2024/11/09(土) - 14:30
ピーアールインターナショナルの毎年恒例、秋の展示会を訪問。様々な新製品が登場するなか、数多くの来場者を惹きつけたのはシュワルベの新型バルブだった。自転車の空気充填に変革をもたらせるイノベーティブなアイテムだ。
毎年秋に開催されているピーアールインターナショナルの展示会。今年は期日の前にシュワルベからびっくりするようなものがリリースされていると小耳に挟んでおり、そのニュースに期待を寄せながら東京・青山のドイツ文化会館に足を運んだ。
いざ会場に到着して、案内されたのはシュワルベのバルブ。Schwalbe Clik Valveという物で、仏式や米式とは全く異なる、新たな規格として生み出された革新的なバルブコアとポンプヘッドだ。
弁を開放と固定するパーツとバネが内蔵されており、対応ポンプヘッドを押し込むだけでバルブコアの開放と固定を行えることが特徴。仏式のように手作業で開放・固定を行わなくてよいスマートさと、不用意に扱ってバルブコアが曲がってしまう心配がない点が魅力のシステムだ。
さらにチューブレスタイヤに使用する時は空気の流量が50%向上するとシュワルベは説明する。実際に展示会で試したところ、ポンピングするときに感じる硬さが仏式よりも軽く、スムースに空気がタイヤに入っていくという印象を受けた。CLIKという名前の通り、ポンプヘッドを装着した時にクリック感があるため、ポンプヘッドを固定できたかどうかを感じやすい点も好感触だ。
Schwalbe Clik Valveは、バルブコア取外し可能な従来のチューブに対応し、専用のポンプヘッドも従来のポンプの米式穴に差し込むことでクリック化できる。また従来の仏式ポンプヘッドからも空気充填が可能なため、アダプターがない状況にも対応可能。
販売はバルブコアキット(アダブター含む)と、チューブレスバルブの2種類だ。ポンプはSKSからAIR X-PLORERのヘッドをSchwalbe Clik Valveとしたモデルが登場している。
バルブコアを壊す不安もなく、ポンピング回数が少なくなる流量を実現しているSchwalbe Clik Valveは、サイクリング中のパンク対応でのストレスを低減してくれるはず。100年以上姿を変えない仏式などのバルブを置き換えるイノベーションにチャレンジしているシュワルベの今後には期待したいところ。
今回の展示会では元プロレーサーそして長距離イベントで活躍する三船雅彦さんが使用するバイクの展示も行われていた。三船さんが使用するのはセカンドグレードのONE。フラッグシップのPRO ONEもテストした上であえてのチョイスだという。装備されているONEは2000km以上も走行しているはずなのに新品のよう。
他にも2600km走破したPRO ONEと3380km走破したDURANO PLUSも摩耗こそしているが、タイヤに小石が食い込むなどパンクのリスクを感じさせる要因は見当たらなかった。この強さ、耐久性の高さはシュワルベの大きな魅力だ。
グラベルタイヤのエントリーグレード”G-ONE COMP”がラインアップに加えられている。ワイヤービードを採用しており、税込4,400円の設定とされているため、グラベルライダーのみならず通勤通学などに最適な一本と言えるだろう。
MTB XCOの強豪選手マティアス・フルッキガーと共同開発を行ったRICK XCも登場。センターノブは小さく作られており、サイドはやや大きめのノブを採用することで、転がりの軽さとコーナリンググリップを強化した。
そして参考出品としてラジアル構造のマウンテンバイクタイヤも披露。かつて開発にチャレンジしたブランドがあったものの、自動車やオートバイのように主流となることがなかったラジアル構造にシュワルベが着手した。
ラジアル構造のケーシングを採用することで、タイヤの接地面積を30%向上(同じ空気圧で比較)。また、しなやかさやグリップ力向上などメリットもあり、よりアグレッシブにマウンテンバイクライドを楽しめるようにはずだ。設計の複雑さや価格が高くなりがちなラジアルタイヤだが、近年のチューブレスタイヤのように定着するかは注目だ。
ピーアールインターナショナルが取り扱う主力ブランドの一つであるオルトリーブから、ユーロバイクアワードを獲得したVelo Slingと、Sling Bag Metrosphereという2種類のボディバッグが登場。
Velo Slingはハンドルバーバッグとしても使える便利バッグであり、サイクリングユースにはうってつけ。ライド途中にコンビニやカフェに立ち寄りたい時に貴重品入れとして活躍してくれるはずだ。
