今大会2勝目を掴んだプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)は「チャンスを掴みにいっただけ」と語り、タイムを失ったオコーナーは「チームの頑張りに応えられず残念」と悔しがった。ブエルタ8日目を選手たちの言葉で振り返ります。



ステージ優勝&総合2位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

最後まで粘ったテハダを抜き、先頭に立ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:Unipublic

レース直後インタビュー

勝利を狙っていたわけではなく、チャンスだったので掴みにいった。僕に適した厳しいレイアウトで、暑さもあった。また幸運にも今日は脚の調子が良かった。明日はベストを尽くすだけ。いまだ感じる身体の痛みがどう影響するか次第になるだろう。でもいまはこの勝利を喜びたい。

表彰式後インタビュー

今日はステージ優勝に加え、総合タイムを稼ぐことができた。だが明日は今日稼いだタイムなんて簡単に失ってしまうようなクイーンステージ(最難関ステージ)が待っている。明日は身体の反応次第ということになるだろう。

マスを退け、区間2勝目を手に入れたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

―総合タイムを取り戻した今日のステージで、最終的なマイヨロホ獲得に向けて自信につながったか?

そうだね。(タイムは)失うより奪う方が良いものだが、まだ僕らは1週目にいる。大会は始まったばかりで明日、ようやくクイーンステージの一つを迎えるにすぎない。その後は第17ステージなど厳しいレースが待っている。これからもコンディションに気をつけて戦うだけだ。

ステージ4位&総合4位&マイヨブランコ アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)

アイスベストを着てスタートを待つマイヨブランコのアントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos

これほどの難易度の登りで、予想していたよりも良い走りができた。ステージ4位は満足な結果だ。ログリッチがタイム差を取り戻すために攻めることは予想していた。僕自身の調子は日に日に上がってきており、これからも総合上位の選手たちに食らいつくだけ。また今日はジャック(ヘイグ)が登りで助けてくれたよ。

明日も今日のように激しい展開の序盤となるだろう。逃げが形成された後はレッドブルがプロトンを先導し、オコーナーにプレッシャーをかけるに違いない。

ステージ3位&総合5位 ミケル・ランダ(スペイン、Tレックス・クイックステップ)

脚に力を感じたのでベストを尽くした。区間3位という結果には満足しているよ。ブエルタはまだ続いていくので、この後何が起きても不思議じゃない。そんな中でも僕はこの登りで自信がついた。これからも目の前のレースに集中するまでだ。

46秒を失ったマイヨロホベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)

46秒遅れでフィニッシュしたベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) photo:Unipublic

今日は暑さにやられてしまった。チームメイトはレース序盤から良い牽引を見せてくれたのだが、その頑張りに応えられず残念だよ。昨日はあまり暑さを感じなかったのに今日は本当に暑かったんだ。それが走りに影響してしまい、憤りすら感じた。でも条件は皆同じなのでしょうがない。

明日は長い登りが連続するのでより僕に適している。だが総合争いでは大きくタイム差が拡がることになるだろう。またこの地域の山岳は個人的には好きで、総合上位勢にとってこういった登りは何度もこなしている。とても厳しい戦いになるだろうし、コースプロフィールでは分からない序盤も厳しくなるはずだ。

1分7秒失ったセップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)

落車の影響で遅れたものの、1分7秒遅れでフィニッシュしたセップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

調子は良く、理想的な位置で最終山岳に入ることができた。だが登り口の落車で足止めを食らい、追走を強いられた。精鋭集団に合流しようと試みたのだが、残念ながら追いつくことができなかった。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos