女子ジュニア個人TT世界一はイギリスのキャット・ファーガソン。ロード、トラック、そしてシクロクロスと幅広く活躍し、モビスター加入を決めた18歳がロード種目初のアルカンシエルを獲得した。



最終走者、キャット・ファーガソン(イギリス)がスタートを待つ photo:UCI

男女エリートの個人タイムトライアルコース後半のフラット区間を往復する18.8kmで行われた女子ジュニアの個人タイムトライアル。気温13度と肌寒い気候の中、34ヶ国58名から選りすぐられた16〜18歳の選手たちが次々とスタートを切った。

中間地点に用意された計測ポイントで、欧州個人TT2位フィー・クナーフェン(オランダ)の暫定トップタイムを約9秒上回った最終走者キャット・ファーガソン(イギリス)がそのままハイペースを貫く。後半区間でタイムを伸ばしたヴィクトリア・シャラドノヴァ(スロバキア)やイモージェン・ウォルフ(イギリス)をも上回ったファーガソンが、24分弱のタイムトライアルでシャラドノヴァを34秒上回る圧倒的なペースメイクで勝利した。ファーガソンの平均スピードは47.338km/hに及んでいる。

3位に入ったイモージェン・ウォルフ(イギリス) photo:UCI

圧倒的なペースで突き進むキャット・ファーガソン(イギリス) photo:UCI

「信じられない気分。前に自分が犯した失敗経験がこのジャージをより特別なものにしてくれていると思う。この走りを叶えるために経てきたプロセスは、信じられないものだった。たくさんの人に感謝しないといけない。うまく表現できないけれど、ここまで協力してくれた人たち全員にお礼を伝えたい」と、チームメイトのウォルフと共に表彰台に登り、アルカンシエルと金メダルを受け取ったファーガソンは言う。

ファーガソンはシクロクロスとトラック、そしてロードの3種目でナショナルチーム入りする、イギリス期待のマルチタレント選手。昨年のロード世界選手権ではロードで2位、個人TTで10位と優勝を取りこぼしていたものの、今年8月に開催されたトラック世界選手権ではイギリスのチームパシュート優勝に貢献し、続くオムニアムでも優勝。ロードでは8月1日から研修生としてモビスターに合流するやいなやUCI2クラスのレースで優勝を挙げている。自身のアルカンシエル獲得はロードでは初、トラックも含めれば今年3枚目だ。

ロード世界選手権2024 女子ジュニアタイムトライアル表彰台:1位ファーガソン、2位シャラドノヴァ、3位ウォルフ photo:UCI

今年出場したロードレースでは17戦中9勝、総合優勝3回、表彰台を取りこぼしたのは1回だけという圧倒的な勝率を誇るファーガソンは、21歳となる2027年までモビスターに所属することが決まっている。加速力とスピード、さらにテクニックを兼ね備える18歳を覚えておくべきだろう。

ロード世界選手権2024 女子ジュニアタイムトライアル結果
1位 キャット・ファーガソン(イギリス) 23.49
2位 ヴィクトリア・シャラドノヴァ(スロバキア) +0:34
3位 イモージェン・ウォルフ(イギリス) +0:36
4位 フィー・クナーフェン(オランダ) +0:47
5位 カミラ・アアセボ(ノルウェー) +0:54
6位 ローレン・ベイツ(オーストラリア) +0:58
7位 パウラ・オスティス(スペイン) +1:03
8位 メッサネ・ブラウティガム(ドイツ) +1:09
9位 メーガン・アレンス(オランダ) +1:09
10位 シドニー・スウェレンガ(カナダ) +1:09
text:So Isobe
photo:CorVos

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