Sling Bag Metrosphereは、普段使いやハイキングなどアウトドアアクティビティにおすすめのミニマルなバッグ。オルトリーブが誇る防水生地と、マグネットで固定するロールクロージャー式を採用しているため、荷物が水で濡れてしまう心配も少ない。
またオルトリーブは定番のQUICK LOCK SYSTEMを2.2にアップデート。スペーサーではなく搭載された機構によって、キャリアのチューブ径に合わせて素早く調整ができ、別のキャリアに載せ替える時にその場で対応が可能となった。Back-Roller PLUSとURBANは早速、QL2.2に切り替わっている。
Commuter InsertのSサイズもラインアップに加わっており、コンパクトサイズのバッグでもポケットやスリーブを駆使して収納できるようになった。
ラック関連ではタイヤ幅の広いグラベルやMTBにフィットするQuick Rack Lと、さらに耐荷重を27kgまで高めたQuick Rack XLが登場。またHandlebar Rackは自由に荷物を積載できるキャリアで、3箇所の取り付け位置を変更することで、荷物の大きさや形状に柔軟に対応できる。オルトリーブとクリックフィックスシステムに対応しているのも特徴だ。
SKSは先述したフロアポンプに加えて、52mmのタイヤ幅にも対応できるフェンダーのSPEED ROCKER XLや、取り付け場所の自由度が高いURBAN STEM BAGなども登場している。
リクセンカウルはクリックフィックスシステムに搭載できるガーミンマウントをリリース。人気のPhone Pad loopは大型スマホに対応するべくサイズアップを果たした。厚みも増して強度も高められているため、安心してスマホを預けられそうだ。
展示会で披露されたシュワルベの革新的な新製品は、サイクリストの利便性と快適性を大きく向上させる可能性を秘めている。100年以上も変わらなかった仏式バルブに革新をもたらすSchwalbe Clik Valveや、ラジアル構造のマウンテンバイクタイヤへの挑戦は、同社が常に業界の発展を牽引し、ユーザーのニーズに応える製品開発に取り組んでいることの表れだ。シュワルベの今後の革新的な技術開発に大いに期待が持てる展示会であった。
report:Gakuto Fujiwara
毎年秋に開催されているピーアールインターナショナルの展示会。今年は期日の前にシュワルベからびっくりするようなものがリリースされていると小耳に挟んでおり、そのニュースに期待を寄せながら東京・青山のドイツ文化会館に足を運んだ。
いざ会場に到着して、案内されたのはシュワルベのバルブ。Schwalbe Clik Valveという物で、仏式や米式とは全く異なる、新たな規格として生み出された革新的なバルブコアとポンプヘッドだ。
弁を開放と固定するパーツとバネが内蔵されており、対応ポンプヘッドを押し込むだけでバルブコアの開放と固定を行えることが特徴。仏式のように手作業で開放・固定を行わなくてよいスマートさと、不用意に扱ってバルブコアが曲がってしまう心配がない点が魅力のシステムだ。
さらにチューブレスタイヤに使用する時は空気の流量が50%向上するとシュワルベは説明する。実際に展示会で試したところ、ポンピングするときに感じる硬さが仏式よりも軽く、スムースに空気がタイヤに入っていくという印象を受けた。CLIKという名前の通り、ポンプヘッドを装着した時にクリック感があるため、ポンプヘッドを固定できたかどうかを感じやすい点も好感触だ。
Schwalbe Clik Valveは、バルブコア取外し可能な従来のチューブに対応し、専用のポンプヘッドも従来のポンプの米式穴に差し込むことでクリック化できる。また従来の仏式ポンプヘッドからも空気充填が可能なため、アダプターがない状況にも対応可能。
販売はバルブコアキット(アダブター含む)と、チューブレスバルブの2種類だ。ポンプはSKSからAIR X-PLORERのヘッドをSchwalbe Clik Valveとしたモデルが登場している。
バルブコアを壊す不安もなく、ポンピング回数が少なくなる流量を実現しているSchwalbe Clik Valveは、サイクリング中のパンク対応でのストレスを低減してくれるはず。100年以上姿を変えない仏式などのバルブを置き換えるイノベーションにチャレンジしているシュワルベの今後には期待したいところ。
今回の展示会では元プロレーサーそして長距離イベントで活躍する三船雅彦さんが使用するバイクの展示も行われていた。三船さんが使用するのはセカンドグレードのONE。フラッグシップのPRO ONEもテストした上であえてのチョイスだという。装備されているONEは2000km以上も走行しているはずなのに新品のよう。
他にも2600km走破したPRO ONEと3380km走破したDURANO PLUSも摩耗こそしているが、タイヤに小石が食い込むなどパンクのリスクを感じさせる要因は見当たらなかった。この強さ、耐久性の高さはシュワルベの大きな魅力だ。
グラベルタイヤのエントリーグレード”G-ONE COMP”がラインアップに加えられている。ワイヤービードを採用しており、税込4,400円の設定とされているため、グラベルライダーのみならず通勤通学などに最適な一本と言えるだろう。
MTB XCOの強豪選手マティアス・フルッキガーと共同開発を行ったRICK XCも登場。センターノブは小さく作られており、サイドはやや大きめのノブを採用することで、転がりの軽さとコーナリンググリップを強化した。
そして参考出品としてラジアル構造のマウンテンバイクタイヤも披露。かつて開発にチャレンジしたブランドがあったものの、自動車やオートバイのように主流となることがなかったラジアル構造にシュワルベが着手した。
ラジアル構造のケーシングを採用することで、タイヤの接地面積を30%向上(同じ空気圧で比較)。また、しなやかさやグリップ力向上などメリットもあり、よりアグレッシブにマウンテンバイクライドを楽しめるようにはずだ。設計の複雑さや価格が高くなりがちなラジアルタイヤだが、近年のチューブレスタイヤのように定着するかは注目だ。
ピーアールインターナショナルが取り扱う主力ブランドの一つであるオルトリーブから、ユーロバイクアワードを獲得したVelo Slingと、Sling Bag Metrosphereという2種類のボディバッグが登場。
Velo Slingはハンドルバーバッグとしても使える便利バッグであり、サイクリングユースにはうってつけ。ライド途中にコンビニやカフェに立ち寄りたい時に貴重品入れとして活躍してくれるはずだ。
Sling Bag Metrosphereは、普段使いやハイキングなどアウトドアアクティビティにおすすめのミニマルなバッグ。オルトリーブが誇る防水生地と、マグネットで固定するロールクロージャー式を採用しているため、荷物が水で濡れてしまう心配も少ない。
またオルトリーブは定番のQUICK LOCK SYSTEMを2.2にアップデート。スペーサーではなく搭載された機構によって、キャリアのチューブ径に合わせて素早く調整ができ、別のキャリアに載せ替える時にその場で対応が可能となった。Back-Roller PLUSとURBANは早速、QL2.2に切り替わっている。
Commuter InsertのSサイズもラインアップに加わっており、コンパクトサイズのバッグでもポケットやスリーブを駆使して収納できるようになった。
ラック関連ではタイヤ幅の広いグラベルやMTBにフィットするQuick Rack Lと、さらに耐荷重を27kgまで高めたQuick Rack XLが登場。またHandlebar Rackは自由に荷物を積載できるキャリアで、3箇所の取り付け位置を変更することで、荷物の大きさや形状に柔軟に対応できる。オルトリーブとクリックフィックスシステムに対応しているのも特徴だ。
SKSは先述したフロアポンプに加えて、52mmのタイヤ幅にも対応できるフェンダーのSPEED ROCKER XLや、取り付け場所の自由度が高いURBAN STEM BAGなども登場している。
リクセンカウルはクリックフィックスシステムに搭載できるガーミンマウントをリリース。人気のPhone Pad loopは大型スマホに対応するべくサイズアップを果たした。厚みも増して強度も高められているため、安心してスマホを預けられそうだ。
展示会で披露されたシュワルベの革新的な新製品は、サイクリストの利便性と快適性を大きく向上させる可能性を秘めている。100年以上も変わらなかった仏式バルブに革新をもたらすSchwalbe Clik Valveや、ラジアル構造のマウンテンバイクタイヤへの挑戦は、同社が常に業界の発展を牽引し、ユーザーのニーズに応える製品開発に取り組んでいることの表れだ。シュワルベの今後の革新的な技術開発に大いに期待が持てる展示会であった。
report:Gakuto Fujiwara
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