超級山岳を制したパブロ・カストリーリョ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)は「まさか勝てるとは」と驚き、マイヨロホを死守したオコーナーは笑顔を見せた。ブエルタ15日目を終えた選手たちのコメントを紹介します。



ステージ優勝 パブロ・カストリーリョ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)

表彰台で2勝目を喜ぶパブロ・カストリーリョ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ) photo:Unipublic

言葉がない。超級山岳で強いライバルを相手に2勝目を手に入れることができて、本当に信じられない気持ちだよ。この勝利は(4日前に逝去したチームの創設者かつ前代表の)マノロ(アズコーナ)とチーム、そして僕の家族に捧げたい。今日の勝利を僕は生涯忘れないだろう。

正直、今日勝てると思っていなかった。今朝の考えたとにかく逃げに乗ること。まさかステージ優勝が狙える位置で最終山岳に入ることができるとは思っていなかった。(3日前の)勝利も信じられないものだったが、2度目の勝利は夢のよう。人生最高のブエルタになった。それ以外、なんて言えばいいのか分からないよ。

ステージ2位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

レース先頭を進むアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)ら3名 photo:CorVos

調子はかなり良かった。最初の1時間はカオスかつハイスピードで、アタックが繰り返された。そして逃げ集団に入ることができた。僕は(最終山岳)プロトンに追いつかれた後、プリモシュ(ログリッチ)のタイム奪還をアシストするつもりだった。そうでなければステージを狙う作戦だった。

カストリーリョがシンプルに僕よりも速く、彼についていく脚はなかった。明日の休息日が楽しみだし、3週目に向けて準備はできている。

ステージ3位 パヴェル・シヴァコフ(ロシア、UAEチームエミレーツ)

ヴァインとソレルはプロトンとの差を保つ、素晴らしい走りを見せてくれた。しかし残念ながら(最終山岳で)全員を振り切ることができなかった。だが僕らは力を見せ、最終週に向けて自信がついたよ。

ステージ5位&総合2位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

リポヴィッツの牽引でライバルとの差を拡げたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

マイヨロホからどれだけタイムを失ったかは分からない。彼(オコーナー)は僕よりも前でフィニッシュしたんだよね?

―いや、20秒ほど後ろだ。

そうなんだ。今日は良い走りができたと思う。2週目を通してタフなレースが続き、今日のステージも厳しかった。タイムを失うのではなく、差を縮めることができて良かったよ。

―24%の勾配はどうだったか?

良かったよ。これまでのステージではもっと低い勾配の登りでも苦しんでいた。

―マスに追いつかれたときはどう思った?

彼はとても良いコンディションにある。何度も繰り返しているが、タイムを稼ぐ時も失うときもある。今日は(マス以外からはタイムを)奪ったのでハッピーだよ。

マイヨロホ ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)

マイヨロホを死守したベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) photo:Unipublic

前向きになれる日となった。今日、僕がマイヨロホを失うと予想した人たちを裏切ることができた。最終盤に脚の力が尽きてしまったことは残念だが、僕が体験した中で最も厳しいラストの1つだった。

今日、集団ではたった1つのアタックしか起きず、それを仕掛けたのがプリモシュだった。彼は強く、(アシストのいない)エース同士の戦いとなった。霧で視界が遮られ、自分がどこに向かって進んでいるのか分からなくなるような登りだったよ。

ログリッチを好アシストしたマイヨブランコのフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

1日を通してとても厳しかった。序盤からハイスピードで進み、最終山岳では総合上位勢に食らいついた。そして残り3kmからプリモシュが仕掛けた。その後僕は全力で登り、できるだけ上の順位を目指した。だが脚は限界を越えていた。プリモシュは良い走りを見せたし、前にはウラソフもいた。チームとして良い走りができたし、マイヨロホにまた一歩近づいた。

マイヨプントス&マイヨモンターニャ ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)

出発地点であるイニフィエストでスタートを待つ選手たち photo:CorVos

難易度の高い山岳ステージを終えてもなお、山岳賞のトップにいることができて嬉しい。だが今日、自分がクライマーでないことを思い知らされた(笑)。ヴァインがすべての山岳ポイントを取り、このジャージも奪われると思った。2度目の休息日を2つのジャージと共に迎えることができて嬉しいよ。3週目がどうなるか見てみよう。

今日はコントロールすることが難しかったレースで、正直調子が良くなかった。だから序盤にグルペットでフィニッシュすることを選んだが、最後の急勾配は楽ではなかった。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos