2024/08/28(水) - 08:30
1級を含む4つのカテゴリー山岳を越えるブエルタ・ア・エスパーニャ第10ステージで、マイヨプントスを着るワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が逃げ切り。一騎打ちスプリントでパシェを退け、今大会3勝目をマークした。
8月27日(火) 第10ステージ
ポンテアレーアス〜バイヨーナ 160km(山岳)
第79回ブエルタ・ア・エスパーニャはスペイン南部を巡った1週目から、北西のガリシア州にやってきた。ビーゴで1度目の休息日を楽しんだ選手たちにレース主催者は4つのカテゴリー山岳を越える山岳ステージを用意。第10ステージの獲得標高差は3,000mだが、ラストに登坂する1級山岳は決して易しくない。
序盤に登坂距離15.4kmの2級山岳を越え、約50kmの平坦路を挟み3級&2級の山岳をクリア。最終1級山岳アルト・デ・モウガス(距離9.9km/平均6%)に臨み、フィニッシュ地点はテクニカルな急勾配坂を下った先に引かれている。
この日は新型コロナウイルスに感染したローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)やハロルド・ロペス(エクアドル、アスタナ・カザクスタン)など3名が未出走。EFエデュケーション・イージーポストの選手たちが感染対策のマスク姿で出発地点に現れるなか、灼熱続きだった1週目から一転、気温21度と過ごしやすいコンディションのなかスタートした。
逃げを目指す激しい動きで始まった序盤は、特にUAEチームエミレーツが積極的に仕掛ける。約45kmに及んだアタック合戦は最初の2級山岳を越え、先頭はワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)やマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)を含む5名で落ち着く。遅れて38歳のベテランであるアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)がメイン集団を飛び出したものの、合流には至らなかった。
第10ステージで逃げた5名
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)
ウィリアムジュニア・ルセルフ(ベルギー、Tレックス・クイックステップ)
ユーリ・ホルマン(ドイツ、アルペシン・ドゥクーニンク)
カンタン・パシェ(フランス、グルパマFDJ)
プロトンはリーダーチームであるデカトロンAG2Rラモンディアルが、その差を5分でコントロール。総合2位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)から3分53秒のリードでマイヨロホを着るベン・オコーナー(オーストラリア)は時折カメラに笑顔を見せながら、リラックスした雰囲気で残り距離を消化していった。
約50kmの平坦区間を終え、逃げ集団は3級、2級、1級と徐々に難易度が上がっていく山岳地帯に突入する。最初の3級山岳は争うことなくネオプロ(プロ1年目)のルセルフが、続く2級山岳をファンアールトが先頭通過する一方、プロトンではレッドブルが登りで集団のスピードを引き上げる。第8ステージでコースに飛び込んだ鹿と接触し、落車した影響で膝を痛めたジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)がバイクを降りるなか、逃げは5分半のタイム差を維持した。
急勾配の下りをクリアした逃げグループは残り31.1km地点の中間スプリントに到達。その直前にマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着たファンアールトが飛び出し、先頭通過すると共に単独先頭に立つ。それに唯一パシェがジョインし、2級山岳でも遅れる場面のあったソレルら3名が遅れを取った。
ファンアールトとパシェは残り30.2kmから始まる1級山岳アルト・デ・モウガス(距離9.9km/平均6%)に突入。その時点で後続とは18秒、プロトンからは5分27秒のリードを得る。先頭2名が先頭交代しながら順調に登坂し、ルセルフは単独追走を試みたものの、最後まで前に追いつくことはできなかった。
ステージ優勝の行方が先頭の2人に絞られるなか、20名程度に減ったメイン集団の牽引がレッドブルからEF、そしてデカトロンに代わっていく。しかしプロトンで大きな動きはなく、ファンアールトとパシェが風光明媚な大西洋を見ながらバイヨーナの市街地に到着。パシェを先頭にフラムルージュ(残り1km)を通過し、圧倒的なスピード差を見せつけたファンアールトが勝利した。
パートナーと2人の子どもに迎えられ、今大会3勝目を喜んだファンアールト。「今日は逃げに乗るつもりだったのだが簡単にはいかなかった。最初の登りで苦しみ、危うく諦めるところだった。激しかった序盤が他の選手たちを疲れさせ、それが僕に有利に働いたようだ」と、マイヨプントスのリードも大きく拡げたファンアールトは語った。
プロ初勝利を逃したパシェは「恥じることは何もない。最高の選手の一人と対峙しただけ。プロトンでフィニッシュするよりもファンアールトに負かされる方が良い。大会はあと2週間あるので勝利を狙っていきたい」と敗者の弁。5分31秒遅れでフィニッシュした総合上位勢に順位の変動はなかった。
8月27日(火) 第10ステージ
ポンテアレーアス〜バイヨーナ 160km(山岳)
第79回ブエルタ・ア・エスパーニャはスペイン南部を巡った1週目から、北西のガリシア州にやってきた。ビーゴで1度目の休息日を楽しんだ選手たちにレース主催者は4つのカテゴリー山岳を越える山岳ステージを用意。第10ステージの獲得標高差は3,000mだが、ラストに登坂する1級山岳は決して易しくない。
序盤に登坂距離15.4kmの2級山岳を越え、約50kmの平坦路を挟み3級&2級の山岳をクリア。最終1級山岳アルト・デ・モウガス(距離9.9km/平均6%)に臨み、フィニッシュ地点はテクニカルな急勾配坂を下った先に引かれている。
この日は新型コロナウイルスに感染したローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)やハロルド・ロペス(エクアドル、アスタナ・カザクスタン)など3名が未出走。EFエデュケーション・イージーポストの選手たちが感染対策のマスク姿で出発地点に現れるなか、灼熱続きだった1週目から一転、気温21度と過ごしやすいコンディションのなかスタートした。
逃げを目指す激しい動きで始まった序盤は、特にUAEチームエミレーツが積極的に仕掛ける。約45kmに及んだアタック合戦は最初の2級山岳を越え、先頭はワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)やマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)を含む5名で落ち着く。遅れて38歳のベテランであるアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)がメイン集団を飛び出したものの、合流には至らなかった。
第10ステージで逃げた5名
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)
ウィリアムジュニア・ルセルフ(ベルギー、Tレックス・クイックステップ)
ユーリ・ホルマン(ドイツ、アルペシン・ドゥクーニンク)
カンタン・パシェ(フランス、グルパマFDJ)
プロトンはリーダーチームであるデカトロンAG2Rラモンディアルが、その差を5分でコントロール。総合2位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)から3分53秒のリードでマイヨロホを着るベン・オコーナー(オーストラリア)は時折カメラに笑顔を見せながら、リラックスした雰囲気で残り距離を消化していった。
約50kmの平坦区間を終え、逃げ集団は3級、2級、1級と徐々に難易度が上がっていく山岳地帯に突入する。最初の3級山岳は争うことなくネオプロ(プロ1年目)のルセルフが、続く2級山岳をファンアールトが先頭通過する一方、プロトンではレッドブルが登りで集団のスピードを引き上げる。第8ステージでコースに飛び込んだ鹿と接触し、落車した影響で膝を痛めたジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)がバイクを降りるなか、逃げは5分半のタイム差を維持した。
急勾配の下りをクリアした逃げグループは残り31.1km地点の中間スプリントに到達。その直前にマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着たファンアールトが飛び出し、先頭通過すると共に単独先頭に立つ。それに唯一パシェがジョインし、2級山岳でも遅れる場面のあったソレルら3名が遅れを取った。
ファンアールトとパシェは残り30.2kmから始まる1級山岳アルト・デ・モウガス(距離9.9km/平均6%)に突入。その時点で後続とは18秒、プロトンからは5分27秒のリードを得る。先頭2名が先頭交代しながら順調に登坂し、ルセルフは単独追走を試みたものの、最後まで前に追いつくことはできなかった。
ステージ優勝の行方が先頭の2人に絞られるなか、20名程度に減ったメイン集団の牽引がレッドブルからEF、そしてデカトロンに代わっていく。しかしプロトンで大きな動きはなく、ファンアールトとパシェが風光明媚な大西洋を見ながらバイヨーナの市街地に到着。パシェを先頭にフラムルージュ(残り1km)を通過し、圧倒的なスピード差を見せつけたファンアールトが勝利した。
パートナーと2人の子どもに迎えられ、今大会3勝目を喜んだファンアールト。「今日は逃げに乗るつもりだったのだが簡単にはいかなかった。最初の登りで苦しみ、危うく諦めるところだった。激しかった序盤が他の選手たちを疲れさせ、それが僕に有利に働いたようだ」と、マイヨプントスのリードも大きく拡げたファンアールトは語った。
プロ初勝利を逃したパシェは「恥じることは何もない。最高の選手の一人と対峙しただけ。プロトンでフィニッシュするよりもファンアールトに負かされる方が良い。大会はあと2週間あるので勝利を狙っていきたい」と敗者の弁。5分31秒遅れでフィニッシュした総合上位勢に順位の変動はなかった。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2024第10ステージ
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 3:50:47 |
2位 | カンタン・パシェ(フランス、グルパマFDJ) | +0:03 |
3位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +2:01 |
4位 | ウィリアムジュニア・ルセルフ(ベルギー、Tレックス・クイックステップ) | |
5位 | ユーリ・ホルマン(ドイツ、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
6位 | チョミン・フアリスティ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) | +5:13 |
7位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | +5:31 |
8位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | |
9位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | |
10位 | アロルド・テハダ(コロンビア、アスタナ・カザクスタン) | |
22位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) |
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | 36:09:36 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +3:53 |
3位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +4:32 |
4位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +4:35 |
5位 | ミケル・ランダ(スペイン、Tレックス・クイックステップ) | +5:17 |
6位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +5:29 |
7位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | +5:30 |
8位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | |
9位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +6:00 |
10位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | +6:32 |
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 243pts |
2位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | 162pts |
3位 | パヴェル・ビットネル(チェコ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | 81pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | 22pts |
2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 22pts |
3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | 18pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
1位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | 40:11:23 |
2位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +0:31 |
3位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +1:49 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 120:28:40 |
2位 | デカトロンAG2Rラモンディアル | +8:44 |
3位 | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +9:40 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:Unipublic, CorVos
photo:Unipublic, CorVos
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