15km個人TTで21歳セガールトがワールドツアー初勝利　留目は60位

次世代のTTスペシャリスト、アレック・セガールト（ベルギー、ロット・ディステニー）が15kmの個人タイムトライアルで最速タイム。自身初のビッグウィンを達成すると共に総合首位に躍進した。

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ベルギーとオランダを跨ぐ5日間のステージレース「レネウィ・ツアー（UCIワールドツアー）」の2日目。総合成績にも大きく関係する個人タイムトライアルが、首都ブリュッセルの北東に位置するリンブルグ州の街テッセンデルロを走る15.4kmコースで開催された。

テッセンデルロ市街地をスタートし、郊外を走って市街地に戻るコースは平坦な土地柄を表すように真っ平ら。トップ10に食い込んだ選手たちは17分台、平均スピードにして54〜53km/hに及ぶピュアスピードバトルを繰り広げた。

この日は元個人タイムトライアル世界王者であるフィリッポ・ガンナ（イタリア、イネオス・グレナディアーズ）が出場せず。開幕ステージの終盤ペースアップに付いていけずコンディションが心配されていたガンナだが、チームは怪我や病気ではなく疲労蓄積のためと説明。今後は休養を経て次の目標に向かうとしている。

優勝候補ガンナ不在の中、現地時間12時30分に総合成績最下位のアレックス・エドモンソン（オーストラリア、dsmフェルミニッヒ・ポストNL）がスタート。その18分後、優勝候補の中で真っ先にスタートしたシュテファン・ビッセガー（スイス、EFエデュケーション・イージーポスト）が好タイムをマークした。

短〜中距離タイムトライアルのスペシャリストであるビッセガーは17分09秒849 (平均53.8km/h)を叩き出してホットシートに座り、元TT世界王者トビアス・フォス（ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ）は僅か0秒84届かず暫定2位に甘んじる。暫く時を経て、この日の最速タイムをアレック・セガールト（ベルギー、ロット・ディステニー）がマークした。

「スタートしてすぐいいリズムを掴むことができたし身体も良く動いた。下見も完璧。どこで差をつけることができるか分かっていた」と振り返るセガールトは、2箇所の中間計測ポイントでタイム更新した勢いそのままにビッセガーを10秒8上回る15分49秒836（54.6km/h）でフィニッシュ。期待されていたマグナス・シェフィールド（アメリカ、イネオス・グレナディアーズ）も好走したがセガールトには6秒4届かなかった。

総合首位を守るコメントを残していたジョナサン・ミラン（イタリア、リドル・トレック）は27位に終わり、21歳セガールトのワールドツアー初優勝が決まる。下部育成チームを経て昨年2月にエリートチームに昇格したセガールトは一昨年、昨年の世界選手権U23個人TTで2年連続銀メダルを獲り、今年はU23の個人TT王者を戴冠したTTスペシャリスト。今年のベルギーナショナル選手権（個人TT）では2位に入るなど持ち前のスピードを見せつけていたが、ここに来て初のビッグウィンを獲得した。兄のロイックはバーレーン・ヴィクトリアスでコーチ業を務める自転車兄弟だ。

セガールトのSTRAVAデータによれば、17分18秒の平均パワーは446ワットで最大パワーは1060ワット、合計運動量は462kJ。「完璧な走りだったよ。あまりにも集中していたから中間タイムも分からなかった。トップ選手が集う中でこの結果を手にできるとは思わなかった。総合首位に立ったのでできるだけ長くジャージを守りたい。最終日はミュールが登場するキツいレイアウトだ。今は最初のワールドツアー優勝を楽しみたい」と、セガールトは嬉しい心境を話している。

2023年の世界選手権U23タイムトライアルで23位という結果を残している留目夕陽（EFエデュケーション・イージーポスト）は、152人中60位という好順位でフィニッシュしている。