2025/02/02(日) - 13:30
アルウラー・ツアー最終日は横風による集団分断が発生。混沌のレースはQ36.5プロサイクリングのマッテオ・モスケッティ(イタリア)が集団スプリントを制し、トーマス・ピドコック(イギリス)の総合優勝に華を添えた。

地元のサイクリストとスタート前に交流する photo:A.S.O.
1クラスのステージレースにもかかわらず、ワールドツアーに引けを取らない規模で開催されたアルウラー・ツアーも最終第6ステージを迎えた。この日の舞台は、ラクダのレース場であるアルウラー・キャメルカップ・トラックを発着地点とする169.6km。多少のアップダウンはあるものの、カテゴリー山岳もない白熱の集団スプリントが予想された。
前日勝者で総合リーダーであるトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)が「エシュロン(横風分断)が起こるであろうステージ」と語ったように、この日は風がレース展開を左右した。ラクダに見送られながら走り出したレースは、スタート後わずか25km地点で早速集団が分裂。ジェイコ・アルウラーは総合3位のアラン・ハザリー(南アフリカ)とディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)が遅れ、また総合2位ライナー・ケップリンガー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)はパンクにより取り残された。
しかしジェイコとバーレーンなど遅れたチームが懸命に追走し、残り74km地点で先頭集団に合流する。慌ただしかったレースは落ち着きを取り戻し、JCLチーム右京のニコロ・ガリッボ(イタリア)を含む4名による逃げ集団を形成。しかし遮蔽物のない砂漠地帯を進むんだため、プロトンは次の横風に備えてクラシックレースのような緊張感を見せた。

ラクダがプロトンを見送る photo:A.S.O.
残り55km地点でプロトンの先頭に選手を固めたのはリーダーチームであるQ36.5。日本王者である小林海(JCLチーム右京)が落車で遅れるシーンもありながら、残り30km地点で横風が再びメイン集団に襲いかかる。大会初日と2日目の集団スプリントを争ったエーススプリンターがプロトンに食らいつくなか、マウンテンバイクから今年ロードに本格参戦するハザリーとケップリンガーはここでも集団から遅れてしまう。
一気にペースが上がったプロトンは逃げを吸収し、総合10位以内の3名を残すウノエックス・モビリティが懸命に踏み込む。そのため先頭集団の人数は更に減っていき、40名弱の集団が1度目のフィニッシュラインを通過。そして勝負は集団スプリントに持ち込まれた。

横風分断を仕掛けるウノエックス・モビリティ photo:A.S.O.

チームメイトに守られながら走行するトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) photo:A.S.O.
チームメイトから絶好のリードアウトを受けたフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG)が踏み込み、そのトップスピードにアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が引き離される。2歳の誕生日を迎えた息子へ勝利を届けたいティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は集団内に埋もれる一方で、際立つスピードを発揮したのはマッテオ・モスケッティ(イタリア、Q36.5プロサイクリング)だった。
モラノを追い抜いたモスケッティはそのままフィニッシュラインを先頭で通過。モラノを交わしたフルーネウェーヘンも寄せ付けることを許さなかったモスケッティが、世界トップスプリンター集うバンチスプリントを制した。

チームに2連勝をもたらしたマッテオ・モスケッティ(イタリア、Q36.5プロサイクリング) photo:A.S.O.
昨年7月にトレーニングの事故で脊椎や鎖骨を骨折し、シーズン後半をリハビリに費やしたモスケッティによる、2年振りの復活勝利。「信じられないよ。なぜなら今日の目標はトムを守ることだったから。モラノが先んじてスプリントし、なんとか追いつくことができた。そしてフィニッシュ手前で抜き去った。昨年は困難なシーズンとなったので、本当に嬉しいよ」と喜んだ。
一方、総合優勝にチームメイトの勝利が加わったピドコックは、「まるでおとぎ話のような大会となった。本当に嬉しいし、成長に繋がる大きな一歩となった」と喜んだ。

移籍後最初の大会で総合優勝に輝いたトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) photo:A.S.O.

モスケッティの勝者インタビューを見守るピドコック photo:A.S.O.
ケップリンガーとハザリーが遅れたため、ウノエックスは総合2位にフレドリク・ドゥヴァーシュネス、3位にヨハネス・クルセット(共にノルウェー)を入れることに成功。またJCLチーム右京はアレッサンドロ・ファンチェル(イタリア)が総合順位を8位まで上げ、シーズン開幕戦を終えている。

