ロードヨーロッパ選手権3日目に行われた女子エリートのロードレース。集団スプリントからロレーナ・ウィーベス)が自身2度目の優勝を果たすと共に、オランダに6年連続8度目のチャンピオンジャージをもたらした。



ディフェンディングチャンピオンであるミーシャ・ブレーデウォルツを擁するオランダ photo:CorVos

ヨーロッパ選手権の最終日前日である9月14日(土)に行われたのは、全99名の選手が争った女子エリートのロードレース。コースは前日の男子U23と同じフースデン・ゾルデルからハッセルトを結ぶ162kmで、計6箇所の石畳区間が設定されたスプリンター有利な平坦路だ。

昨年の優勝者の証であるゼッケン1をつけたのは厳しい展開からのスプリントが得意なミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ)。また前回2位のロレーナ・ウィーベスを擁する強豪オランダは、序盤から落車など混沌としたメイン集団をコントロールした。

ミレイア・ベニト(スペイン)が単独で逃げ、ジャド・ヴィエル(フランス)がプロトンを飛び出し合流を目指す。しかしヴィエルの追走が届くことはなく、ベニトも残り58km地点で集団に吸収。その後オドレー・コルドンラゴ(フランス)とリアヌ・リッパート(ドイツ)に、ブレーデウォルツを含むオランダ3名を含む5名の先頭集団が形成された。

単独で逃げたミレイア・ベニト(スペイン) photo:CorVos

その後もアタックは繰り返され、残り12kmでプロトンはひと塊に戻る。そしてオランダが攻撃を封じるハイペースで牽引し、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。

残り1km地点を通過したオランダのトレインは崩れ、代わりに元世界王者であるエリーザ・バルサモがエースのイタリアが先頭に立つ。チームメイトを見失い単独となってしまったウィーベスはポーランドの背後を利用し、緩い左コーナーでイタリアのトレインに乗り換えた。

フィニッシュ手前200mでウィーベスは先にスプリントを開始。一拍遅れたバルサモが慌てて踏み込んだものの、トップスピードに乗るウィーベスには届かなかった。

集団スプリントを制し、自身2度目の優勝を飾ったロレーナ・ウィーベス(オランダ) photo:CorVos

2022年に優勝して以来、2度目のヨーロッパ王者に輝いたウィーベス。「素晴らしいチームワークを勝利に繋げることができて、本当に嬉しい。最終周回に入り(勝たなければならないという)プレッシャーを感じた。混沌としたスプリントで集団の中に埋もれてしまったが、イタリアのトレインを見つけて背後についた。そして残り200mからスプリントした。いつもスプリントに怖さは感じるが、冷静さを保ち集中力を高めた」と振り返った。

6年連続でヨーロッパ王者ジャージを守ったオランダ。2018年大会のマルタ・バスティアネッリ(イタリア)を除き、初開催の2016年から8度目の優勝という圧倒的な強さを証明した。

ロードヨーロッパ選手権2024 女子エリートロードレース表彰台:2位エリーザ・バルサモ(イタリア)、1位ロレーナ・ウィーベス(オランダ)、3位ダリア・ピクリク(ポーランド) photo:CorVos
ロードヨーロッパ選手権2024 女子エリートロードレース結果
1位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ) 3:56:34
2位 エリーザ・バルサモ(イタリア)
3位 ダリア・ピクリク(ポーランド)
4位 クララ・コッポニ(フランス)
5位 インヴィル・ゴーシャン(ノルウェー)
6位 カトリン・シュヴァインバーガー(オーストリア)
7位 エマセシル・ノルスゴー(デンマーク)
8位 カタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー)
9位 ラサ・レレイビテ(リトアニア)
10位 クリスティーヌ・マジュラス(ルクセンブルク)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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