ・クラース(ベルギー、アルケアB&Bホテルズ・ウィメン) | 3:39:43 |
2位 | オーレラ・ネルロ(ポーランド、ウィンスペース・オレンジシール) | |
3位 | デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) | +3:25 |
4位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
5位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +3:35 |
6位 | エレオノラ・ガスパリーニ(イタリア、UAEチームADQ) | |
7位 | ファイファー・ジョルジ(イギリス、ピクニック・ポストNL) | |
8位 | クララ・コッポニ(フランス、リドル・トレック) | |
9位 | イルゼ・プルイマース(オランダ、AGインシュランス・スーダル) | |
10位 | マルゴ・ファンパクテンベーケ(ベルギー、フォルカーヴェッセルズ・ウィメンズプロサイクリング) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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