2週目を終えたブエルタ・ア・エスパーニャで総合首位に立つベン・オコーナー(デカトロンAG2Rラモンディアル)と、1分3秒差で追うプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)の休息日インタビューを実施。マイヨロホを争う2人が2週目の振り返りと3週目への展望を語った。



総合首位に立つオコーナーと追いかけるログリッチ photo:CorVos

開催中の第79回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月2日(月)、アストゥリアス州オビエドで2度目の休息日を迎えた。気温40度を超える灼熱の1週目から、比較的過ごしやすいスペイン北部に移動した2週目。集団スプリントや逃げ切りでの決着が続いたものの、総合優勝争いはより僅差の戦いに持ち込まれた。

第6ステージの逃げ切り勝利から総合首位に立ち続けるベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)と、総合2位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)とのタイム差は1分3秒。第9ステージ終了時に3分53秒あった差を、ログリッチは6日間で2分50秒縮めたことになる。

追うログリッチと追われるオコーナー。マイヨロホを争う2人の休息日インタビューを紹介する。



ログリッチ「もうバイク交換なんてしない」

山岳ステージでオコーナーからタイムを取り戻すプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

オンライン記者会見で真っ先に質問が飛んだのは、第15ステージでログリッチが受けた20秒のタイムペナルティについて。最終山岳を前にフロントシングルの決戦用バイクに交換したログリッチは、集団復帰時にチームカーを風よけに使用したとして、UCIポイントの剥奪(-15pts)と20秒が加算された。

ログリッチ:(処分は)いまさら変えられないし、20秒増えたタイムを取り戻すだけだ(笑)。この処分に納得はしていないし、もちろんそんなペナルティなんてない方がいい。だがしょうがないことだと思っているよ。

バイク交換した理由は残り3kmからの急勾配でより軽いギヤを使いたかったから。だがもうあんなことはしないよ。失うものが大きすぎたからね(笑)。

バイクを交換し、チームカーを利用して集団復帰したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

―ツール・ド・フランスで負った腰の怪我については?

今のところ素晴らしい状態にあるし、(身体の)機能に問題はない。だが3週目にどうなるかは分からない。

―オコーナーについてどう思うか?

彼はいまとても良いコンディションにあるし、そもそも実績のある素晴らしい選手だ。だから総合首位であることに驚きはないし、逃げ切り勝利を飾った走りは圧巻だった。

プロトンで走るプリモシュ・ログリッチ(スロベニア) photo:CorVos

―年齢を重ね、身体の変化を感じているか?

そんな質問しないでくれよ(笑)。僕の中身は18歳の頃と変わっていないが、朝目覚める時は20歳のそれと同じではない。でもいまだに若い選手たちと競い合うことができ、その中で自分を追い込むことが若さを保つ秘訣になっているのだろう。



オコーナー「力の限りを尽くすだけ」

大会2週目もマイヨロホの保持に成功したベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) photo:CorVos

ログリッチの猛追を受けるオコーナーも、同じくオンラインでのインタビューを実施した。多くの選手が着用するようなチームジャージではなく、私服のプルオーバーを着て臨んだオコーナー。終始笑顔で質問に答えた。

オコーナー:マイヨロホをここまで着続けることは予想外だ。着用した瞬間は最高潮の喜びがあったが、それを守り続ける走りは重労働に感じている。(タイムを失った)昨日は嫌な気分になったものの、オーストラリア人選手がグランツールでリーダージャージを着続ける新記録となったみたいだ。その事実は嬉しいし、誇りに思うよ。

―ログリッチが20秒のタイムペナルティを受けてことについては?

あくまでも20秒多くタイムを失わなかっただけ(笑)。正直、彼がバイク交換したことさえ知らなかった。でも明日のステージで彼は、そのタイムを全力で奪い返しにくるだろう。

最終山岳でガルの牽引を受けるベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) photo:CorVos

―総合リーダーに立つ経験は、ジェイコ・アルウラーに移籍する来年以降に活きると思うか?

これまでステージレースで表彰台に上がったことはあり、総合優勝に迫ったこともある。だがグランツールで総合首位に立ったことはなく、精神的に大きな経験になっているよ。

デカトロンAG2Rラモンディアルで4年走り、そろそろ新しい環境に飛び込みたいと思った。このチームのことは好きなのでネガティブな感情などない。だが母国のチームで走る素晴らしいチャンスを与えてもらったので、快く受け入れた。いまはこの大会でベストを尽くすことしか考えていない。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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