2025年シーズンの序盤にもかかわらず、プロトンでは落車による怪我人が続出。留目夕陽やエガン・ベルナル(コロンビア)、クリストファー・フルーム(イスラエル・プレミアテック)などの状況を伝える。



今季初の欧州レースで鎖骨を骨折したエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

例年シーズンを通して最も落車による負傷者が多いのは、石畳や未舗装路のワンデーレースが多いのは3月。しかし近年著しいレースの高速化のためか、今年は2月の時点で多くの選手が落車により負傷している。

特に怪我人が多いのはイネオス・グレナディアーズだ。コロンビア選手権でロード&TTの2冠を達成したエガン・ベルナルは、2月17日のクラシカ・ハエンで落車し、鎖骨を骨折。同じレースで落車したオスカル・ロドリゲス(スペイン)も、フィニッシュ後に手首の軽度な骨折が判明した。その6日後のUAEツアーではカルロス・ロドリゲス(スペイン)も鎖骨骨折に見舞われ、2月だけで主力3名が離脱する事態となった。

鎖骨骨折でアジア選手権を回避した留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos

日本人唯一のワールドチーム所属選手である留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)も不運に見舞われた一人。サントス・ツアー・ダウンアンダーに出場し集団牽引の大役を果たした後、タイで開催されたアジア選手権ロードレースに出場を予定していたが、カデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレースの前哨戦サーフコースト・クラシックで落車。左の鎖骨を骨折し、手術のため緊急帰国した。

比較的治りの早い鎖骨骨折が相次ぐ中、大怪我を負ったのはメルハウィ・クドゥス(エリトリア、ブルゴス・ブルペレットBH)だ。長年ワールドチームで走り、今年プロカテゴリーに復帰したクドゥスは2月2日にフランスで行われたワンデーレースの下り区間で落車。搬送された病院で肋骨弓と腰椎、仙骨の骨折に加え、肺挫傷の大怪我を負った。

UAEツアー最終日に発生したフルームやデクラインなどの集団落車

この数日の間でも怪我人が続出しており、UAEツアーの最終第7ステージのスタート直後に発生した7名の集団落車が発生。この落車でクリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)とニクラス・ベーレンス(ドイツ、ヴィスマ・リースアバイク)、アーヴィッド・デクライン(オランダ、チューダー・プロサイクリング)の3名全員が鎖骨骨折を負っている。
負傷した主要選手
負傷日 選手名 怪我箇所
1月22日 ディラン・ファンバーレ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) 鎖骨骨折
1月26日 ステファノ・オルダーニ(イタリア、コフィディス) 橈骨、舟状骨、尺骨骨折
1月30日 留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト) 鎖骨骨折
1月30日 ニルス・エーコフ(オランダ、ピクニック・ポストNL) 顎骨折
2月2日 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ブルゴス・ブルペレットBH) 肋骨弓、腰椎、仙骨骨折、肺挫傷
2月17日 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) 鎖骨骨折
2月17日 フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG) 足首の靭帯捻挫
2月17日 オスカル・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) 手首骨折
2月22日 カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) 鎖骨骨折
2月23日 クリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック) 鎖骨骨折
2月23日 ニクラス・ベーレンス(ドイツ、ヴィスマ・リースアバイク) 鎖骨骨折
2月23日 アーヴィッド・デクライン(オランダ、チューダー・プロサイクリング) 鎖骨骨折
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos