2024/11/22(金) - 18:00
暑くもなく、寒くもない。2024年の日本において、あまりに貴重な自転車日和となった11月16日に開催されたもてぎエンデューロ。走りやすさに定評のある広大なサーキットを舞台に耐久レースや42.195kmを争う「フルマラソンライド」など、様々な種目に多くのサイクリストが集まった。
今年はなんだか賑やかだな。メイン会場の人の往来が心なしか多い気がする。そんなぼんやりとした感覚は、どうやら当たっていたらしい。
秋のモビリティリゾートもてぎで開催された「もてぎエンデューロ」は、なんと前年比120%の参加者を集めた。コロナ禍以降のサイクルイベントを取り巻く状況を鑑みれば、驚くべきグッドニュースだと言えよう。
賑わいを見せるピットエリアを抜け、コースへと向かう。試走時間が終わり、ちょうど最初の種目の参加者たちがスタートラインへと進むタイミングだ。
多くの種目が用意されるもてぎエンデューロの中でも、最も盛大な声援が送られる「ひよこレース」がこの日のファーストレース。4歳~6歳の未就学児を対象にした、今日もっとも対象年齢の低い種目で、フラットな西コースを一周する。
フラットとはいえ、1.5kmもあるので子供たちにとっては大冒険。しかも見知らぬ人と横並びになって速さを競うなんて、人生最大の挑戦かもしれない。そのうえ、トッププロレーサーが一緒に走ってくれるのだ。
号砲とともにスタートダッシュを決めるキッズたち。でも、ちょっと怖かったのか、出遅れてしまう子がみんなに励まされてスタートを切る微笑ましい光景も。そうこうしているうちに、あっという間に先頭が帰ってきた。
近年大人のレースシーンではパワートレーニングの普及によって平均速度が上がっているという話もあるけれど、子ども達のパフォーマンスも上がっているように感じる。もちろんパワトレの話ではない。
一昔前であれば、この年代のレースだと補助輪付きの自転車に乗った子もちらほらいたものだけど、キックバイクの普及もあってか最近ではあまり見なくなった。機材やトレーニング方法の進化は、子どもの世界にも高速化をもたらしているのだ(笑)。
微笑ましい雰囲気のひよこレースの次は、小学生たちが火花を散らすキッズレース。低学年のレースと高学年のレースの2カテゴリーに分かれており、高学年レースはもてぎの本コース(4.8km)を一周する本格的なもの。
そうなってくると上位陣の機材は大人顔負けで、バイクもウェアもプロスペックだったり。よく考えてみれば、少ない力で作動し、コンパクトなサイズになる電動コンポーネントや油圧ブレーキは、手などが小さく非力な子どもたちにとってのほうがメリットも大きいのかもしれない。
白熱した子供たちのレースが終われば、ここからは大人の時間(笑)。以前であればここからメイン種目であるエンデューロレースが始まっていたけれど、今年は2つの新種目が登場した。
一つが「インフルエンサー選手権」。こちらはその名の通り参加者全員が何らかのSNSで5000人以上のフォロワーを持つインフルエンサーという種目。レース一周の後、パレードランを行うことに。NHKのチャリダーでママチャリヒルクライマーとして知られる戸丸大地さんや、世界大会で3位に入ったブレイクダンサーの井口もかさんなど、錚々たるメンツが登場。白熱したレースは、企画者でもあるyoutuberのまさくんが逃げ集団の頭を獲得。各SNSでのいいね数なども加味した総合勝者は漫画家のぬこー様ちゃんとなった。
インフルエンサー選手権に続いて出走したのが、「超ビギナークラス」。こちらもインフルエンサー選手権同様のまさくんプレゼンツの種目。ロードコースを2周するレースで表彰は無し。自分のペースで走れるのと、人口密度が低いのとで、初めてのイベントデビューにもピッタリ。女性ライダーやフラットバーバイクでの参加者も多く、それぞれ自分のペースでサーキット走行を楽しまれていた。
さて、ここからはメイン種目であるエンデューロレースが始まる。15mのコース幅を誇るもてぎのホームストレートにぎっしりとサイクリストが整列。その前列を毎年恒例のビッグゲストである新城幸也を筆頭に、宇都宮ブリッツェン、マトリックスパワータグ、ヴェロリアン松山らプロ選手、そしてまさくんが固める。
その中に共に並ぶのが、昨年の企業対抗賞とショップ対抗賞の優勝チーム。会社でのチームやショップチームとしてエントリーし、優勝すれば次の大会で最前列に並べるというプレミアムな待遇を手に入れられるとあって、毎回熱い戦いが繰り広げられている。
先導を務めるマヴィックカーには、なんと今年は抽選で当たった幸運なチームが同乗。選手たちを引き連れ、もてぎを2周するという貴重な機会を手に入れていた。
最多参加者数を誇る4時間エンデューロに続き、スタートを切るのが「フルマラソンライド」。今年の春大会で初めて開催された種目で、こちらもまさくんプレゼンツの企画となっている。
その名の通り42.195kmを走るというわかりやすい種目で、速い人なら1時間程度、ゆったり走っても2時間以内に帰ってこれるということもあり、多くの人が集まった。
4時間や6時間が長いと感じるライダーや、短距離レースが得意なライダーにとっては絶好の種目で、春大会での高評価も相まってか人気に火がついてきた様子。長時間のエンデューロと違い、ソロでの参加しやすさも人気の秘密なのかもしれない。
実際参加されている方の様子を見ても、幅広い層のサイクリストが参加している様子。最新のレーシングエアロロードにスキンスーツで固めているような真剣勝負派もいれば、先ほどの超ビギナークラスに出場していた方も。
まさくんプレゼンツの企画ということで、M.A.Sジャージの着用率も高め。ファンにとっては一緒に走れる機会というだけでも値千金のはず。更に完走者には特別デザインの完走メダルがもれなくプレゼントされるというのも嬉しいポイントだ。
そして、最長クラスである6時間エンデューロがスタート。こちらの集団はやはり歴戦のつわもの、といった雰囲気。長丁場の戦いということもあり、モトが先導する集団からはある種リラックスした空気も伝わってきた。
彼らの戦いの舞台となるロードコースは、一周4.8kmの間にいくつものコーナーとストレートが織り交ぜられる。わかりやすい勝負所となるのが、ホームストレートの先に現れる長い直登区間。700mを越える直登区間は勢いで乗り切るには長く、どうしても足を削られるポイントだ。
頂上のゲートを越え、ヘアピンを曲がればしばらくは下り。V字、S字のダウンヒルコーナーが続き、最も気持ちよくスピードに乗れる区間だ。そしてアンダーパスを抜ければ、再び勾配はプラスに転じる。
一見平坦に見えるほどの緩やかな登りだが、視覚からの情報と実際の負荷の乖離によって踏みすぎてしまう魔の区間。風向きによっては、更に負荷が上がるため位置取りも重要になってくる。その先、パドック裏を抜ければホームストレートへと帰ってくる。
さて、レースが動いている裏では色んなイベントも開催された。もてぎエンデューロの新たな顔となりつつある、まさくんのトークショーにはファンが詰めかけ、ここでしか聞けないような逸話に盛り上がる。
そして、毎年恒例の新城幸也トークショーでは、なんとまさくんがMCを務めることに。自身もレーサーであるまさくんから、日本を代表するトップレーサーに対し、様々な質問が投げかけられた。
ここ数年の人気企画である「俺が新城幸也を引っ張る!」ももちろん開催。ユキヤさんと共にサーキットを2周出来るという企画で、多くの応募の中から選ばれし幸運なチームが、夢のような時間を過ごした。
午後からは最後の種目となる2時間エンデューロもスタート。それに先立ち、ビギナークラス参加者向けの自転車クリニックも開催された。座学と実走を交えた効果的なクリニックで、初めて集団走行にチャレンジするという方も、このクリニックを受ければ自信がつくと評判のプログラム。今年は宇都宮ブリッツェンの選手らが講師を務めてくれた。
様々な企画を終えたころには、だんだん日も陰ってくる。4.8kmのロードコースを今年一番多く走り続けたのは、6時間エンデューロソロに参加した高橋誠。ただ一人、53周をこなして総合優勝の座に就いた。
しかし、ただ速い人だけが楽しめるわけではないのが、もてぎエンデューロらしさ。それは表彰にも現れており、「ジャストフィニッシュ賞」として制限時間ちょうどにもっとも近いタイミングでフィニッシュした人を対象とした賞も用意されている。
また規定の周回数を終えた方には、それぞれの種目に応じた「完走メダル」が贈られるのも嬉しい取り組み。そして、更に速い方には「Honor of Enduro」として、順位に応じて色分けされたバッジも贈られる。まず、完走メダルを目指して走り、次はHonor of Enduro、そしてゆくゆくは表彰台と、だんだんと目標をステップアップできるようになっているのも、よく考えられている。
ビギナーからベテランまで、あらゆるレベルのサイクリストが楽しめるように考え抜かれたもてぎエンデューロ。冒頭で、参加者数が昨対比2割増で「驚くべき」ニュースだと書いたけれど、改めてみればこれは失礼な表現だろう。
サイクリストを楽しませようという想いから生まれた多くの取り組みが実を結んだのだから、これはある意味で「当然の結果」なのだ。
今年はなんだか賑やかだな。メイン会場の人の往来が心なしか多い気がする。そんなぼんやりとした感覚は、どうやら当たっていたらしい。
秋のモビリティリゾートもてぎで開催された「もてぎエンデューロ」は、なんと前年比120%の参加者を集めた。コロナ禍以降のサイクルイベントを取り巻く状況を鑑みれば、驚くべきグッドニュースだと言えよう。
賑わいを見せるピットエリアを抜け、コースへと向かう。試走時間が終わり、ちょうど最初の種目の参加者たちがスタートラインへと進むタイミングだ。
多くの種目が用意されるもてぎエンデューロの中でも、最も盛大な声援が送られる「ひよこレース」がこの日のファーストレース。4歳~6歳の未就学児を対象にした、今日もっとも対象年齢の低い種目で、フラットな西コースを一周する。
フラットとはいえ、1.5kmもあるので子供たちにとっては大冒険。しかも見知らぬ人と横並びになって速さを競うなんて、人生最大の挑戦かもしれない。そのうえ、トッププロレーサーが一緒に走ってくれるのだ。
号砲とともにスタートダッシュを決めるキッズたち。でも、ちょっと怖かったのか、出遅れてしまう子がみんなに励まされてスタートを切る微笑ましい光景も。そうこうしているうちに、あっという間に先頭が帰ってきた。
近年大人のレースシーンではパワートレーニングの普及によって平均速度が上がっているという話もあるけれど、子ども達のパフォーマンスも上がっているように感じる。もちろんパワトレの話ではない。
一昔前であれば、この年代のレースだと補助輪付きの自転車に乗った子もちらほらいたものだけど、キックバイクの普及もあってか最近ではあまり見なくなった。機材やトレーニング方法の進化は、子どもの世界にも高速化をもたらしているのだ(笑)。
微笑ましい雰囲気のひよこレースの次は、小学生たちが火花を散らすキッズレース。低学年のレースと高学年のレースの2カテゴリーに分かれており、高学年レースはもてぎの本コース(4.8km)を一周する本格的なもの。
そうなってくると上位陣の機材は大人顔負けで、バイクもウェアもプロスペックだったり。よく考えてみれば、少ない力で作動し、コンパクトなサイズになる電動コンポーネントや油圧ブレーキは、手などが小さく非力な子どもたちにとってのほうがメリットも大きいのかもしれない。
白熱した子供たちのレースが終われば、ここからは大人の時間(笑)。以前であればここからメイン種目であるエンデューロレースが始まっていたけれど、今年は2つの新種目が登場した。
一つが「インフルエンサー選手権」。こちらはその名の通り参加者全員が何らかのSNSで5000人以上のフォロワーを持つインフルエンサーという種目。レース一周の後、パレードランを行うことに。NHKのチャリダーでママチャリヒルクライマーとして知られる戸丸大地さんや、世界大会で3位に入ったブレイクダンサーの井口もかさんなど、錚々たるメンツが登場。白熱したレースは、企画者でもあるyoutuberのまさくんが逃げ集団の頭を獲得。各SNSでのいいね数なども加味した総合勝者は漫画家のぬこー様ちゃんとなった。
インフルエンサー選手権に続いて出走したのが、「超ビギナークラス」。こちらもインフルエンサー選手権同様のまさくんプレゼンツの種目。ロードコースを2周するレースで表彰は無し。自分のペースで走れるのと、人口密度が低いのとで、初めてのイベントデビューにもピッタリ。女性ライダーやフラットバーバイクでの参加者も多く、それぞれ自分のペースでサーキット走行を楽しまれていた。
さて、ここからはメイン種目であるエンデューロレースが始まる。15mのコース幅を誇るもてぎのホームストレートにぎっしりとサイクリストが整列。その前列を毎年恒例のビッグゲストである新城幸也を筆頭に、宇都宮ブリッツェン、マトリックスパワータグ、ヴェロリアン松山らプロ選手、そしてまさくんが固める。
その中に共に並ぶのが、昨年の企業対抗賞とショップ対抗賞の優勝チーム。会社でのチームやショップチームとしてエントリーし、優勝すれば次の大会で最前列に並べるというプレミアムな待遇を手に入れられるとあって、毎回熱い戦いが繰り広げられている。
先導を務めるマヴィックカーには、なんと今年は抽選で当たった幸運なチームが同乗。選手たちを引き連れ、もてぎを2周するという貴重な機会を手に入れていた。
最多参加者数を誇る4時間エンデューロに続き、スタートを切るのが「フルマラソンライド」。今年の春大会で初めて開催された種目で、こちらもまさくんプレゼンツの企画となっている。
その名の通り42.195kmを走るというわかりやすい種目で、速い人なら1時間程度、ゆったり走っても2時間以内に帰ってこれるということもあり、多くの人が集まった。
4時間や6時間が長いと感じるライダーや、短距離レースが得意なライダーにとっては絶好の種目で、春大会での高評価も相まってか人気に火がついてきた様子。長時間のエンデューロと違い、ソロでの参加しやすさも人気の秘密なのかもしれない。
実際参加されている方の様子を見ても、幅広い層のサイクリストが参加している様子。最新のレーシングエアロロードにスキンスーツで固めているような真剣勝負派もいれば、先ほどの超ビギナークラスに出場していた方も。
まさくんプレゼンツの企画ということで、M.A.Sジャージの着用率も高め。ファンにとっては一緒に走れる機会というだけでも値千金のはず。更に完走者には特別デザインの完走メダルがもれなくプレゼントされるというのも嬉しいポイントだ。
そして、最長クラスである6時間エンデューロがスタート。こちらの集団はやはり歴戦のつわもの、といった雰囲気。長丁場の戦いということもあり、モトが先導する集団からはある種リラックスした空気も伝わってきた。
彼らの戦いの舞台となるロードコースは、一周4.8kmの間にいくつものコーナーとストレートが織り交ぜられる。わかりやすい勝負所となるのが、ホームストレートの先に現れる長い直登区間。700mを越える直登区間は勢いで乗り切るには長く、どうしても足を削られるポイントだ。
頂上のゲートを越え、ヘアピンを曲がればしばらくは下り。V字、S字のダウンヒルコーナーが続き、最も気持ちよくスピードに乗れる区間だ。そしてアンダーパスを抜ければ、再び勾配はプラスに転じる。
一見平坦に見えるほどの緩やかな登りだが、視覚からの情報と実際の負荷の乖離によって踏みすぎてしまう魔の区間。風向きによっては、更に負荷が上がるため位置取りも重要になってくる。その先、パドック裏を抜ければホームストレートへと帰ってくる。
さて、レースが動いている裏では色んなイベントも開催された。もてぎエンデューロの新たな顔となりつつある、まさくんのトークショーにはファンが詰めかけ、ここでしか聞けないような逸話に盛り上がる。
そして、毎年恒例の新城幸也トークショーでは、なんとまさくんがMCを務めることに。自身もレーサーであるまさくんから、日本を代表するトップレーサーに対し、様々な質問が投げかけられた。
ここ数年の人気企画である「俺が新城幸也を引っ張る!」ももちろん開催。ユキヤさんと共にサーキットを2周出来るという企画で、多くの応募の中から選ばれし幸運なチームが、夢のような時間を過ごした。
午後からは最後の種目となる2時間エンデューロもスタート。それに先立ち、ビギナークラス参加者向けの自転車クリニックも開催された。座学と実走を交えた効果的なクリニックで、初めて集団走行にチャレンジするという方も、このクリニックを受ければ自信がつくと評判のプログラム。今年は宇都宮ブリッツェンの選手らが講師を務めてくれた。
様々な企画を終えたころには、だんだん日も陰ってくる。4.8kmのロードコースを今年一番多く走り続けたのは、6時間エンデューロソロに参加した高橋誠。ただ一人、53周をこなして総合優勝の座に就いた。
しかし、ただ速い人だけが楽しめるわけではないのが、もてぎエンデューロらしさ。それは表彰にも現れており、「ジャストフィニッシュ賞」として制限時間ちょうどにもっとも近いタイミングでフィニッシュした人を対象とした賞も用意されている。
また規定の周回数を終えた方には、それぞれの種目に応じた「完走メダル」が贈られるのも嬉しい取り組み。そして、更に速い方には「Honor of Enduro」として、順位に応じて色分けされたバッジも贈られる。まず、完走メダルを目指して走り、次はHonor of Enduro、そしてゆくゆくは表彰台と、だんだんと目標をステップアップできるようになっているのも、よく考えられている。
ビギナーからベテランまで、あらゆるレベルのサイクリストが楽しめるように考え抜かれたもてぎエンデューロ。冒頭で、参加者数が昨対比2割増で「驚くべき」ニュースだと書いたけれど、改めてみればこれは失礼な表現だろう。
サイクリストを楽しませようという想いから生まれた多くの取り組みが実を結んだのだから、これはある意味で「当然の結果」なのだ。
リンク
Amazon.co.jp
Choice NIGHT PROTEIN (ナイトプロテイン) ホエイプロテイン ココア 1kg [ 人工甘味料 GMOフリー ] グラスフェッド プロテイン 国内製造 (BC30 乳酸菌使用)
CHOICE NUTRITION ( チョイス ニュートリション )