「危険な状況の中チームメイトが展開をコントロールしてくれた」と3勝目を掴んだカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)は感謝した。同じオーストラリア出身選手の勝利を喜ぶオコーナーなど、ブエルタ17日目を終えた選手たちの言葉を紹介します。



ステージ優勝&マイヨプントス カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)

マイヨプントスを着用してスプリントステージに臨んだカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

スタートした時は(路面が)ドライだったものの、レース終盤の大半が雨の中で行われた。路面が濡れて危険なレースだったよ。今日はチームメイトが力強い牽引でレースをコントロールした。またDSMとケルンファルマも牽引を手伝ってくれ、(終盤にアタックした選手たちも)ラスト1km辺りで捕まえてくれた。本当にスーパーチームだったよ。

今日はおそらく僕が勝利を狙える最後のステージ。モチベーションの高いチームがスタートから逃げとの差をコントロールしてくれ、3勝目で彼らの走りに報いることができた。本当に嬉しいよ。

マイヨプントス(ポイント賞)と区間3勝目を喜ぶカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:Unipublic

プレッシャーは感じていたが、それは僕の調子が良いからくるもの。また僕には本当に強いチームメイトがいるんだ。彼らからの信頼を勝利で応えることができた。山岳ステージでは僕が制限時間内にフィニッシュできるように導いてくれ、今日のようなスプリントステージでは1日中集団の先頭を牽いてくれる。本当に感謝だよ。

ステージ2位 パヴェル・ビットネル(チェコ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)

グローブスに迫るパヴェル・ビットネル(チェコ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) photo:Unipublic

ラスト40kmはチームメイトが僕を良い位置で守ってくれた。ついていくのでさえ必死だったので、集団先頭を牽いていた皆がどれだけ力を使ったのかは明らかだ。終盤は冷静でいようと心がけた。マックス(プール)がマウロ(シュミット)のアタックに追従する良い動きを見せた。

僕はカーデン(グローブス)の背後につき、トリッキーなコーナーを抜けた。彼の後ろでタイミングを見計らい、スプリントした彼を回り込むように先頭を目指した。だがフィニッシュまでの十分な距離かスピードが足りなかった。彼の強さには脱帽だし、本当にタフな1日だった。

ステージ3位 パウ・ミケル(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)

アルペシンの集団牽引はエキポ・ケルンファルマやDSMフィルメニッヒ・ポストNLも力を貸した photo:CorVos

素晴らしい走りを見せてくれたチームメイトには感謝している。集団スプリントに持ち込まれると分かっていたが、ラウンドアバウトや雨で難しい終盤となった。勝利に迫ることができて嬉しいし、チームの走りを誇りに思う。ここ数年僕らは努力を重ねたことが、今大会の良い結果につながっている。

リードアウトからグローブスを勝利へと導いたエドワルト・プランカールト(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)

ただでさえトリッキーなスペインのコースに、今日は雨という要素が加わった。だが僕らは(終盤に)3名を残し、スピードを上げると共にリスクを犯しながら先頭に立った。

―残り3kmから飛び出した3名を捕まえるのに、なぜ時間がかかったのか?

平坦路であったことと、風の影響もあった。だけど強い僕たちならば絶対に追いつけると思っていたよ。この後はマドリードを目指し、ささやかなパーティーを楽しみたい。

逃げから勝利を狙ったヨナス・グレゴー(デンマーク、ロット・デスティニー)

ヨナス・グレゴー(デンマーク、ロット・デスティニー)ら4名の逃げ集団 photo:CorVos

今日は逃げ切り勝利を狙うには良いステージだと思っていた。もう少し強い逃げ集団になることを願っていたが、自分の走りと感覚には満足しているよ。

―具体的に足りなかったのは逃げの人数か?それとも逃げ集団におけるパワーか?

両方だね。逃げの中で半分以上前を牽かなかった選手が1人いた。スペイン人選手だ。あと2人多ければ逃げ切りのチャンスがあったと思う。

マイヨロホ ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)

この日もマイヨロホを守ったベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) photo:Unipublic

オーストラリア人が勝つ姿を見るのは嬉しいことだ。これでオーストラリア人による勝利は4度目となり、本当に素晴らしい。今日雨は降っていたがそこまで厳しいステージではなかった。ここまでチームメイトは長い時間、集団牽引していたので、彼らの良い休息となった。明日は逃げのコントロールをもっと積極的に行わなければいけないだろう。だが比較的楽な終盤になるはずだ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Unipublic