1クラスのステージレースにもかかわらず、ワールドツアーに引けを取らない規模で開催されたアルウラー・ツアーも最終第6ステージを迎えた。この日の舞台は、ラクダのレース場であるアルウラー・キャメルカップ・トラックを発着地点とする169.6km。多少のアップダウンはあるものの、カテゴリー山岳もない白熱の集団スプリントが予想された。
前日勝者で総合リーダーであるトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)が「エシュロン(横風分断)が起こるであろうステージ」と語ったように、この日は風がレース展開を左右した。ラクダに見送られながら走り出したレースは、スタート後わずか25km地点で早速集団が分裂。ジェイコ・アルウラーは総合3位のアラン・ハザリー(南アフリカ)とディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)が遅れ、また総合2位ライナー・ケップリンガー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)はパンクにより取り残された。
しかしジェイコとバーレーンなど遅れたチームが懸命に追走し、残り74km地点で先頭集団に合流する。慌ただしかったレースは落ち着きを取り戻し、JCLチーム右京のニコロ・ガリッボ(イタリア)を含む4名による逃げ集団を形成。しかし遮蔽物のない砂漠地帯を進むんだため、プロトンは次の横風に備えてクラシックレースのような緊張感を見せた。

残り55km地点でプロトンの先頭に選手を固めたのはリーダーチームであるQ36.5。日本王者である小林海(JCLチーム右京)が落車で遅れるシーンもありながら、残り30km地点で横風が再びメイン集団に襲いかかる。大会初日と2日目の集団スプリントを争ったエーススプリンターがプロトンに食らいつくなか、マウンテンバイクから今年ロードに本格参戦するハザリーとケップリンガーはここでも集団から遅れてしまう。
一気にペースが上がったプロトンは逃げを吸収し、総合10位以内の3名を残すウノエックス・モビリティが懸命に踏み込む。そのため先頭集団の人数は更に減っていき、40名弱の集団が1度目のフィニッシュラインを通過。そして勝負は集団スプリントに持ち込まれた。


チームメイトから絶好のリードアウトを受けたフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG)が踏み込み、そのトップスピードにアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が引き離される。2歳の誕生日を迎えた息子へ勝利を届けたいティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は集団内に埋もれる一方で、際立つスピードを発揮したのはマッテオ・モスケッティ(イタリア、Q36.5プロサイクリング)だった。
モラノを追い抜いたモスケッティはそのままフィニッシュラインを先頭で通過。モラノを交わしたフルーネウェーヘンも寄せ付けることを許さなかったモスケッティが、世界トップスプリンター集うバンチスプリントを制した。

昨年7月にトレーニングの事故で脊椎や鎖骨を骨折し、シーズン後半をリハビリに費やしたモスケッティによる、2年振りの復活勝利。「信じられないよ。なぜなら今日の目標はトムを守ることだったから。モラノが先んじてスプリントし、なんとか追いつくことができた。そしてフィニッシュ手前で抜き去った。昨年は困難なシーズンとなったので、本当に嬉しいよ」と喜んだ。
一方、総合優勝にチームメイトの勝利が加わったピドコックは、「まるでおとぎ話のような大会となった。本当に嬉しいし、成長に繋がる大きな一歩となった」と喜んだ。


ケップリンガーとハザリーが遅れたため、ウノエックスは総合2位にフレドリク・ドゥヴァーシュネス、3位にヨハネス・クルセット(共にノルウェー)を入れることに成功。またJCLチーム右京はアレッサンドロ・ファンチェル(イタリア)が総合順位を8位まで上げ、シーズン開幕戦を終えている。
アルウラー・ツアー2025第5ステージ結果
1位 | マッテオ・モスケッティ(イタリア、Q36.5プロサイクリング) | 3:32:00 |
2位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) | |
3位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG) | |
4位 | アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
5位 | エフゲニー・フェドロフ(カザフスタン、XDSアスタナ) | |
6位 | フロリアン・ドーファン(フランス、トタルエネルジー) | |
7位 | アーヴィッド・デクライン(オランダ、チューダー・プロサイクリング) | |
8位 | アルベルト・ブルットメッソ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | サシャ・ウィーマース(ベルギー、ワグナー・バザンWB) | |
10位 | マルク・ブルステンガ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ) | |
13位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
個人総合成績
1位 | トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) | 17:26:25 |
2位 | フレドリク・ドゥヴァーシュネス(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | +1:09 |
3位 | ヨハネス・クルセット(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | +1:09 |
4位 | オドネ・ホルテル(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | +1:12 |
5位 | ライナー・ケップリンガー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:23 |
6位 | アラン・ハザリー(南アフリカ、ジェイコ・アルウラー) | +1:26 |
7位 | フランク・ファンデンブルーク(オランダ、ピクニック・ポストNL) | |
8位 | アレッサンドロ・ファンチェル(イタリア、JCLチーム右京) | +1:39 |
9位 | ディエゴ・ウリアルテ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ) | +1:51 |
10位 | ジョルダン・ジェガット(フランス、トタルエネルジー) | +1:58 |
その他の特別賞
ポイント賞 | トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) |
ヤングライダー賞 | ヨハネス・クルセット(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) |
チーム総合成績 | ウノエックス・モビリティ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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