ベルギー籍のプロチーム、ロットがエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)の獲得を発表した。パリ五輪トラックに出場したヴィヴィアーニは、昨年末にイネオス・グレナディアーズ退団。新天地を模索していた。



2024年限りで3年所属したイネオスを離れたエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) photo:CorVos

ヴィヴィアーニは今回の移籍について、「ロットで選手キャリアを続けられることを心から嬉しく思っている。スプリントでの勝利への意欲はまだ衰えていない。スプリンターに限らず、新しいチームメイトに様々なコツを教え、彼らの成長をサポートしたい」とコメント。36歳を迎えた今も、勝利への高いモチベーションとチームへの貢献意欲を語った。

2011年にリクイガス・キャノンデールでプロデビューしたヴィヴィアーニは、2016年リオ五輪のトラック・オムニアムで金メダルを獲得。ロードでもプロ通算89勝を誇り、クイックステップフロアーズ時代はジロ・デ・イタリアで区間4勝とポイント賞を獲得。しかし2020年を境に成績は低迷。また昨シーズンはパリ五輪のトラック競技に集中していたため、ロードレースでの出場機会が限られていた。

ロードだけでなく、トラックでも輝かしい実績を誇るエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) photo:CorVos

しかしロットのステファン・ヒューロ代表はその状況を理解し、チーム加入への道筋を作った。また妻で元選手であるエレナ・チェッキーニが現役時代、ロット所属していたことも今回の移籍を後押しとなったという。

ロットは昨年タイトルスポンサーだったデスティニーが撤退し、資金面で厳しい状況に立たされている。そのため主力選手であったマキシム・ファンヒルスとヴィクトル・カンペナールツ(共にベルギー)がチームを離脱し、所属選手も25名まで減少。ヴィヴィアーニの加入により、ようやく26名となった。そのためチームは若手育成に力を入れており、ヴィヴィアーニの加入によって勝利はもちろん、チームのレベルアップに貢献することが期待される。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos