ツール・ド・フランス出場チームのプロバイク紹介最終回。圧倒的な力でダブルツールを達成したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)のコルナゴV4Rsを取り上げます。昨年と異なるセッティングや、各所に施されたカスタマイズは必見。



タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)|コルナゴ V4Rs

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)のコルナゴV4Rs photo:Kei Tsuji

ひときわ目をひくマイヨジョーヌカラーのV4Rs photo:Kei Tsuji
後半ではジロ優勝時と同じデザインの特別デカールを貼ったホイールが投入された photo:Kei Tsuji



個人タイムトライアルを含むステージ6勝で、3度目の総合優勝とジロ・デ・イタリアに続くダブルツールを達成したのがタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。怪我明けのディフェンディングチャンピオン、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)を退けて文句なしの圧勝劇を成し遂げた。

コルナゴは軽量オールラウンダーのV4Rsと名機Cシリーズの流れを汲むC68をロードラインナップの双璧として用意しているが、ポガチャルたちUAEチームエミレーツのメンバーはV4Rs一択。ポガチャルも「反応性がよく、登りアタックで武器になる」と評価しており、その走りに満足している模様。

カーボンTi製のカーボンチェーンリング。チームロゴ入りの特別品だ。クランクアームとの段差を埋めるパーツも同社製 photo:Kei Tsuji

55-40Tという巨大な歯数を常用 photo:Kei Tsuji
ディスクローターは引き続きカーボンTiのX-Rotor。スルーアクスルも同社製だ photo:Kei Tsuji


ディレイラーハンガーも社外品。剛性を強化している photo:Kei Tsuji
アブソリュートブラック製のグラフェンパッドを使用。形状が目をひく photo:Kei Tsuji



コンポーネントはシマノのDURA-ACEだが、ポガチャルなどクライマー勢はサードパーティパーツを多用して軽量化を図っていることが大きな特徴。最も目につくのはカーボンTi製のカーボンチェーンリングで、今年は肉抜き加工でチームロゴ入りの供給専用品を使っている。ポガチャルは常時55-40Tという巨大なチェーンリングであり、クランクは165mmのショートタイプ。2020年のツール初制覇時は172.5mmを使用していたが、さいたまクリテリウムなどでの慣らし運用を経て今年から165mmを使用中だ。

ディスクローターもカーボンTiのX-Rotorで、同社から新発売されたエアロモデルはやや重量がかさむためかロードステージでは使われていない。スルーアクスルも同社製のX-Lockが奢られている。ブレーキパッドは放熱フィンが特徴的な、アブソリュートブラック製のグラフェンパッドだ。

タイヤはコンチネンタルのGrand Prix 5000TT TR。サイズは30cで実測32mmオーバー photo:Kei Tsuji

サドルはプロロゴの NAGO R4 NACK photo:Kei Tsuji
優勝を祝したマイヨジョーヌカラーのボトル photo:Kei Tsuji



ハンドル幅は上側370mm/下側400mm。ポガチャルのために作られたサイズだ photo:Kei Tsuji

ホイールとハンドルセットは2023年からパートナーシップを組むエンヴィで、ハンドルは上側370mm/下側400mmというポガチャルのために作られた専用品。両側ドロップ部分のDI2スイッチ追加、そしてSTIレバーをルールに抵触しないギリギリで倒しているのもポガチャルお馴染みのセッティング。タイヤはコンチネンタルの軽量モデルであるGrand Prix 5000TT TRで、サイズは30C。昨年ポガチャルは28Cを使っていたが、更にワイド化した形だ。幅広のエンヴィホイールとの組み合わせにより実測値は32mmを超える。

text:So Isobe

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