1周目での落車を挽回したゾーイ・バックステッド(イギリス)が、シクロクロス世界選手権女子U23で連覇を達成。U23初出場の日吉愛華(中京大学/Teamまるいち)は44位、ラストイヤーの渡部春雅(明治大学)はフルラップ完走に迫る33位だった。



好スタートを切ったゾーイ・バックステッド(イギリス) Photo:Nobuhiko Tanabe

大会最終日である2月2日に行われたシクロクロス世界選手権女子U23には、19ヶ国から45名選手が集結。スタートが切られると昨年勝者バックステッドが、セリア・ジェリー(フランス)を抑えてファーストコーナーに先頭で通過。後方では、渡部春雅(明治大学)と日吉愛華(中京大学/Teamまるいち)も良いスタートダッシュを決めた。

しかし日吉は2つ目のコーナーでのミスが響き、2周でレース終了。笑顔を見せながらも「ジュニアカテゴリーから上がったと共にスピードも上がり、単純にパワーとテクニックの差を感じました」と、今後の課題について語った。

一方、渡部はバックステッドが見える14番手まで順位を上げる。しかしキャンバーでの落車を境にレース中盤から順位を下げ、33位とフルラップまで一歩届かなかった。それでも「昨年よりも良い感触を得ました」と、前向きなコメントを残している。

日吉愛華(中京大学/Teamまるいち) Photo:Nobuhiko Tanabe

渡部春雅(明治大学) Photo:Nobuhiko Tanabe

落車で遅れたゾーイ・バックステッド(イギリス)を抜くセリア・ジェリー(フランス) Photo:Nobuhiko Tanabe

ホールショットを決めたバックステッドだったが、コース前半で落車し4位まで順位を落としてしまう。ディフェンディング王者に代わってレース先頭に立ったのは昨年5位のマリー・シュライバー(ルクセンブルク)。ジェリーと激しい先頭争いが繰り広げられる一方、後方では巻き返しを狙うバックステッドがレオニー・ヴェントフェルド(オランダ)を抜き3番手まで順位を上げた。

単独先頭に立ったゾーイ・バックステッド(イギリス) Photo:Nobuhiko Tanabe

シュライバーとジェリーがバイクチェンジをする隙に、そのまま踏み続けたバックステッドが再び先頭へ。バックステッドは1周目を終えた直後の下りでも落車したが、その後は高出力で踏み続け、ジェリーを引き離す。そして2位に39秒差をつけてフィニッシュラインを通過した。

連覇を達成したゾーイ・バックステッド(イギリス) Photo:Nobuhiko Tanabe

昨年手に入れたアルカンシエルを守ったゾーイ・バックステッド(イギリス) Photo:Nobuhiko Tanabe

バックステッドは「試走とは路面状況が全く異なっていたことに加え、世界選手権だから出たアドレナリンのせいだろう」と1周目に落車した原因を語った。「しかしすぐに気持ちを切り替え、再び先頭に立つことができた。予想以上に滑りやすく、本当に厳しいコースだった。バイクチェンジの際に空気圧を少し下げてもらうよう頼んだことが、レース後半に上手く走れた要因になった」とレースを振り返った。

2位にはシュライバー、3位はヴェントフェルドが入り、後半に失速したジェリーは4位でレースを終えた。バックステッドはこのあと短い休暇を取り、パリ〜ルーベ・フェムを最大の目標に春のクラシックレースに臨む。
シクロクロス世界選手権2025 女子U23結果
1位 ゾーイ・バックステッド(イギリス) 45:42
2位 マリー・シュライバー(ルクセンブルク) +0:39
3位 レオニー・ヴェントフェルド(オランダ) +1:20
4位 セリア・ジェリー(フランス) +1:51
5位 イザベラ・ホルムグレン(カナダ) +2:17
33位 渡部春雅(明治大学)
44位 日吉愛華(中京大学/Teamまるいち)
text:Sotaro.Arakawa
photo:Nobuhiko Tanabe

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