キャノンデールが誇るグラベルレーシングバイク、SuperX(スーパーエックス)がフルモデルチェンジ。ロードモデルのエアロダイナミクスを取り入れて高速化が進むグラベルレースで即戦力となるハイパフォーマンスバイクに仕立てられている。



フルモデルチェンジを果たしたSuperX。国内では2種類のフレーム、合計4バリエーションでの展開となる photo:So Isobe

Super Xの歴史は、まさにキャノンデールのドロップハンドルオフロードモデルの歴史だ。

贅を尽くしたハイエンドシクロクロスバイクとして2011年に生を受けたSuperXは、モデルチェンジを繰り返しながらファクトリーチームの選手たちの走りをサポート。2021年夏にはグラベルムーブメントの拡大に伴い、ロードモデルのSupersix EVO(スーパーシックスエボ)をベースにしたグラベル/シクロクロス兼用モデル「Supersix EVO SE」に大変化を遂げ、サスペンションを装備を前提に走る楽しさを求めたTopstone(トップストーン)と対をなすレーシングモデルとして、キャノンデールグラベルラインナップの双璧を成してきた。

そんなキャノンデールのグラベルレーシングモデルが、本日2025年2月11日に新世代へとフルモデルチェンジ。伝統の名前「SuperX」の復活と共に、現行Supersix EVOのエアロダイナミクスと軽さを取り入れ、高速化の一途を辿るレースシーンに適合したスーパーバイクとして代替わりを果たす。

キャノンデール LAB71 SuperX(国内展開の無い56サイズ)。最高峰モデルの完成車だ photo:So Isobe

想定スピード35km/hを前提に設計されたエアロフォルム

開発段階で行われた風洞実験。高速化を遂げるグラベルレースでの使用を想定している (c)キャノンデール
三角形断面のデルタコラムを採用。ケーブル/ブレーキホース類のフル内装化を実現した



「グラベルバイクでは業界初となる風洞実験を繰り返し(プレスリリースより)」、平均速度35km/hで走ることを前提に設計されたフレームデザインは、グラベルバイクの枠を飛び越えてエアロロードに近いものに。フロントフォークやヘッドチューブ、ダウンチューブは風を切り裂くように薄く鋭く、Supersix EVOと同じ三角形断面のデルタコラムを採用することでケーブル/ブレーキホース類のフル内装化を実現している。

Supersix EVOとTopstone Carbonに続いて、キャノンデール最高峰のLAB71グレードモデルも新登場したことも話題だ。LAB71モデルにはモモデザインとの協業で生まれた「SystemBar R-One」一体型ハンドルが装備され、その様はまさにロードバイクさながら。

LAB71モデルにはモモデザインによるSystemBar R-One一体型ハンドルが奢られる photo:So Isobe

驚くほど薄いシートチューブ。湾曲したステーと共に衝撃吸収を担う

駆動側チェーンステーにはフレームと一体化したラバーガードを装備する
フロントフォークは最大51mmのタイヤを飲み込むクリアランスを誇る



シクロワイアードではデビュー前の展示車を駆り出して撮影している(残念ながら試乗は不可能だった)が、グラフィックも含めて細部の作り込みは美しく、土っぽさや野暮ったさを感じることは一切なかった。SystemBar R-Oneハンドルとリザーブの40|44 GRホイール(+DTスイスの180ハブ)、スラムのRED XPLR AXSコンポーネントで武装したLAB71モデルは非常に軽く、ワイドタイヤ興盛の現代においてはロードバイクかと見紛うばかり。

もちろんオフロードモデルとしての機能性も十二分だ。目を疑うほど細くリアホイールに合わせてベンドするシートチューブや、緩やかな曲線を描くチェーンステーは路面からの突き上げを緩和させるためのデザイン。シートポストは専用設計でありドロッパーシートポストは取り付けできないが、トレイルユースではなく、あくまでグラベルレースを前提とした割り切りが汲み取れる。タイヤクリアランスもフロントは51mm、リアは48mmと余裕は十分だ。

キャノンデール SuperX 2(46サイズ) photo:So Isobe

46サイズでもフレームデザインに破綻は無い。グラフィックも人気を呼びそうだ
もちろんながらUCI認証済み。CXレースでの使用も想定している



日本国内では3つの完成車とLAB71グレードのフレームセット、合計4バリエーションで販売が行われる。

撮影を行ったLAB71グレードは、前述した通り贅を凝らしたパーツセットアップが行われた完成車は税込198万円。ブラックにブルーの差し色が入るフレームセットは税込75万円だ。

キャノンデール LAB71 SuperX フレームセット (c)キャノンデール

フレームのカーボン素材が異なるスタンダードモデルは2種類の完成車を用意。シマノのGRX Di2コンポーネントと、LAB71完成車と同じリザーブの40|44 GRホイール(ハブはDTスイスの370)を組み合わせた「SuperX 2(税込103万円)」と、機械式GRXコンポーネントとDTスイスG1800ホイールを組み合わせた「SuperX 3(税込63万円)」と、幅広い完成車ラインナップが揃う。



キャノンデール SuperX 販売ラインナップ
キャノンデール LAB71 SuperX
フレーム:LAB71 SuperX, Series 0 carbon construction, UDH BSA 68mm threaded BB
フォーク:LAB71 SuperX, Series 0 carbon construction, integrated crown race, 12x100mm thruaxle,
ホイール:リザーブ 40/44 GR, Carbon, DT Swiss 180, centerlock
コンポーネント:スラム RED XPLR AXS
ハンドル:キャノンデール SystemBar R-One
サイズ:46, 51, 54
カラー:Black Marble (BMB)
税込価格:1,980,000円

キャノンデール LAB71 SuperX フレームセット
フレーム:LAB71 SuperX, Series 0 carbon construction, UDH BSA 68mm threaded BB
フォーク:LAB71 SuperX, Series 0 carbon construction, integrated crown race, 12x100mm thruaxle,
シートポスト:キャノンデール C1 Aero 27 Carbon, 0mm offset (46cm), 20mm offset (51-54cm)
サイズ:46, 51, 54
カラー:Tungsten Blue (TUB)
税込価格:750,000円

キャノンデール SuperX 2
フレーム:SuperX Carbon, UDH BSA 68mm threaded BB
フォーク:SuperX Carbon, integrated crown race, 12x100mm thruaxle,
ホイール:リザーブ 40/44 GR, Carbon, DT Swiss 370, centerlock
コンポーネント:シマノ GRX 825, Di2
ハンドル:ヴィジョン Trimax Aero Alloy
サイズ:46, 51, 54
カラー:Cashmere (CAS)
税込価格:1,030,000円

キャノンデール SuperX 3
フレーム:SuperX Carbon, UDH BSA 68mm threaded BB
フォーク:SuperX Carbon, integrated crown race, 12x100mm thruaxle,
ホイール:DTスイス G1800, DT Swiss 370, centerlock
コンポーネント:シマノ GRX 820
ハンドル:キャノンデール C2, 7050 Alloy, Compact
サイズ:46, 51, 54
カラー:Raw (RAW)
税込価格:630,000円