宮城県亘理郡亘理町の「鳥の海公園」特設コースで行われたJCXシリーズ第2戦で、沢田時(宇都宮ブリッツェン)と小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)がそれぞれ独走勝利した。マスターズカテゴリーやその他のカテゴリーと共にレポートしていく。



女子エリート:小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)がJCX2連勝

女子最高峰であるWE1のフロントロー photo:Michinari TAKAGI

10月27日に宮城県亘理郡亘理町の「鳥の海公園」特設コースで、AJOCC JCXシリーズ第2戦である「東北シクロクロスシリーズ2024 第1戦 わたりラウンド」が開催された。会場は秋晴れにより路面コンディションはドライに保たれ、最高気温は21℃と日差しが差すと暑さすら感じるほど。

オーガナイザーを務める菅田純也さんが「テクニカルかつハイスピードなヨーロッパレースに近いコースを意識しました」と言うコースは、その言葉通りテクニカルなキャンバーの折り返しや登り返し、砂利、芝、階段、シケインといったシクロクロスに登場するすべての要素を取り入れられた。

小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)がホールショットを獲得 photo:Michinari TAKAGI

女子最高峰であるWE1のフロントローには、全日本チャンピオンの小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)やJCX開幕戦で3位に入った竹村舞葉(SHIDO-WORKS)、大蔵こころ(早稲田大学)、小田恵利花(SNEL CYCLOCROSS TEAM)らが並ぶ。

勢い良いスタートでホールショットを獲得したのは小林だった。ミスを出さず、出自のMTBスキルを活かした走りでテクニカルなキャンバーセクションもスムーズに走り抜ける。気づけば2番手グループを組む大蔵と小田との差は大きく広がっていた。

単独2位に立った小田恵利花(スミタ・エイダイ・パールイズミ・NASK Trading・ラバネロ) photo:Michinari TAKAGI
その後小田と2位を入れ替わった大蔵こころ(早稲田大学)が先頭の小林を追う photo:Michinari TAKAGI


全日本チャンピオンの小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)が後続とのギャップを広げていく photo:Michinari TAKAGI

2番手グループは混戦となった。直線区間でペースアップをした小田がコーナーの進入で大蔵を抜き去り、単独2位に順位を上げたものの、テクニカルセクションで大蔵が小田を抜き返す。さらに小田を抜き去った竹村が3番手に入り、表彰台メンバーが選び出された。

安定した強い走りで独走状態をキープした小林が、JCX開幕戦に続く2連勝をマーク。「東北シクロクロスは初参戦でしたが、テクニカルでハイスピードなコースだったのでとても楽しみながら走ることができました。今シーズンの最大の目標は全日本選手権の連覇なので、そこに向けて良いレースができたと思います!」と、喜びと今後の抱負を語った。

土手を駆け上がる大蔵こころ(早稲田大学) photo:Michinari TAKAGI
3位まで順位を上げた竹村舞葉(SHIDO-WORKS) photo:Michinari TAKAGI


小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)が後続を5分以上離し、JCX2連続優勝 photo:Michinari TAKAGI

女子エリートの表彰式 photo:Michinari TAKAGI




男子エリート:沢田時(宇都宮ブリッツェン)が今シーズン初勝利

ME1の選手たちが一斉にスタートし、ホールショットを狙う photo:宇都宮ブリッツェン

男子エリートレースの最前列に並んだのは沢田時(宇都宮ブリッツェン)と小坂光(Utsunomiya Lux)、鈴木来人(OnebyESU-ICV)、加藤健悟(臼杵レーシング)ら。日本選手権2連覇中の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)はUCIポイントを稼ぐためにイタリア遠征中で、JCXの開幕戦を制した副島達海(大阪産業大学)は関西クロス参戦のためそれぞれ不在となった。

実質的なライバル2人が不在の環境で、「今日は自分を追い込むことに集中したい」とレース前にコメントしていた沢田がホールショットを獲得。快調に飛ばす沢田に続いたのは鈴木で、1周目からこの2名が後続とのリードを広げていった。

沢田時(宇都宮ブリッツェン)が華麗なバニーホップでシケインを越える photo:宇都宮ブリッツェン

沢田時(宇都宮ブリッツェン)と鈴木来人(OnebyESU-ICV)の先頭パック photo:宇都宮ブリッツェン

しばらく一緒に走っていた沢田と鈴木だったが、3周目になると均衡が破れた。鈴木が遅れ、沢田が独走状態になる。その後ろでは鈴木と加藤による2位集団に、徐々に小坂が迫っていく展開だ。

最終周回まで安定した走りをキープした沢田は両手を大きく広げながらフィニッシュ。今シーズン初勝利を決めた。2位は序盤から先頭争いをしていた鈴木、3位には後続から追い上げ、加藤を抜いた小坂が入った。

沢田時(宇都宮ブリッツェン)が今シーズン初勝利 photo:宇都宮ブリッツェン

男子エリート表彰式 photo:Michinari TAKAGI

今季のシクロクロスで初優勝を飾った沢田は「全日本選手権に向け、全力で追い込みきることが今回の目標でした。コーナーの立ち上がりは全開で踏もうと思っていて、3周目から独走になったのでペースを保ちながら優勝できました。今回は全日本チャンピオンがいなかったですし、勝ててほっとしましたが、全日本選手権に向けて更に仕上げていきます!」とコメントしている。



その他のレース結果

ジュニアはスプリントで制した松村拓弥(群馬グリフィンレーシングチーム)が優勝。MU17は三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19)、WU17は小林碧(ProRide)、MU15は飯島大也(Team CHAINRING)、 WU15は阿部怜奈が優勝を決めた。

昨シーズンの東北CXシリーズチャンピオンジャージが贈られた photo:Michinari TAKAGI
ME2の表彰式 photo:Michinari TAKAGI


MU17の表彰式 photo:Michinari TAKAGI
MJとMM40は時差スタート photo:Michinari TAKAGI


MM60の表彰式 photo:Michinari TAKAGI
オーガナイザーを務める菅田純也さん photo:Michinari TAKAGI


マスターズクラスのMM35は中里貴裕(5o’clock)、MM40は藤山龍太(TTGミトロングV)、MM50は中島由裕、MM60は増田謙一(SHIDO-WORKS)が優勝。

ME2は笹野祐(ホダカファクトリーレーシング)、ME3は竹田天飛(弱虫ペダルサイクリングチーム)、WE2+3は開沼美結(Team CHAINRING)、ME4は齋藤拓真(スゴイカッコイイシクロクロスチーム東北)が上位クラスへの昇格を決めている。
エリート女子(WE1)リザルト
1位 小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム) 52:04.4
2位 大蔵こころ(早稲田大学) +5:14
3位 竹村舞葉(SHIDO-WORKS) +6:25
4位 小田恵利花(スミタ・エイダイ・パールイズミ・NASK Trading・ラバネロ) -2Lap
5位 林口幸恵(Gufo cycleworks) -2Lap
エリート男子(ME1)リザルト
1位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) 1:00:31
2位 鈴木来人(OnebyESU-ICV) +1:36
3位 小坂光(Utsunomiya Lux) +1:56
4位 加藤健悟(臼杵レーシング) +2:05
5位 野中秀樹(ホダカファクトリーレーシング) +2:14
その他カテゴリーのリザルト
ME2 笹野祐(ホダカファクトリーレーシング)
ME3 竹田天飛(弱虫ペダルサイクリングチーム)
ME4 齋藤拓真(スゴイカッコイイシクロクロスチーム東北)
WE2+3 開沼美結(Team CHAINRING)
MM35 中里貴裕(5o’clock)
MM40 藤山龍太(TTGミトロングV)
MM50 中島由裕
MM60 増田謙一(SHIDO-WORKS)
MJ 松村拓弥(群馬グリフィンレーシングチーム)
MU17 三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19)
WU17 小林碧(ProRide)
MU15 飯島大也(Team CHAINRING)
WU15 阿部怜奈
CK3 飯島花怜(Team CHAINRING)
CK2 横田和晴(イオンバイクJr.レーシング)
CK1 山田晴斗(ラバネロ)

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