「常にプロフェッショナルであり続けようとした成果」と、念願の勝利を掴んだシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)は喜ぶ。総合表彰台に上がり「夢のようだ」と語ったオコーナーや、特別賞ジャージを獲得した選手たちのコメントを紹介します。



ステージ優勝 シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)

平均時速を55kmに乗せる、圧巻の走りを披露したシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) photo:CorVos

本当に素晴らしい瞬間だ。長きに渡りグランツールでのステージ優勝を目指し戦ってきた。今日の勝利を狙っており、このコースは強く踏み込み、最後までそれを維持しなければ勝てないと分かっていた。だからそれを実行するように痛みに耐えながら走った。だがこの厳しいブエルタで苦しいのは皆同じだろう。

30秒以上の差で勝つのは嬉しいこと。なぜなら偶然ではなく自分が一番であることの証明だからね。チームとしての取り組みと、新しいバイクを共に進化させたウィリエールとの協力がこの勝利に繋がった。僕を含む皆が努力した結果だよ。

僕は常にプロフェッショナルであろうと、自分の最大限の力を出し続けている。いまはとても良い気分で、この後も大事な個人タイムトライアルのレースが待っている。今日の勝利はそこに向けて大きな自信となったし、この良い調子のまま臨みたい。このブエルタは母国スイスで行われるロード世界選手権に向けての良い準備となった。だが世界選手権で勝つのは簡単ではないだろう。

総合2位 ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)

念願の総合表彰台に上がったベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) photo:CorVos

まるで夢のようだ。これまでグランツールでの総合表彰台に迫ったことはあるが、このような形で目標を達成することができて嬉しいよ。今朝、ガチガチに緊張していたんだ。だが僕のコーチが昨晩現地入りして、チームカーでサポートしてくれた。彼には本当に感謝しているよ。そのおかげでプレッシャーから少しだけ解消された。

まさか第19ステージの時点でマイヨロホを着用しているとは思わなかった。いつの日か総合優勝も可能なのではないかと思わせてくれた。ジロ・デ・イタリアの後、総合優勝を諦める気持ちになったんだ。そこから気持ちを立て直し、この結果には大きな喜びを感じているよ。

マイヨプントス(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)

カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:Unipublic

昨年とは大分違った感情がある。今年はワウト(ファンアールト)が落車リタイアし、僕にジャージが回ってきた。でもこのジャージと共に大会を終えることができて嬉しいし、チームも3週間を通して良い走りを見せてくれた。

マイヨブランコ(ヤングライダー賞)マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)

好走でマイヨブランコを守ったマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) photo:CorVos

僕はやり遂げた!とても嬉しいが、総合を争っていた選手は全員疲れているだろうね。クレイジーなほど厳しいブエルタだった。毎日タンクの中身を空っぽにする戦いが、初日のポルトガルから続いた。

今日のレースには自信を持って臨むことができ、良い機材と共に良いタイムトライアルができると思っていた。すべてが上手く行けば良い結果を得られるとも。この結果は(選手キャリアの)ブレークスルーではなく、節目だ。なぜなら僕のブレークスルーは(総合優勝を飾った)昨年のツール・ド・スイスだったからね。

総合を争う初めてのグランツールかつ、この厳しいブエルタを総合5位で終えることができた。僕より上にも、下の順位にも素晴らしい選手がいるので、本当に嬉しい結果だよ。

マイヨモンターニャ(山岳賞)ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)

ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ) photo:Unipublic

2年前の大会で、僕は山岳賞ランキングで十分なリードを得ており、区間2勝とこれ以上ない成績でマドリードを目指していた。だが第18ステージで悲劇に襲われた。その途中で潰えたブエルタを、こうして終えることができて本当に嬉しいよ。僕のシーズンがようやく始まった気がするので、この後のレースが楽しみだ。

(4月の椎骨骨折から)復帰することができて掴むことができた本当に素晴らしい結果。回復は驚くほど順調だったが、怪我した当初は再び自転車に乗ることができるかも分からなかった。だからこの場にこのジャージを着てやってくることができ、夢のようだよ。

総合敢闘賞 マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)

マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) photo:Unipublic

何度も逃げに乗り、この賞とステージ1勝は嬉しい結果だ。とても厳しいブエルタだったが、僕にとっては急勾配の登りが多かったが良い方向に作用した。それがラゴスでのステージ優勝を可能にしたのだからね。

ジョアン・アルメイダのリタイアがなければチームの状況は変わっていただろう。だが僕たちはそれを上手く乗り越え、複数のステージでの勝利とチーム総合優勝、そして山岳賞ジャージを手に入れた。だからとても嬉しいよ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos